元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

雑誌「SCREEN(スクリーン)」について。

2015-12-27 06:26:51 | 映画周辺のネタ
 近代映画社が発行している映画雑誌「SCREEN(スクリーン)」が、今年(2015年)9月に通巻1,000号を達成したという。創刊は1947年で、1919年に産声を上げたキネマ旬報誌よりは新しいが、それでも相当古いことは確かだ。

 前にも書いたが、この雑誌は私も十代から二十代始めの頃によく購読していた。洋画専門誌なので外国映画の記事が中心だが、見やすいレイアウトで、特に作品紹介欄とストーリー内容が別掲載になっているあたりが便利だったと思う(後に同じページに載せられるようになったらしいが ^^;)。基本的に公開される映画はすべて取り上げられ、洋画ポルノの記事まであったのには苦笑したことを覚えている。



 私が最も好きだった連載は評論家の双葉十三郎による「ぼくの採点表」だが、それ以外にも話題作をピックアップしての長文の評論が載っていたのは興味深かった。雑誌の性格上ミーハー的な読者が多いと思われたが、それらの評論はけっこう硬派で、いわゆる提灯記事なんか見当たらなかった。この媚びない姿勢が面白いと思ったものだ。

 しかし、いつの頃からか記事内容が低年齢層を意識したものに変わっていき、私としては違和感を覚えるようになって敬遠するようになった。それでも洋画関係の新作ニュース等は充実していたので、ときおり読んでいた。

 また、この雑誌の俳優・スタッフの表記は独特だ。たとえばフェイ・ダナウェイをフェー・ダナウェー、レオナルド・ディカプリオをレナード・ディカプリオ、ケヴィン・コスナーをケヴィン・コストナーといった具合に、大方の呼び方とは違うスタイルを頑なに守っている。いつだったか、読者投稿欄に“どうしてそんな表記にするのか”という質問が掲載されたことがあったが、編集側は“原語での読み方に近い表記を採用している”といった回答を返していた。私は心の中で“そりゃ違うだろ!”と突っ込みを入れたことは言うまでもない(笑)。

 集英社から出ていた同様の雑誌「ロードショー」は廃刊になり、洋画専門誌としては唯一の存在になった感があるが、発行元の経営のゴタゴタも乗り越えて、今でも存続していることは立派だ。ネットの普及で雑誌そのものも斜陽化しているが、可能な限りリリースを維持して欲しい。

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