(原題:那邊幾點)「愛情萬歳」や「青春神話」で知られる台湾の俊英ツァイ・ミンリャン監督による2001年作品。台北とパリを舞台に、因縁で結ばれた若い男女の孤独な日常を描く。「河」(97年)でダメ人間の極北を描き、そのあとの「Hole」(98年)ではダメ状態からの脱却を匂わせたツァイ監督だが、本作では再びダメな連中の生態を冷徹に追っている。
しかし、主人公シャオカン(同監督作品の常連のリー・カンション)のダメ度は前作までと比べてかなり低い。闇屋みたいな仕事をし、自分の部屋ではアホなことをしたりするものの、だいぶん真人間に近づいてはいる(笑)。
対して真にダメなのは女どもだ。母親は夫の死を受け入れられず、精神錯乱でズブズブに沈んでゆくし、シャオカンから時計を買った若い女は心機一転のために単身パリに渡るが、誰ともコミュニケーションを上手く取れず落ち込むばかり。ただし、彼女らのダメ描写は前作までのリー・カンション扮する主人公の扱い方とさほど変わらないので幾分退屈だ。そして時計を必要以上に何らかのメタファーとして扱おうとしているところや、思わせぶりなサブキャラの登場は図式的で愉快になれない。
ラストの扱いは誰でも驚くだろうが、テオ・アンゲロプロスの模倣が感じられてこれもイマイチ。まあ、トリュフォーの「大人は判ってくれない」の引用やジャン=ピエール・レオーのゲスト出演などで作者の創作ルーツが明らかになっている部分は興味深いが・・・・。
しかし、主人公シャオカン(同監督作品の常連のリー・カンション)のダメ度は前作までと比べてかなり低い。闇屋みたいな仕事をし、自分の部屋ではアホなことをしたりするものの、だいぶん真人間に近づいてはいる(笑)。
対して真にダメなのは女どもだ。母親は夫の死を受け入れられず、精神錯乱でズブズブに沈んでゆくし、シャオカンから時計を買った若い女は心機一転のために単身パリに渡るが、誰ともコミュニケーションを上手く取れず落ち込むばかり。ただし、彼女らのダメ描写は前作までのリー・カンション扮する主人公の扱い方とさほど変わらないので幾分退屈だ。そして時計を必要以上に何らかのメタファーとして扱おうとしているところや、思わせぶりなサブキャラの登場は図式的で愉快になれない。
ラストの扱いは誰でも驚くだろうが、テオ・アンゲロプロスの模倣が感じられてこれもイマイチ。まあ、トリュフォーの「大人は判ってくれない」の引用やジャン=ピエール・レオーのゲスト出演などで作者の創作ルーツが明らかになっている部分は興味深いが・・・・。



