琵琶湖の畔で 2 瀬田唐橋
瀬田唐橋(せたからはし)は、琵琶湖から外に流れていく唯一の川、瀬田川に架かっています。
今から1400年近く前に起こった壬申の乱、そして、源平合戦で木曽義仲が討たれ、歴史の根幹を揺るがす大きな事象が起こった川です。
瀬田川は、宇治に流れ、京都を流れ、大阪を流れ、次々と名前を変えて大阪湾に注がれます。
これだけ史実と物語に登場した川は無かろうと思います。
新幹線も、もちろんの事この川を渡ります。昔は赤い欄干だったのですが、今は金色です。大津市民に公募し色を決め、結果、「金」になったのだそうです。
個人的には、朱色の方が臨場感と妄想が広がるのですが、とりあえず今は金色の欄干が煌々と輝いています。
東京方面から京都に着く手前のトンネルに入る直前にこの橋を渡りますので、気付かない人が多いようです。
新幹線に乗り、名古屋を過ぎると、京都方面右側の車窓にへばり付いて、名所旧跡を一つ一つ確認するのが、私の密かな楽しみなのです。
在来線や車で瀬田唐橋を何度も渡っているものの、歩いて渡ったことが一度もなく、いつかは自分の足で瀬田唐橋を歩きたいと願っていたところ、勉強会が始まる午前中に、「どうせなら!」と思い立ったお陰で、念願が叶いました。
(新幹線が見えます)
木曽義仲に憧れていた松尾芭蕉の墓は大津の義仲寺境内にあり、義仲寺の門の脇には巴御前を祀った庵があり、歴史好き、謡曲好きにはたまらない名所です。
瀬田唐橋を過ぎ、瀬田川を宇治方面に南に進んでいくと紫式部が源氏物語を執筆した石山寺があります。
そして、平家物語を読む際、琵琶湖周辺の地形が頭に入っていると想像と史実を一層楽しむことができます。
初めて歩いた瀬田唐橋は、今は交通量の多い大きな橋ですが、織田信長もここを渡り、大海皇子も天智天皇も大友皇子も、と思うと、時代時代の出来事に臨場感が湧いてくるのです。
歴史の一ページの場所に立つという行為は、まさに唐崎勉強会の目的であるアースフィーリングに他なりません。
歴史の深い琵琶湖を巡る旅は、まだまだ続きそうです。
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