ワールドカップもいよいよ今日から準々決勝、所謂決勝トーナメントが始まった。
残った8カ国の顔ぶれを見るとこれといった波乱も無く予想通りの顔ぶれとなった。
しかし Ireland が Australia を破ってグループリーグ1位で勝ち残ったので南北半球4カ国がそれぞれ同じゾーンに入ったので比較的下馬評の高かったAll Blacks 、Springboks そして Wallabies が決勝戦までお互いに消しあう事となった。こうなると Wilkinson の調子があがらず苦戦続きだった England が俄然有利になった、しかし今大会台風の目 Ireland も面白い…これからが真のワールドカップと言える戦いが始まるのだと思っていた…だけど俺の予想はこうも外れるとはなぁ....
日本が健闘を見せた時間があったフランス戦の翌日、同じ North Harbour Stadium でWallabies は今大会初戦になるイタリア戦を迎えた。
この日私は同じホテルには部屋が取れず移らねばならなかった。しかしチェックアウトの際にその事を話すと、
“そんな事は無い空室はたくさんある。宿泊を延長しますか?”と言われた。
しかし次に取ったホテルは徒歩10分もかからないところでキャンセルが効かないと思ったのでその好意には
“ No Thank you “ と言うしかなかった。彼も残念そうに“それではまたのお越しを。昨日の日本は凄かったですね…” と言われた。
滞在中はずっと日本代表のレプリカを着続けていたので街を歩いていると多くの Aussie 達がWallabies のレプリカを着て闊歩しおており彼らに“昨日はナイスゲームだったなぁ。”と声を掛けられた。
それだけ彼らにとっては“健闘”だったのかもしれない….
次のホテルにチェックインしても Aussie や Kiwi 達にフランス戦の事で話しかけられた…..
街中から前日乗ったシャトルに乗って Stadium に向かったが車中は殆どが Aussie 達。そこにイタリア人が10人程度混じっており日本人は ( 恐らく ) 私だけだったと思う。 バスは北部に向かうのには欠かせない有名な橋 Harbour Bridge を通るのだけどその橋は日本人技師が設計したらしい。この日の地元紙にもこの地域で日本と言えばここの橋が日本人によって設計された事以外はだれも関心が無かったが前日の試合はそれ以来初めて日本に関心が集まった日だっただろう。
日本ラグビー史で最も素晴らしかった瞬間であった可能性がある…と書かれていた。でもかつては 1989年に Scotland に勝った事があるし 1983年にはアームズパークで Wales に 24-28 と健闘し、かつては England 相手に 3-6 と大健闘した。
それらはワールドカップが始まる前の事であるが世界の列強からすれば小国日本がかつてどんな興隆を見せたなんて関心は無かったんだろうなぁと思った。 そしてサッカーだったら世界に知られているのになぁ….と関係ない事を思い出した……
スタンドはWallabies のサポーター達、 Gold and Green Army で覆われていた。それでもイタリア国旗を打ち振る人達もちらほら目に付いた。 Five Nations への参戦が認められ Six Nations と改められた大会に出場するもイタリアはこれまで Pool Stage を突破したことがない。今大会もWallabies と Ireland と同じ Pool と同組で苦戦は免れない。初戦のWallabies戦では負けるにしても7点差以内で何とか勝点1は上げたいところだっただろう。
一方のWallabies。ラグビーでは最大のライバルである隣国開催のワールドカップで優勝を飾りたいところ。Robbie Dean 監督は地元ニュージーランド人。史上初めてWallabies 監督に就任した外国人監督となったらしいが、前大会終了後に当然All Blacks の新監督に迎えられると思われていた。しかしN.Z. Rugby Union 協会は準々決勝止まりだったAll Blacks監督であった Graham Henry の続投を決めた。 この発表に地元の人達は大反論を唱えた。当然次は Christchurch Crusaders で指揮を取る Robbie Dean 氏が就任すると思われていたがこの発表後彼は Wallabies の監督に迎えられた。
この一連の当時、私は Christchurch に出張中で、“ Robbie Dean が監督の間は Wallabies をサポートする。”と地元協会の決定に激怒を示すタクシードライバーに出会った。
その翌年の Tri Nations でWallabiesは ホームゲームでAll Blacks を破り Aussie 達が“ Kiwi からの best gift だ。”と Robbie Dean 監督の事を話していた。
それでも次に Auckland で行われた試合ではAll Blacks が勝利を収め、しばらくAll Blacks がWallabies よりも優位に立っていた。今大会の直前に開催された Tri Nations でも8月6日All Blacks は地元でボール支配率ではリードされながらもWallabiesを 30-14で破った。しかし翌週 Springboks とのアウェー戦で 5-18 で敗れると8月27日、最終戦、ブリスベンで行われた試合でWallabiesがAll Blacks を 25-20で破り久々に Tri Nations 優勝を果たした。
この快挙にオーストラリアのマスコミは大いに沸き3度目のワールドカップ優勝をライバル国ニュージーランドで果たす可能性を連日報道していた。
そしてこのイタリア戦のスタメンはブリスベンでのAll Blacks 戦と同じスタメン。④ Dan Vickerman もスタメンに入り James O’Connor はベンチスタート。⑭ Adam Ashley Cooper ⑬ Anthony Fainaga’a らがスタメンに入った。
そして⑩ Quade Cooper の名前が紹介されると Kiwi 達から一斉にブーイングが浴びせられた。 Tri Nations 最終戦でAll Blacks のDaniel Carter へのラフプレーは大会前から地元紙にずっと報道されていた。
オーストラリアのテレビ局でも “ The worst public enemy と地元では紹介されている…” と報道されていた。
一方のイタリアは② Ghiraldini ⑤ Van Zyl 以外は8月21日に行われたフランス戦と同じスタメンだった。そしてこの日のスタメンの中で日本戦でスタメン出場したのは⑭ Benvenuti ⑧Parisse 主将、⑥ Zanni ② Ghiraldini そして① Lo Cicero の5人だけだった。やはり日本戦はだいぶメンバー落ちだったのかぁ…と後で思った。
着いた席は前日とほぼ同じ2階の最前列。なかなか観易い席だった。そして左隣りには Kiwi の女性が右隣には 2世になるイタリア系 Kiwi 家族がいた。ご夫婦とも2世とのことで一緒にいた2人の御嬢ちゃん達はイタリアの国旗を顔にペイントしていいた。
“昨年のワールドカップでは All Whites と Azzuri とどちらを応援しましたか?”と訊くとどちらを応援したと言う訳ではないけどまさか引分けに終わるとは思わなかった。大会2連覇は難しいと思ったけど1次リーグを突破出来ないとは思わなかったと言っていた。
この日は朝から結構まとまった雨が降っていたが競技場に着いた時はすっかり上がっていた。しかしオーストラリアのキックオフで試合が始まる頃は雨がまた降り出して来た。
3分42秒。早速Wallabies がPGのチャンスを得る。だけどイタリアの⑫ Garcia が倒れている。リプレーを見るとモールの中で⑧ Parisse のかかとが Garcia の頭に当たっていた。距離はあるけどほぼ正面。 Quade Cooper がボールをセットすると会場からはブーイングの嵐。そしてそのPGが外れると今度は大歓声が上がった。数日後地元紙に彼の母親のコメントが載っていた。
元々はニュージーランド生まれの Quade Cooper だけど今大会中ずっとこういう目に会うのかなぁ…と思った。
立ち上がりはイタリアの出だしが良い様に思えた。 ⑨ Semenzato が良いキックを上げている様にも思えた。
そして17分、④Vickerman がオーバーザトップの反則を取られイタリアがPGを得る。ここで決まれば試合が面白くなると思ったけどBergamosso はPGを外してしまった。 その直後、今度は Quade Cooperに入れたGhiraldini のタックルが Late Tackle にとられWallabies がPGを得ると今度はブーイングの中でも Cooper が決めてWallabies が先制した。
昨日のフランス対日本戦同様、プレースキックは大切だなぁ…と思った。
その後もイタリアは何とかWallabies の攻撃を凌ぎ続けたが32分にオフサイドを取られてPGを献上。それを確実に Cooper が決めてリードを広げた。 それにしてもWallabies はキックが目立つなぁ…と思った。
だけどここからイタリアが反撃に転じる。スクラムでもWallabiesを押し込むシーンが続いた。そして36分モールの中のボールを ④Vickerman が脚で掻きだしたとホイッスルが鳴りイタリアがPGを得る。今度は Bergamo が決めてイタリアが 3-6 と差を縮めた。隣のイタリア系家族がずいぶん喜んでいた。 しかし更に彼らが喜ぶシーンが。
前半終了直前、またもWallabies は反則を犯し Bergamo がPGを狙う。
“決まれば同点だ….” 隣の男性が呟くのが聞こえた。 そのPGが見事に決まりそれと同時に前半が終わった。イタリア系の観客達とハイタッチをかわした。
“あの11番は誰だ? デルピエロか?トッティか?”と言うと結構受けた。 でも今のイタリアのサッカー代表チームにはかつてほど名前が通ったスーパースターがいなくなったなぁ…..
前半のWallabies はちょっとミスが目立った。そしてイタリアの方がシンプルに前に前に進出しようとしている気がした。そしてターンオーバーを取ると素早くワイドにボールを回している印象があった。
後半、何人か選手を入れ替えて臨むかと思ったけど両軍選手交替は無かった。47分に⑬ Fainga’a に替って James O’Conner が投入された。オージーサポーター達からは大歓声が沸いた。
そして50分にWallabies はワールドカップ初トライが決まった。 自陣からカウンター攻撃に転じ ⑪Digby Iona を起点に ⑮ Beale, ⑧ Samo と繋ぎ最後は③ Ben Alexsander がトライを決めた。カウンター攻撃を食らってもイタリアDF陣もけっこう踏ん張ったんだけどなぁ….だけどこの Conversion Kick は O’Conner は決められなかった。しかしこれでWallabies は落ち着きを取り戻したか猛攻が始まった。55分には Quade Cooper から⑭ Ashley-Cooper にナイスパスが決まりトライが決まり今度は O’Conner が Conversion kick を決め、その3分後には Cooper, Beale, Ashley Cooper と繋ぎ最後は Samo を経由して O’Conner がトライを決め、Goal Kick も自ら決めてあっという間に 25-6 とスコアーが開いてしまった。
更に67分にもスクラムからの早いボールだしから Cooper、Ioane と繋ぎイタリアの Bergamasco, McLean が追いすがるもそのままトライを許し、O’Conner が Goal Kick を難なく決め 32-6 となった。これでWallabies はこの試合4個目のトライ。ボーナスポイントも得る事に。
隣の男性と言うか家族はすっかりおとなしくなってしまった。とはいっても元々静かだったけど….
何とか1トライを還したいイタリアは75分に Parisse が素晴らしいインターセプトを見せボールを前線に蹴りだす。 Bergamasco が先にボールに追いつくがすぐに捕まり最後は not releasing ball を取られてしまった。これが後半唯一イタリアサポーター達が沸いたシーンだった。
73分から雨がまた降って来て帰りが心配されたがその雨も試合終了までには止んだ。
その後何度かWallabies はチャンスを作ったが最後は反則で相手ボールになる事がありトライは上げられなかった。
そして 32-6 のままノーサイドの笛が吹かれた。 前半こそ苦戦を強いられたけど後半に本領発揮と言ったとろか。イタリアでさえこれだけやられてしまうのだからその強さを改めて認識した……
バスで City に戻りパブリックビューイングに行ってみた。ずいぶんと立派なパブリックビューイングだった。やはりラグビー大国なんだなぁ…と思った。2019年日本でワールドカップが開催された時はこれだけのパブリックビューイングは作れるだろうか….
そこでしばらく Ireland vs USA の中継を見ていた。開始からアメリカがずいぶん健闘していた。そして何度もアナウンサーは前日日本がフランスに健闘したことを話していた…..
この日宿泊したホテルは価格の割には設備は今一で部屋には Sky Sports が入っていなかった。ホテル内のバーの中と何故かReception の横のテレビでは Sky Sports が見られるようになっていた。宿泊客の一団がこの事を猛烈に抗議していた….
外は強い雨がまた降っていた。近くにあったフードコートで Take Away した中華料理を食べながらさっき見て来た Australia vs Italy の再放送を見た。そして試合終了とともにそのままベッドに雪崩込んで眠ってしまった…….. 翌日は Christchurch だった…
残った8カ国の顔ぶれを見るとこれといった波乱も無く予想通りの顔ぶれとなった。
しかし Ireland が Australia を破ってグループリーグ1位で勝ち残ったので南北半球4カ国がそれぞれ同じゾーンに入ったので比較的下馬評の高かったAll Blacks 、Springboks そして Wallabies が決勝戦までお互いに消しあう事となった。こうなると Wilkinson の調子があがらず苦戦続きだった England が俄然有利になった、しかし今大会台風の目 Ireland も面白い…これからが真のワールドカップと言える戦いが始まるのだと思っていた…だけど俺の予想はこうも外れるとはなぁ....
日本が健闘を見せた時間があったフランス戦の翌日、同じ North Harbour Stadium でWallabies は今大会初戦になるイタリア戦を迎えた。
この日私は同じホテルには部屋が取れず移らねばならなかった。しかしチェックアウトの際にその事を話すと、
“そんな事は無い空室はたくさんある。宿泊を延長しますか?”と言われた。
しかし次に取ったホテルは徒歩10分もかからないところでキャンセルが効かないと思ったのでその好意には
“ No Thank you “ と言うしかなかった。彼も残念そうに“それではまたのお越しを。昨日の日本は凄かったですね…” と言われた。
滞在中はずっと日本代表のレプリカを着続けていたので街を歩いていると多くの Aussie 達がWallabies のレプリカを着て闊歩しおており彼らに“昨日はナイスゲームだったなぁ。”と声を掛けられた。
それだけ彼らにとっては“健闘”だったのかもしれない….
次のホテルにチェックインしても Aussie や Kiwi 達にフランス戦の事で話しかけられた…..
街中から前日乗ったシャトルに乗って Stadium に向かったが車中は殆どが Aussie 達。そこにイタリア人が10人程度混じっており日本人は ( 恐らく ) 私だけだったと思う。 バスは北部に向かうのには欠かせない有名な橋 Harbour Bridge を通るのだけどその橋は日本人技師が設計したらしい。この日の地元紙にもこの地域で日本と言えばここの橋が日本人によって設計された事以外はだれも関心が無かったが前日の試合はそれ以来初めて日本に関心が集まった日だっただろう。
日本ラグビー史で最も素晴らしかった瞬間であった可能性がある…と書かれていた。でもかつては 1989年に Scotland に勝った事があるし 1983年にはアームズパークで Wales に 24-28 と健闘し、かつては England 相手に 3-6 と大健闘した。
それらはワールドカップが始まる前の事であるが世界の列強からすれば小国日本がかつてどんな興隆を見せたなんて関心は無かったんだろうなぁと思った。 そしてサッカーだったら世界に知られているのになぁ….と関係ない事を思い出した……
スタンドはWallabies のサポーター達、 Gold and Green Army で覆われていた。それでもイタリア国旗を打ち振る人達もちらほら目に付いた。 Five Nations への参戦が認められ Six Nations と改められた大会に出場するもイタリアはこれまで Pool Stage を突破したことがない。今大会もWallabies と Ireland と同じ Pool と同組で苦戦は免れない。初戦のWallabies戦では負けるにしても7点差以内で何とか勝点1は上げたいところだっただろう。
一方のWallabies。ラグビーでは最大のライバルである隣国開催のワールドカップで優勝を飾りたいところ。Robbie Dean 監督は地元ニュージーランド人。史上初めてWallabies 監督に就任した外国人監督となったらしいが、前大会終了後に当然All Blacks の新監督に迎えられると思われていた。しかしN.Z. Rugby Union 協会は準々決勝止まりだったAll Blacks監督であった Graham Henry の続投を決めた。 この発表に地元の人達は大反論を唱えた。当然次は Christchurch Crusaders で指揮を取る Robbie Dean 氏が就任すると思われていたがこの発表後彼は Wallabies の監督に迎えられた。
この一連の当時、私は Christchurch に出張中で、“ Robbie Dean が監督の間は Wallabies をサポートする。”と地元協会の決定に激怒を示すタクシードライバーに出会った。
その翌年の Tri Nations でWallabiesは ホームゲームでAll Blacks を破り Aussie 達が“ Kiwi からの best gift だ。”と Robbie Dean 監督の事を話していた。
それでも次に Auckland で行われた試合ではAll Blacks が勝利を収め、しばらくAll Blacks がWallabies よりも優位に立っていた。今大会の直前に開催された Tri Nations でも8月6日All Blacks は地元でボール支配率ではリードされながらもWallabiesを 30-14で破った。しかし翌週 Springboks とのアウェー戦で 5-18 で敗れると8月27日、最終戦、ブリスベンで行われた試合でWallabiesがAll Blacks を 25-20で破り久々に Tri Nations 優勝を果たした。
この快挙にオーストラリアのマスコミは大いに沸き3度目のワールドカップ優勝をライバル国ニュージーランドで果たす可能性を連日報道していた。
そしてこのイタリア戦のスタメンはブリスベンでのAll Blacks 戦と同じスタメン。④ Dan Vickerman もスタメンに入り James O’Connor はベンチスタート。⑭ Adam Ashley Cooper ⑬ Anthony Fainaga’a らがスタメンに入った。
そして⑩ Quade Cooper の名前が紹介されると Kiwi 達から一斉にブーイングが浴びせられた。 Tri Nations 最終戦でAll Blacks のDaniel Carter へのラフプレーは大会前から地元紙にずっと報道されていた。
オーストラリアのテレビ局でも “ The worst public enemy と地元では紹介されている…” と報道されていた。
一方のイタリアは② Ghiraldini ⑤ Van Zyl 以外は8月21日に行われたフランス戦と同じスタメンだった。そしてこの日のスタメンの中で日本戦でスタメン出場したのは⑭ Benvenuti ⑧Parisse 主将、⑥ Zanni ② Ghiraldini そして① Lo Cicero の5人だけだった。やはり日本戦はだいぶメンバー落ちだったのかぁ…と後で思った。
着いた席は前日とほぼ同じ2階の最前列。なかなか観易い席だった。そして左隣りには Kiwi の女性が右隣には 2世になるイタリア系 Kiwi 家族がいた。ご夫婦とも2世とのことで一緒にいた2人の御嬢ちゃん達はイタリアの国旗を顔にペイントしていいた。
“昨年のワールドカップでは All Whites と Azzuri とどちらを応援しましたか?”と訊くとどちらを応援したと言う訳ではないけどまさか引分けに終わるとは思わなかった。大会2連覇は難しいと思ったけど1次リーグを突破出来ないとは思わなかったと言っていた。
この日は朝から結構まとまった雨が降っていたが競技場に着いた時はすっかり上がっていた。しかしオーストラリアのキックオフで試合が始まる頃は雨がまた降り出して来た。
3分42秒。早速Wallabies がPGのチャンスを得る。だけどイタリアの⑫ Garcia が倒れている。リプレーを見るとモールの中で⑧ Parisse のかかとが Garcia の頭に当たっていた。距離はあるけどほぼ正面。 Quade Cooper がボールをセットすると会場からはブーイングの嵐。そしてそのPGが外れると今度は大歓声が上がった。数日後地元紙に彼の母親のコメントが載っていた。
元々はニュージーランド生まれの Quade Cooper だけど今大会中ずっとこういう目に会うのかなぁ…と思った。
立ち上がりはイタリアの出だしが良い様に思えた。 ⑨ Semenzato が良いキックを上げている様にも思えた。
そして17分、④Vickerman がオーバーザトップの反則を取られイタリアがPGを得る。ここで決まれば試合が面白くなると思ったけどBergamosso はPGを外してしまった。 その直後、今度は Quade Cooperに入れたGhiraldini のタックルが Late Tackle にとられWallabies がPGを得ると今度はブーイングの中でも Cooper が決めてWallabies が先制した。
昨日のフランス対日本戦同様、プレースキックは大切だなぁ…と思った。
その後もイタリアは何とかWallabies の攻撃を凌ぎ続けたが32分にオフサイドを取られてPGを献上。それを確実に Cooper が決めてリードを広げた。 それにしてもWallabies はキックが目立つなぁ…と思った。
だけどここからイタリアが反撃に転じる。スクラムでもWallabiesを押し込むシーンが続いた。そして36分モールの中のボールを ④Vickerman が脚で掻きだしたとホイッスルが鳴りイタリアがPGを得る。今度は Bergamo が決めてイタリアが 3-6 と差を縮めた。隣のイタリア系家族がずいぶん喜んでいた。 しかし更に彼らが喜ぶシーンが。
前半終了直前、またもWallabies は反則を犯し Bergamo がPGを狙う。
“決まれば同点だ….” 隣の男性が呟くのが聞こえた。 そのPGが見事に決まりそれと同時に前半が終わった。イタリア系の観客達とハイタッチをかわした。
“あの11番は誰だ? デルピエロか?トッティか?”と言うと結構受けた。 でも今のイタリアのサッカー代表チームにはかつてほど名前が通ったスーパースターがいなくなったなぁ…..
前半のWallabies はちょっとミスが目立った。そしてイタリアの方がシンプルに前に前に進出しようとしている気がした。そしてターンオーバーを取ると素早くワイドにボールを回している印象があった。
後半、何人か選手を入れ替えて臨むかと思ったけど両軍選手交替は無かった。47分に⑬ Fainga’a に替って James O’Conner が投入された。オージーサポーター達からは大歓声が沸いた。
そして50分にWallabies はワールドカップ初トライが決まった。 自陣からカウンター攻撃に転じ ⑪Digby Iona を起点に ⑮ Beale, ⑧ Samo と繋ぎ最後は③ Ben Alexsander がトライを決めた。カウンター攻撃を食らってもイタリアDF陣もけっこう踏ん張ったんだけどなぁ….だけどこの Conversion Kick は O’Conner は決められなかった。しかしこれでWallabies は落ち着きを取り戻したか猛攻が始まった。55分には Quade Cooper から⑭ Ashley-Cooper にナイスパスが決まりトライが決まり今度は O’Conner が Conversion kick を決め、その3分後には Cooper, Beale, Ashley Cooper と繋ぎ最後は Samo を経由して O’Conner がトライを決め、Goal Kick も自ら決めてあっという間に 25-6 とスコアーが開いてしまった。
更に67分にもスクラムからの早いボールだしから Cooper、Ioane と繋ぎイタリアの Bergamasco, McLean が追いすがるもそのままトライを許し、O’Conner が Goal Kick を難なく決め 32-6 となった。これでWallabies はこの試合4個目のトライ。ボーナスポイントも得る事に。
隣の男性と言うか家族はすっかりおとなしくなってしまった。とはいっても元々静かだったけど….
何とか1トライを還したいイタリアは75分に Parisse が素晴らしいインターセプトを見せボールを前線に蹴りだす。 Bergamasco が先にボールに追いつくがすぐに捕まり最後は not releasing ball を取られてしまった。これが後半唯一イタリアサポーター達が沸いたシーンだった。
73分から雨がまた降って来て帰りが心配されたがその雨も試合終了までには止んだ。
その後何度かWallabies はチャンスを作ったが最後は反則で相手ボールになる事がありトライは上げられなかった。
そして 32-6 のままノーサイドの笛が吹かれた。 前半こそ苦戦を強いられたけど後半に本領発揮と言ったとろか。イタリアでさえこれだけやられてしまうのだからその強さを改めて認識した……
バスで City に戻りパブリックビューイングに行ってみた。ずいぶんと立派なパブリックビューイングだった。やはりラグビー大国なんだなぁ…と思った。2019年日本でワールドカップが開催された時はこれだけのパブリックビューイングは作れるだろうか….
そこでしばらく Ireland vs USA の中継を見ていた。開始からアメリカがずいぶん健闘していた。そして何度もアナウンサーは前日日本がフランスに健闘したことを話していた…..
この日宿泊したホテルは価格の割には設備は今一で部屋には Sky Sports が入っていなかった。ホテル内のバーの中と何故かReception の横のテレビでは Sky Sports が見られるようになっていた。宿泊客の一団がこの事を猛烈に抗議していた….
外は強い雨がまた降っていた。近くにあったフードコートで Take Away した中華料理を食べながらさっき見て来た Australia vs Italy の再放送を見た。そして試合終了とともにそのままベッドに雪崩込んで眠ってしまった…….. 翌日は Christchurch だった…