元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」

2018-05-14 06:39:38 | 映画の感想(さ行)

 (原題:JUMANJI:WELCOME TO THE JUNGLE )95年製作のパート1に比べると、やはりヴォルテージは落ちる。しかしながら、これはこれで一応まとまった出来映えであり、最後までさほど退屈しないでスクリーンに向き合えた。あれこれ難しいことを考えずに時間を潰すにはもってこいのシャシンだ。

 96年、海岸で“ジュマンジ”と書かれた古いボードゲームを見つけ自室に持ち込んだアレックスは、一夜のうちに“ジュマンジ”がテレビゲームに変身していることに面食らう。早速ゲームを始めたアレックスだったが、そのまま行方不明になる。

 それから約10年後、高校の地下室で居残りを命じられた4人の生徒(男子学生のスペンサーとフリッジ、女生徒のマーサとベサニー)は、そこで“ジュマンジ”というテレビゲームを見つけ、面白半分に始めてしまう。すると彼らはゲームの中に吸い込まれ、危険がいっぱいのジャングルの中に放り出される。そこでは悪者ヴァン・ペルトがジャガーの石像から宝石を盗み出したため、世界滅亡の危機に瀕していた。4人は先に来ていたアレックスと協力し、宝石を石像に戻そうとする。

 前作の“ジュマンジ”はレトロな双六で、それ自体に味があったが、今回は古いとはいえテレビゲームだというのは芸がない。各キャラクターには3つのライフが与えられ、それを使い果たすと“消滅”するという設定は、まあ普通のRPGみたいで凡庸だ。出てくるクリーチャーの造型や、アクション場面の段取りにも、それほど際立った点は見当たらない。

 だが、普遍的な“若者の成長ドラマ”のルーティンを踏襲していることは評価して良いし、観ていて気持ちがいい。ゲームが開始する前の4人は、それぞれが自分勝手でイヤな奴である。ところがゲームの中では実世界とは異なる外観を押し付けられ、さらに力を合わせないと逆境を跳ね返せないという状況を強いられる。ならば互いを信頼し、切磋琢磨するしかない。またその過程が終盤のハートウォーミングな場面に繋がっていることも、実に好ましい。

 演技面ではゲームの中のキャラクターに扮したドウェイン・ジョンソンやカレン・ギランが、普段とは“かなり違う”役柄を振られているのがおかしい。そしてジャック・ブラックの“おネエ演技”には笑った。対して、若造どもが影が薄いのは仕方がない。強いて挙げれば、ベサニー役のマディソン・アイズマンが印象に残る程度(小柄だが、表情が豊かで可愛い)。

 ただし監督のジェイク・カスダンはソツなく仕事をこなしてはいるが、父親のローレンス・カスダンほどの才気は感じられない。幕切れは続編を暗示させてはいないが、本国では大ヒットしているので、パート3も無理矢理作られるのかもしれない(笑)。
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