元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ダイ・ハード2」

2007-08-03 06:49:35 | 映画の感想(た行)
 (原題:Die Hard 2)90年作品。空港ハイジャック犯を相手に、自分の妻と乗客の命を超人的な活躍で救う刑事を主人公としたシリーズの第2弾。現在公開中の4作目は傑作だったパート1との比較で語られることが多いようだが、対してその間に撮られた2本はどうも影が薄いように思う。確かに(前にも書いたように)第3作は凡打でしかない。でも、この2作目はけっこう悪くないのではないだろうか。何より前作では一人で「タワーリング・インフェルノ」をやってしまったジョン・マックレーン刑事(ブルース・ウィリス)だが、今回は一人で「大空港」をやってしまうという、往年のパニック映画をネタにしているあたりが嬉しい。

 もっとも、本作のシナリオは第1作とは違い、4作目と近いテイストを持っている。つまり小難しい伏線なんてほどほどにして、要するに最初から最後まで見せ場の連続にすりゃ観客は満足するに決まってらあ、という作者の声が聞こえてくるような出来映えでの、ジェット・コースター・ムービーである。展開もどちらかというと、いきあたりばったりで、その場のノリでハデなアクションが繰り広げられる。特に味方だと思っていた者が突然裏切る、なんてところなど、いかにも唐突で、あっけにとられてしまう。

 こう書くと面白くないように感じるが、実はやっぱり面白いのである。脚本は即物的でも、テンポのよさと、たたみかけるような演出で息をもつかせない。監督は当時31歳のレニー・ハーリンで、あの「エルム街の悪夢」の4作目「ザ・ドリームマスター/最後の反撃」(これも快作)での独特の映像感覚が買われての起用だ。「ダイ・ハード4.0」とは違い、CGも発達していなかった頃のシャシンなので見せ場も“手作り”っぽいが、それだけ4作目よりは映像の“温度感”は高く、今観ても引き込まれる。

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