(原題:Green Card)90年作品。アメリカ居住権を取りたい無骨なフランス男と、夫婦でしか住めないグリーン・ハウス付きのマンションに住みたいキャリアウーマンが偽装結婚。しかし、形だけの付き合いだった二人だが、入国管理事務所の追求から逃れるため、一緒に住むハメになる。だが、最初は反発しながらも、次第に魅かれるものを感じ始める二人だった。ニューヨークを舞台にしたラブ・ストーリーで、監督は「刑事ジョン・ブック/目撃者」「いまを生きる」などのピーター・ウィアー。
配給会社は封切り当時「ゴースト/ニューヨークの幻」「プリティー・ウーマン」に続く恋愛ドラマとして女性観客を総動員させようとしたらしいが、出来からいってそれは無理だと思った。
まず一番の敗因は見知らぬ男女が愛し合うようになるという恋愛映画にとって最も大切なプロセスがイマイチ描写不足である点。設定は悪くないのだが、劇的な出来事や納得できるようなエピソードもないまま、“最初はイヤだったけど一緒に住んでみたら何となく気に入ってしまった”という安易なノリで押しているように思う。
主演がまたまたジェラール・ドパルデューだが、どう見ても彼は(当時の)リチャード・ギアやパトリック・スウェイジみたいな二枚目ではなく、しかもアメリカ映画には合わない。
しかし、作者ピーター・ウィアーはそういうマーケティング的なことを考えるはずもなく、この作品のテーマは異文化とのカルチャー・ギャップとコミュニケーションの大切さであろう。ただ、これも不満だ。たとえば主演の二人のどちらかが白人以外のマイノリティだったとしたらシャレにならない。ラブ・ストーリーどころか深刻な社会派ドラマに早変わりしてしまう。白人同士だからどうにか話がまとまっている点があると思う。
で、一番関心を持ったのが、ヒロインが属する「グリーン・ゲリラ」という自然保護団体で、彼らの主旨は“貧民街に緑を植えて明日への希望を持たせよう”などというピント外れのもので、主人公から“緑じゃ飢えはしのげない”と反発されるのも当然だ。加えて菜食主義者のイヤらしさなど、自称エコロジストの偽善を皮肉っている点が実に面白かった。
それと主演女優のアンディ・マクドウェル。しっとりとした雰囲気がなかなか良く、「セックスと嘘とビデオテープ」等も併せて、この頃は好きだったねぇ(^^)。
配給会社は封切り当時「ゴースト/ニューヨークの幻」「プリティー・ウーマン」に続く恋愛ドラマとして女性観客を総動員させようとしたらしいが、出来からいってそれは無理だと思った。
まず一番の敗因は見知らぬ男女が愛し合うようになるという恋愛映画にとって最も大切なプロセスがイマイチ描写不足である点。設定は悪くないのだが、劇的な出来事や納得できるようなエピソードもないまま、“最初はイヤだったけど一緒に住んでみたら何となく気に入ってしまった”という安易なノリで押しているように思う。
主演がまたまたジェラール・ドパルデューだが、どう見ても彼は(当時の)リチャード・ギアやパトリック・スウェイジみたいな二枚目ではなく、しかもアメリカ映画には合わない。
しかし、作者ピーター・ウィアーはそういうマーケティング的なことを考えるはずもなく、この作品のテーマは異文化とのカルチャー・ギャップとコミュニケーションの大切さであろう。ただ、これも不満だ。たとえば主演の二人のどちらかが白人以外のマイノリティだったとしたらシャレにならない。ラブ・ストーリーどころか深刻な社会派ドラマに早変わりしてしまう。白人同士だからどうにか話がまとまっている点があると思う。
で、一番関心を持ったのが、ヒロインが属する「グリーン・ゲリラ」という自然保護団体で、彼らの主旨は“貧民街に緑を植えて明日への希望を持たせよう”などというピント外れのもので、主人公から“緑じゃ飢えはしのげない”と反発されるのも当然だ。加えて菜食主義者のイヤらしさなど、自称エコロジストの偽善を皮肉っている点が実に面白かった。
それと主演女優のアンディ・マクドウェル。しっとりとした雰囲気がなかなか良く、「セックスと嘘とビデオテープ」等も併せて、この頃は好きだったねぇ(^^)。


