Mr.コンティのRising JAPAN

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全国高校サッカー またも京都代表は…. 宮崎鵬翔 2 ( PK5-3 ) 2 京都橘

2013-02-20 | 五輪 U-20, U-17
鵬翔5人目のキッカーはGKの浅田君。 準決勝の星稜戦ではPK失敗したのではなかったかな~と思うも彼の蹴った弾道は見事にゴールネットを揺らした。 喜びを爆発させる鵬翔イレブン達。 あぁ~京都代表はまたも優勝に届かなかったか…. 一昨年の久御山、1992年度大会、石塚啓次を擁した山城高校。そして高校野球では2005年、わが母校京都西高校、それから1981年大会の京都商業….
まぁ高校サッカーでは大阪代表は北陽が優勝して以来、藤枝東の呪いが解けずに39年間決勝に残ったことはないけど….



今年の高校サッカー決勝戦は宮崎鵬翔高校と京都橘の顔合わせ。どちらが勝っても初優勝ということだった。昨年は市立船橋対四日市中高工業という優勝常連の大戦であったがその前6年間は初優勝校が
続いた。おそらくクラブチームやユースチームが主流になりつつあり、そちらの方に良い選手が流れる傾向にあり高校選手権は同年代最高の大会では無くなりつつあるという事象に拍車がかかっているのだろう。
大会序盤のサプライズはなんといっても昨年度準優勝の四日市中央工の初戦敗退。2トップの浅野君 ( 広島入り内定 ), 田村翔君 ( 湘南内定 ) らを含む昨年度の選手権決勝戦スタメンメンバー8人が残りながら桐光学園に 2-4 で敗退した。 大会前は優勝候補最右翼と思ったんだけど。

関東勢は昨年こそ市立船橋が優勝したけどここ最近は“地の利”を生かして上位を独占するということも少なくなった。今大会、準々決勝に残ったのは桐光学園(神奈川)だけだった。
関西勢では大阪の東海大仰星と京都橘の2校が準々決勝に進出した。 東海大仰星は残念ながら星稜にPK戦で敗れたが橘は帝京長岡(新潟)を 2-1 。そして桐光をなんと3-0で降して決勝戦に進出した。 私が高校時代はまだ橘高校は女子校だった。そして2000年に男女共学校となりサッカーではインターハイに2007年、選手権には2008年と今大会と2度京都代表になっている。 わが母校のサッカー部はいつになったら全国に進出するのだろう…. 指導者も悪くなく、部員も多いらしいんだけどなぁ…..
対する宮崎鵬翔高校はかつて宮崎中央高校という学校名だった。 私が現役時代、後輩の一人に陸上でインターハイに出場したことがある宮崎中央高校の卒業生がいたのでなじみが少しあった。 その後宮崎県ではサッカー有名校となっていったけど松崎博美先生は、後輩が在学中の26年前から同校で式を執っているらしい。

1月12日、決勝戦が予定されていた日は朝から雨が降っていた。 決勝戦はなるべく良い天候でやらせてあげたいなぁと思っていたら昼前に急に雨が雪に変わり家の周りもあっという間に銀世界になってしまった。 そしてキックオフの時間にテレビを点けると中止が発表されていた。 応援団やこの日にしか競技場に来られない人にとっては残念な天候だと思うけど選手の立場からするとこれでよかったんじゃないかな…と思った。翌週19日はセンター試験日だった。幸い受験者はいなかった。昔高校ラグビーの決勝戦がセンター試験と重なり大分舞鶴高校の生徒が決勝戦に出られないという報道がなされたがその生徒の受験校だった鹿屋体育大がその生徒の為に特別に“個人試験”を決めたことを思いだした。 



そして1月19日。この日の天候は昨年の様に快晴だった。 この1週間、鵬翔は一旦宮崎に帰省し、橘はそのまま関東に残ったらしい。その辺がこの試合にどう影響したか… また膝の調子が今一の鵬翔のエース中濱君、そして体調不良の橘の主将高林君達にとっては“恵みの雪”になると思ったけど、二人ともベンチスタートだった。 星稜戦で警告を受けて累積警告で出場停止の鵬翔右SB柏田君に替わって3年生の松永君が起用された他は準決勝と同じスタメンだった。
準決勝戦で桐光を 3-0 で破った橘が有利かと思っていた。
それにしても橘は今大会、選手権で初勝利をおさめたがその後はあれよ、あれよの快進撃での決勝進出だった。 初戦の正智深谷(埼玉)を“アウェー。さいたまスタジアム”にてPK戦で破ったことで勢いが付いたのだと思う。

立ち上がりは鵬翔が攻め込む。69秒には右からクロスが上がり、2分16秒には左から、1年生FW北村君にわずかに合わなかった。2分34秒には澤中君がミドルを狙う。 橘は今大会どころか京都大会から全ての試合で先制をしている。鵬翔は準決勝戦で2度リードされても追いつくという粘りを見せている。 どちらが先制した方が面白くなるのだろうと考えだしたころから次第に橘が中盤でボールをつなぐようになってきた。 9分には愛するサンガのエース宮吉の弟君である宮吉悠太君(2年)、2列目左の中野君(1年)が連続シュートを放つ。13分21秒にはカウンター攻撃から小屋松君(3年)のドリブルから右サイドに流れた仙頭君(3年)がシュートに持ち込む。2列目右の伊藤君(3年)がうまく右サイドラインに流れてスペースを作った。 こうして橘が主導権を握るかと思ったときに突然にコマーシャルが入ってきた。コマーシャル明けに仙頭君がドリブルシュートを放ったけどその時は29分になっていた。…… 後で知ったことだけど、試合が延期されたので従来の放送枠を変更せざるを得なくなり、放映開始時間もキックオフ時間より遅く試合経過を編集しながら放映していたらしい。
あぁこの10数分間の間にどういう流れになっていたのかなぁ~… と思っていた。試合は鵬翔陣内ですすむ時間が多い。
そして41分、橘2列目左の1年生中野君がシュートを放つと一旦は鵬翔CB原田君がヘッドでクリアーするがこぼれ球を拾った1年生CB林君がそのまま放ったグラウンダーのミドルが鵬翔ゴールネットを揺らした。 



これで橘は京都府予選、選手権を通じて10試合連続先制ゴールを決めたことになる。 今大会は準決勝戦まで5試合続けての先制ゴールはすべて仙頭君が決めたが決勝戦は林君が決めた。 それにしてもこのゴールには1年生が二人も“絡んで”いたのか、と思った。
先制を許した鵬翔はその後、目が醒めたのか猛攻を繰り返す。 再開直後には縦パスを受けた北村君がシュートを放つがオフサイド。 43分には右から左に動いてSB日高君がミドルを放つとポストのわずか右に外れていく。 45分25秒には澤中君がシュートに持ち込む。中盤から縦パスがズバズバ通り続けた。  しかし終了間際、先制後初めて相手PA内に迫った橘がCKのチャンスをつかむ。 そして伊藤君が放ったヘッドは惜しくもポストの右に外れていく。 このシュートが結局試合を大きく左右することとなった。

後半、鵬翔ベンチはエース中濱君を澤中君に替わって投入する。スタメンで起用されなかったのはまだ故障が完治していなかったからだろうがもし先制されていなかったらもう少し温存されていたかもしれない。
その中濱君は投入されて早速ドリブル突破からCKのチャンスを導き存在を示す。 そのCKから2年生CB芳川君が橋本君のマークの前でヘッドで合わし試合を振り出しに戻した。 準決勝までの5試合で8ゴールを上げているがうち5得点がセットプレーから。セットプレーの強さを発揮したといえるが、それを創った中濱君のドリブルが目立った。

    

中濱君は52分にもドリブルから日高君のシュートを導く。  
中濱君の能力が目立つ後半立ち上がりであったがしかしそれに刺激されたか64分中野君からボールを受けた小屋松君が左サイドを上がり中に折り返したところを仙頭君が芳川君の直前でワンタッチでひっかけたショットが鵬翔ゴールネットを揺らし再びリードを奪った。 これで仙頭君は大会5得点目。小屋松君に並んだ。 そしてこれで橘が大きく一歩優勝に前進したとおもったけど。
73分、鵬翔ベンチは二人目の交代選手 2年生FW 宇田津君が右SB松永君に替わって投入される。ボランチの矢野君をSBに下げるのかなと思った。そして橘ベンチは主将の高林君をまだ投入しないのか….
残り時間が10分を切った。 ボール支配はリードされている鵬翔がやや上回っているようだった。 そして82分サイド攻撃の起点になっていた左SBの日高君がドルブル突破を図り倉本君をかわし更に橘ゴールに迫るところを林君がマークに入り倒される。 すると主審はペナルティースポットを指した。 これを矢野君が決めて再び鵬翔が追いついた。 日高君のドリブルのマークに着いた倉本君、林君は1年生。このシーンがこれからも生きるだろう…..
同点に追いついた鵬翔は後半から入った中濱君を中心に更に攻撃のテンポを上げる。92分に橘の倉本君が北村君を倒してFKを与える。セットプレーから得点を量産する鵬翔攻撃陣に対抗すべく橘の全選手がPA内に入り守備を固める。ここはGK永井君がキャッチする。そしてその後に中濱君がドリブルシュートを放つがゴールには至らずホイッスルが鳴った。 
これで2年連続で決勝戦は延長戦に突入することに。昨年は追いついた市立船橋が優勝を勝ち取った。そう考えれば……



延長に入っても優勢に試合を進めるのは鵬翔だった。 95分には中濱君が吉中君に倒されFKを得る。日高君が直接狙ったFKはわずかにクロスバーを越える。 橘自慢の2トップはボールを受けても鵬翔MF,DFの早い寄せそして厳しいマークにあい自由にボールをコントロールできない。 それでも103分には仙頭君がミドルを放つ。 104分、1年生FW北村君がベンチに下がり高妻君が投入される。高妻君は3年生。卒業前に決勝戦のピッチに立てて良かったと思う。108分、今度は橘ベンチが中野君を下げて2年生MF赤松君を投入する。 その直後、赤松君からボールを受けた仙頭君が放ったシュートはGK正面に。そして111分9秒、主審のホイッスルが鳴り120分が終わった。あぁ~高林君の投入はなかったか~と思った。

PK戦は今大会橘が1回、鵬翔が2回経験している。 だから鵬翔が有利かなぁ、と思ったら橘の1人目仙頭君のショットが右下ポストの内側にあたってゴールの外に弾き出されてしまった。 
鵬翔はみな着実に決めてくる。ただ全員が左側に蹴り込んでいる。 
1点リードで鵬翔5人目は誰が蹴るのだろう、と思ったらGK浅田君がスポットに歩み寄って来た…..



選手権が終わって1カ月近くが経った。 3年生は今どうしているだろう? そして昨年大会を沸かせた選手たちは?
いまは高校サッカー部を通じてJリーグ入りできる選手が年々減少しているらしい。 だけど私は思う。 Jリーグに行くのも良いけどまずは将来を考えろよ。大学に行ってからでもJリーグは入れるんだ。 大学を経由するとJリーグに入れないといわれる選手は初めからJリーグに目指さない方が良い。プロで通用する選手は大学を経由してもプロ入りできる。 
もし大学に進学してプロ選手以外の道を見つけたらそれはそれで良いことだと思う。 
君たちが日本のサッカーを背負う義務など無い。もちろんそうなれればこの上なく素晴らしいことだけど。

それが種目は違うけど大学も実業団も経験し,挫折した元アスリートのアドバイスだ。