盾！

目の前に一枚の盾がある。そう、社内表彰を受賞した証としての盾である。

規則通りに動きゃしない「不良行員」のわりに、色々と賞やら表彰状だけはいただいている。でも、盾は初めてだ。

ちゃんと、名前がプレートに彫ってある。また、頭取の名前と印も彫ってあり、印の部分はちゃんと赤く染まっている。

「あなたは日頃のたゆみない研鑽と努力により極めて優秀な成績をあげ当行の業績進展に大きな貢献をされました　よってここに全行員の模範として表彰いたします」

そんな風にプレートに刻まれているが、「模範」であるわけがない。なんせ、「銀行員らしくない銀行員」というのが私の目指す姿なのだから。


「銀行員らしくない銀行員」

この目標の趣旨は、銀行員を特別視せずに、一般の企業と同じ位置付けで語れるものとしたいという私の夢である。無論、お客さまの大切な資産を預かり、経済の決済機能をつかさどり、必要な資金をご融資する等々の特殊かつ最大限の法令順守を要求される職場ではある。

されど、だからといって、銀行で働いている人と一般企業で働いている人の処遇や、ケアに格差があっていいとは思っていない。

こういうことを常日頃から考えている銀行員って、きっと、めずらしいんだろうな・・・