今回のお気に入りは、「f植物園の巣穴」です。
梨木香歩の「f植物園の巣穴」を読みました。
冒頭から人と物の怪が渾然一体の梨木香歩らしい不思議ワールドが全開でした。
以前に書かれた「家守綺譚」と同系統の作品です。
どちらの作品も未読の方に対し、どんな系統かを説明するのは困難ですが、
強いて言えば夢枕獏の「陰陽師」シリーズやジブリ映画の「千と千尋の神隠し」
などに似た雰囲気の作品というとわかっていただけるのではないでしょうか。
ただ「家守綺譚」と「陰陽師」が人間界における物の怪を描いているのに対し、
「f植物園の巣穴」は「千と千尋」と同じく異界にさ迷い込んだ人間を描いて
います。
「f植物園」は「千と千尋」をはるかに超える異界っぷりなので、著者の表現を
十分理解できませんでした。
そのため、おおまかな雰囲気を感じながら流されるように読むようにしましたが、
数々の伏線がラストシーンに収束していく様は十分理解できました。
坊の謎が解けた瞬間や、主人公の夫婦関係が再生していくラストには感動さえ
覚えました。
見事、著者の術中にはまった、ということでしょう。
そういう点においては忘れられない一冊となりました。
ただし、読み手の想像力を超え、混乱を招くシーンが大半を占める作品である
ことを考えると、「家守綺譚」のように高い評価はできませんでした。
異界や物の怪の禍々しさを空気感で表現する著者のテクニックは認めますが、
それらを想像させることも著者のテクニックだと思います。
私の読解力や想像力が、著者についていけなかったということでしょうが・・・。
最後に出版社に一言。
本書の紹介文は読者に誤解を招くと思います。
さらっとしか書いていないアイルランドの治水神や大気都比売神まで紹介文に
入れるのは、ストーリーの展開を誤解させる要因になります。
気をつけてほしいと思います。
おまけ。
今はこの難解な作品から一変、宮部みゆきのぼんくらシリーズ第2段「日暮らし」
をまったりした気分で読んでいます。
梨木香歩の「f植物園の巣穴」を読みました。
冒頭から人と物の怪が渾然一体の梨木香歩らしい不思議ワールドが全開でした。
以前に書かれた「家守綺譚」と同系統の作品です。
どちらの作品も未読の方に対し、どんな系統かを説明するのは困難ですが、
強いて言えば夢枕獏の「陰陽師」シリーズやジブリ映画の「千と千尋の神隠し」
などに似た雰囲気の作品というとわかっていただけるのではないでしょうか。
ただ「家守綺譚」と「陰陽師」が人間界における物の怪を描いているのに対し、
「f植物園の巣穴」は「千と千尋」と同じく異界にさ迷い込んだ人間を描いて
います。
「f植物園」は「千と千尋」をはるかに超える異界っぷりなので、著者の表現を
十分理解できませんでした。
そのため、おおまかな雰囲気を感じながら流されるように読むようにしましたが、
数々の伏線がラストシーンに収束していく様は十分理解できました。
坊の謎が解けた瞬間や、主人公の夫婦関係が再生していくラストには感動さえ
覚えました。
見事、著者の術中にはまった、ということでしょう。
そういう点においては忘れられない一冊となりました。
ただし、読み手の想像力を超え、混乱を招くシーンが大半を占める作品である
ことを考えると、「家守綺譚」のように高い評価はできませんでした。
異界や物の怪の禍々しさを空気感で表現する著者のテクニックは認めますが、
それらを想像させることも著者のテクニックだと思います。
私の読解力や想像力が、著者についていけなかったということでしょうが・・・。
最後に出版社に一言。
本書の紹介文は読者に誤解を招くと思います。
さらっとしか書いていないアイルランドの治水神や大気都比売神まで紹介文に
入れるのは、ストーリーの展開を誤解させる要因になります。
気をつけてほしいと思います。
おまけ。
今はこの難解な作品から一変、宮部みゆきのぼんくらシリーズ第2段「日暮らし」
をまったりした気分で読んでいます。
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