ちくま文庫の「向田邦子との20年」久世光彦を読んでおりますと、久世さんと向田さんの交流が延々と書かれており、半分ほどまで読み進んでこの先未だ書く事があるんだろうかと少し飽きた気分になっておりました。そうしたら急に“あとがきに代えて”という表題が出てきて、この先は随分長い解説と年表が続くのかなあと良く観てみますと、この本は1992年講談社より出された「触れもせでー向田邦子との20年」と同じく講談社から1995年の出された「夢あたたかきー向田邦子との20年」の合本でして、二冊に共通の「向田邦子との20年」を題名としているのでした。久世ファンにとっては、今更そんな事に気が付いたのかと怒られそうですが、出版に3年間の差がある「触れもせで」と「夢あたたかき」には気分を一新する差がありそうなので、「飽きもせで」後半を楽しめそうです。
向田久世のコンビによる作品は、「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」ともに熱心に毎週観ておりましたので、あの時代にあれほど斬新で面白くて旧いドラマを創る人は、よっぽどの天才なんだろうと思っておりました。今回この「・・・20年」を読んでその寺内貫太郎が寺内寿一と鈴木貫太郎を合成して出来た名前である事を知り、昭和の古層を忍び込ませた技巧に唸りました。
「向田邦子との20年」食い物の話は少し出てくるのですが、酒の話が出てこないところに不満があります。最も「触れもせで」ですから、素面でないとこの状態は保てなかったのかも知れません。
向田久世のコンビによる作品は、「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」ともに熱心に毎週観ておりましたので、あの時代にあれほど斬新で面白くて旧いドラマを創る人は、よっぽどの天才なんだろうと思っておりました。今回この「・・・20年」を読んでその寺内貫太郎が寺内寿一と鈴木貫太郎を合成して出来た名前である事を知り、昭和の古層を忍び込ませた技巧に唸りました。
「向田邦子との20年」食い物の話は少し出てくるのですが、酒の話が出てこないところに不満があります。最も「触れもせで」ですから、素面でないとこの状態は保てなかったのかも知れません。