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有休消化、企業の義務に 厚労省検討 (日経新聞)

2014年10月07日 | Weblog

10月3日(金)日経新聞によると 
『厚生労働省は企業に対して社員の有給休暇の消化を義務付ける検討に入った。社員の希望をふまえ年に数日分の有休の取得日を企業が指定する。社員から有休取得を申し出る今の仕組みは職場への遠慮から休みにくい。労働基準法を改正し法的義務にすることで欧米より低い有休の取得率を引き上げる。「ホワイトカラー・エグゼンプション」など労働時間の規制緩和と並行して長時間労働の是正を進め、働き手の生産性を高める。

 厚労省の労働政策審議会で議論して、来年1月召集の通常国会に出す労働基準法改正案に盛り込む。早ければ2016年春の施行を目指す。

 働かなくても賃金を受け取れる有給休暇は、6年半以上働けば年20日分もらえるようになる。現在は原則として社員が企業に申し出る必要がある。企業には社員に有休を取らせる義務は無く、日本の有休取得率は47%にとどまる。
 新しい仕組みではそれぞれの社員が年数日分の有休を取るよう企業側に義務付ける。一般社員に加え管理職も対象とする。中小も含む全企業を義務化の対象とする方向で検討が進む見通し。
 過剰な規制で企業の負担を増やさないよう、法的義務を課すのは有休20日分の一部にとどめる。今の制度で有休を十分に消化していれば義務を果たしたとみなす方針だ。未消化の社員が多い企業には罰則規定を設ける。
 厚労省の審議会に参加する労使の代表は、有休消化の義務付けを容認する見通しだ。経団連は今年の政策提言で、企業の責任で有休を指定する仕組みについて「検討に値する」と明記した。労働時間の上限設定などの厳しい規制が入ることを警戒したもようだ。組合側も有休の義務付けを、長時間労働是正への一歩として賛成する見通し。
 厚労省調査では働く人の66%が職場への配慮から有休取得をためらっている。企業が事実上の有休消化義務を負う欧州諸国では有休取得率が100%近い。20年に70%とする政府目標達成には法改正が必要と判断した。
 有休義務化を盛り込む労基法改正案には、専門職の労働時間規制を外すホワイトカラー・エグゼンプションや働く時間を本人が柔軟に決める裁量労働制の拡大を盛り込む。政府は長時間労働を是正しながら多様な働き方を推進したい考えだ。
 産業構造が変わり企画や開発などの仕事が増えるなか、働く時間を長くしても成果が上がりにくい。有給休暇が取りにくいと、子育て中の女性の就労の障害となる。生産性を上げるためにも働き方や休み方の見直しが必要だ。「月曜や金曜に休めば3連休も取りやすくなり、観光消費の押し上げが期待できる」(ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長)面もある。』