元・副会長のCinema Days

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「ザ・ユニオン」

2024-09-08 06:38:31 | 映画の感想(さ行)

 (原題:THE UNION )2024年8月よりNetflixから配信。あまりにも脳天気なスパイ・アクションで、観ていて笑ってしまった。しかしながら主要キャストは有名どころを起用している。スタッフやキャストとしては、いわゆる“歩留まりが高い”仕事で、ヘタに劇場公開用の大作に出るよりも実入りが良いのかもしれない。確かに、本作を映画館でカネを払って観たら腹も立つだろうが、配信ならば許せてしまう。気軽に接すればそこそこ満足出来る内容だ。

 ニュージャージー州の田舎町に住むマイク・マッケンナは、中年ながら独身の建設作業員だ。人当たりは良く友人も多いが、何となく張り合いの無い日々を送っていた。そんなマイクの前に、高校時代の恋人ロクサーヌ・ホールが突然姿を現す。喜ぶ彼に彼女はいきなり鎮静剤を打って眠らせ、彼を拉致してしまう。

 マイクが目覚めたのは、ロンドンにある国際スパイ組織“ザ・ユニオン”の本部だった。この“ザ・ユニオン”は各国の情報部も手を焼く凶悪な陰謀を潰すために結成されたシンジケートだが、最近思わぬトラブルから多くのエージェントを失ったため、マイクを組織にスカウトしたのだ。マイクは戸惑いながらも、そのオファーを引き受ける。そして2週間の過酷な訓練の後、危険な任務に挑む。

 いくら建築の仕事で高所作業とバランス感覚に優れているとはいえ、ズブの素人であるマイクが2週間程度でスパイの荒仕事をこなせるわけがない。しかも、相手は人の命など何とも思わない国際的な経済ヤクザやテロリストどもだ。もちろん、手向かう奴は容赦なくブチ殺していかないと“ザ・ユニオン”の任務は達成できない。ニュージャージーの大工が容易くそこまでフッ切れるはずがないだろう。

 だが、ジュリアン・ファリノの演出は明朗そのもので、活劇場面は派手に盛り上がる。加えて、主演がマーク・ウォールバーグとハル・ベリーだ。そんな御膳立てならば、何も考えずに最後まで観ていられる。深く突っ込むのも野暮だとも思えてくるのだ。

 そして思わぬ黒幕(という割には意外性は希薄 ^^;)との大々的なバトルになる、舞台をイタリアに移しての終盤部分は、観光映画も顔負けの美しい映像をバックに展開し、観ていて得した気分になってくる。ジャッキー・アール・ヘイリーにJ・K・シモンズ、ロレイン・ブラッコといった脇の顔ぶれも多彩だ。ラストは何やら続編の製作も匂わせるが、本作同様に配信専用でコンバクトな尺に収めてくれれば、またチェックするかもしれない。

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