元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「王は踊る」

2010-06-24 06:41:14 | 映画の感想(あ行)
 (原題:Le Roi Danse)2000年ベルギー=フランス=ドイツ合作。17世紀フランス王宮を舞台にした史劇。有能なダンサーでもあったルイ14世(ブノワ・マジメル)と、禁断の愛に苦悩する宮廷音楽家リュリ(ボリス・テラル)の姿を描く。

 監督が「カストラート」(94年)のジェラール・コルビオなので“中身のない外見だけの映画”なんだろうと思っていたら、見事にその通り(笑)。だからその点を割り切って観れば楽しめる作品だ。ルイ14世と宮廷音楽家リュリのホモチックな関係やリュリと天才喜劇作家モリエールとの確執なんてどうでもよろしい。そんなの、この監督に深く描けるわけがない。

 見るべきものは絢爛豪華な舞台セットと衣装、そしてラインハルト・ゲーベル&ムジカ・アンティクァ・ケルンによる絶妙な古楽器演奏だ。ヴェルサイユ宮殿が建てられる経緯が紹介されるのも興味深いし、ラストにはちゃんと“鏡の間”も出てくるので観光映画としても申し分なし。リッチな気分に浸りたい向きにはもってこいのシャシンだ。
コメント
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