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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「エレクトリック・ステイト」

2025-03-28 06:06:01 | 映画の感想(あ行)
 (原題:THE ELECTRIC STATE)2025年3月よりNetflixから配信されたSFロードムービー。「アベンジャーズ エンドゲーム」(2019年)のアンソニー&ジョー・ルッソ監督の手による作品なので期待はしたのだが、どうもにも気勢の上がらない出来だ。何より脚本の不出来によるところが大きく、ストーリーには求心力が不足している。しかしながら映像には見るべきものがあり、作品の“外観”だけを楽しむ分には良いのかもしれない。

 ロボットたち意志を持ち反乱めいたものを起こしたが、あえなく鎮圧されて“エレクトリック・ステイト”と呼ばれる高い塀に囲まれた土地に封印された世界が舞台。若い女ミシェルは、死んだと思っていた弟のクリストファーによく似た雰囲気のロボットのコスモと出会う。そして、彼女は弟がどこかで生きていることを知り、コスモと一緒に弟を捜す旅に出る。道中で怪しげな密輸業者キーツとその相棒ロボット・ハーマンらに出会い行動を共にするが、やがてミシェルは、弟の失踪の原因と裏にうごめく陰謀の存在を知る。



 以上、紹介サイトの記述を参考に粗筋を書いてみたが、正直言ってこれで正しかったのか確証が持てない。とにかくこの映画、ストーリーが掴みにくいのだ。作品世界がどういう構造になっているか分からず、敵役らしい者は一人だけ認識出来るものの、あとの連中は何のために物語に絡んでいるのかさっぱり理解出来ない。シモン・ストーレンハーグの同名グラフィックノベルを原作にしているが、どうも元ネタをかなり逸脱した脚色が成されているらしく、話に求心力が無いのはそのためかと思われる。

 しかしながら、出てくるロボットの造形は本当に素晴らしい。まさしくレトロフューチャーな雰囲気で、しかも各個体に明確な個性が付与されている。活劇シーンは賑やかでけっこう見せてくれるが、監督のルッソ兄弟の力量が活かされているのはそこだけというのは寂しい限り。

 ミシェル役のミリー・ボビー・ブラウンをはじめ、クリス・プラットやジェイソン・アレクサンダー、そしてキー・ホイ・クァンらキャストの仕事は可も無く不可も無し。ウッディ・ハレルソンが声だけの出演を果たしているのが珍しい。あと、音楽は大御所のアラン・シルヴェストリが手掛けていて、的確なスコアを提供している。

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