スイスのオーディオ機器メーカー、GOLDMUND社のアンプの試聴会に足を運んでみた。78年に創設された同社は、欧州を代表する高級ブランドとして知られる。今回聴けたのはプリアンプのMimesis 27.8とメインアンプのTelos 250である。二つあわせて定価ベースで380万円ほどだが、これでもGOLDMUNDのラインナップの中では安い方なのだ。
CDプレーヤー部は同じくスイス製のCH Precision社のモデルが使われていたが、これも600万円を超える高級機。スピーカーは米国WILSON AUDIO社のSASHAが繋げられており、こっちは約350万円。総額一千万円を超えるシステムでの試聴となった。
値段が高いのだからパフォーマンスの質も上々なのは当たり前・・・・とはいかないのがオーディオの世界で、ハイエンドであっても低調な音しか出ないシステムに遭遇することも少なくない。しかし、今回のシステムが奏でるサウンドはかなりクォリティが高く、感心した。
音がとにかく清澄。チリひとつ落ちていないような音場の展開で、音像はどれもピンポイント的に定位する。上下左右はもちろん奥行き方向にも音は広がり、しかも音色は明るい。これぞ高級機といった満足感を聴き手に与えてくれる。
WILSON AUDIOのスピーカーは屈託の無い音の押し出し感が特徴的だが、スイス製の機器でドライヴすると奔放な低域の手綱が絞られ、制動の効いた展開になる。では面白味も薄れるのかと思われそうだが、しっかりとWILSON AUDIOらしい闊達な持ち味は活かされ、聴いていて実に楽しい。
今回のGOLDMUND社のアンプの特徴として、バランス入出力が無いことが挙げられる(すべてRCAケーブルによるアンバランス接続だ)。そしてメインアンプにもDAC(デジタル/アナログ・コンバーター)が内蔵されている。これはこのシステムがピュア・オーディオではなくAV用を想定しているためらしい。
こういう高価な機器をAVシステムとして“手軽に”導入してしまうユーザーというのはあまり聞かないが、欧米ではけっこう存在しているのだろう。
GOLDMUND社の製品といえば、何年か前に同社の定価140万円のユニバーサルプレーヤーEdios 20Aの内部パーツが、PIONEERの定価3万円弱のDVDプレーヤーDV-600Aとほとんど同じであることが指摘され、一悶着起こしたことを思い出す。
あれから日本における輸入代理店が変わり、仕切り直し的に現行の商品ラインナップが揃えられたのだが、いずれにしても“あの事件”はオーディオ機器における“正常な価格”とは何であるのか、考えさせられる出来事であったように思う。
CDプレーヤー部は同じくスイス製のCH Precision社のモデルが使われていたが、これも600万円を超える高級機。スピーカーは米国WILSON AUDIO社のSASHAが繋げられており、こっちは約350万円。総額一千万円を超えるシステムでの試聴となった。
値段が高いのだからパフォーマンスの質も上々なのは当たり前・・・・とはいかないのがオーディオの世界で、ハイエンドであっても低調な音しか出ないシステムに遭遇することも少なくない。しかし、今回のシステムが奏でるサウンドはかなりクォリティが高く、感心した。
音がとにかく清澄。チリひとつ落ちていないような音場の展開で、音像はどれもピンポイント的に定位する。上下左右はもちろん奥行き方向にも音は広がり、しかも音色は明るい。これぞ高級機といった満足感を聴き手に与えてくれる。
WILSON AUDIOのスピーカーは屈託の無い音の押し出し感が特徴的だが、スイス製の機器でドライヴすると奔放な低域の手綱が絞られ、制動の効いた展開になる。では面白味も薄れるのかと思われそうだが、しっかりとWILSON AUDIOらしい闊達な持ち味は活かされ、聴いていて実に楽しい。
今回のGOLDMUND社のアンプの特徴として、バランス入出力が無いことが挙げられる(すべてRCAケーブルによるアンバランス接続だ)。そしてメインアンプにもDAC(デジタル/アナログ・コンバーター)が内蔵されている。これはこのシステムがピュア・オーディオではなくAV用を想定しているためらしい。
こういう高価な機器をAVシステムとして“手軽に”導入してしまうユーザーというのはあまり聞かないが、欧米ではけっこう存在しているのだろう。
GOLDMUND社の製品といえば、何年か前に同社の定価140万円のユニバーサルプレーヤーEdios 20Aの内部パーツが、PIONEERの定価3万円弱のDVDプレーヤーDV-600Aとほとんど同じであることが指摘され、一悶着起こしたことを思い出す。
あれから日本における輸入代理店が変わり、仕切り直し的に現行の商品ラインナップが揃えられたのだが、いずれにしても“あの事件”はオーディオ機器における“正常な価格”とは何であるのか、考えさせられる出来事であったように思う。