元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「フェリスはある朝突然に」

2014-07-27 08:14:27 | 映画の感想(は行)

 (原題:Ferris Bueller's Day Off)86年作品。80年代のアメリカ映画界におけるコメディ分野は、ジョン・ヒューズの天下だった。脚本やプロデュースで大いに腕を振るったが、自らメガホンを取った作品もいくつかある。この映画もその一本で、市場では好評をもって迎えられた。

 シカゴの高校に通うフェリスは調子の良い野郎で、今日も仮病を使ってズル休み。しかも両親も姉も外出して不在。羽根を伸ばすには絶好の機会だ。手始めに学校の生徒用データベースにアクセスして彼自身の欠席日数を大幅に減らし、次に校長にニセ電話を掛けてガールフレンドのスローアンを帰宅させてしまう。同じく学校を勝手に休んでいる金持ちの息子であるキャメロンを呼び出し、彼の父親が保有する高級車でスローアンと共にバカンスと洒落込む。

 その日も暮れて、車の距離計の数字を減らそうと小細工を弄している間にヘタを打って車は大破。校長はフェリスの仮病を突き止めようと家にまで押しかけ、当然のことながら両親も姉も帰ってくる。果たしてフェリスは窮地を脱することが出来るのか。

 マシュー・ブロデリック演じるフェリスの、とことん楽天的で抜け目の無いキャラクターがケッ作。そしてトラブルを幾何級数的に規模を拡大させ、ラストではそれを一分の隙も無く収束させてしまうヒューズ脚本が冴え渡る。シカゴの観光名所巡りやジャーマン=アメリカン・パレード見物も楽しめ、極めつけはエンドクレジット後のフェリスの捨て台詞(爆)。この脳天気さは、やはり80年代というライトな(?)時代と絶妙にシンクロしていたのだろう。

 アイラ・ニューボーンによる音楽は快調で、タク・フジモトのカメラによる明るい画調が心地良い。アラン・ラックやジェニファー・グレイ、ミア・サーラといった脇の面子も好調。ジョン・ヒューズは若くして世を去ってしまったのが残念である。

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