モンブランへご来店の皆様、こんにちは。
やっぱり年末は何かとあわただしいですよねー。
毎日更新したいなと思っても、意外とできないもんです・・・。
今朝、ネットでニュースをチェックしていたら、読売新聞のサイトでこんな面白い記事を見つけました。
ちょっと長いですが引用します。
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<オス誕生のカギ、「オトコ気」遺伝子を発見>
生物はもともと女性で、男性は女性から変化して生まれた――。
生物進化の過程でオスが誕生する鍵となった遺伝子を、日本の研究グループが世界で初めて発見した。新遺伝子は、OTOKOGI=侠気(おとこぎ)=と命名され、19日付の米科学誌カレント・バイオロジーで報告した。
男女間で生殖する有性生殖は、性が異なる二つの細胞がくっついて遺伝子を交換する「同型配偶」から出発、その性が後に、精子を作るオスと卵子を作るメスへと進化したと考えられている。
東大の野崎久義助教授(生物科学)らは、神奈川県内の湖で見つけた緑藻「ボルボックス」の新種の雄株から、オス特有の遺伝子OTOKOGIを発見。この遺伝子が、同型配偶するクラミドモナスという緑藻の性を分ける遺伝子から進化し、精子の核にあるたんぱく質を作ることを突き止めた。
ボルボックスと遺伝的に近いクラミドモナスはプラスとマイナスの性があり、特定の遺伝子を持つとマイナスの性になるが、どちらがオスとメスに進化したかは不明だった。今回の研究で、性を分ける遺伝子を持たない生物がメスで、この遺伝子を後から持つようになったオスが生まれた可能性が高いことがわかった。野崎助教授は「日本人が見つけた男性に最も重要な遺伝子という意味で、侠気と名づけた」と話している。
(2006年12月19日2時11分 読売新聞)
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原始的な生命はそもそも「メス」しかいなかったんですが、進化の過程で精子を作る「オス」ができて、有性生殖をするようになりました。
この「オス」ができるきっかけになった遺伝子が、このほど東大の研究グループによって初めて見つかったというわけなんですね。
面白いのがその遺伝子の名前です。
「OTOKOGI」(オトコ気=侠気)
と名づけたんですね~。
私は一応分子生物学を少々かじっていました。
新しい遺伝子を発見すると、見つけた人やグループが命名します。
世界共通で使う名前なので、命名についてはガイドラインがあり、英文アルファベットや数字を組み合わせてつけることが多いです。
わりとそっけない略号みたいな名前がほとんどですが、中には「fushitarazu(フシタラズ)」なんていう面白い名前の有名な遺伝子もあります。
ちなみにこの「フシタラズ」遺伝子は、ショウジョウバエで見つかったもので、この遺伝子がなくなってしまったハエは、体の節(体節)がなくなっちゃうんですよ~。
それから、「ノウダラケ(脳だらけ)」なんてすごい名前の遺伝子もあるんです。
これは、プラナリアで見つかった遺伝子で、この遺伝子が壊れると、プラナリアの体中に脳ができて「脳だらけ」になってしまうという・・・。ちょっとホラーかも。
この名前は公式に認められている名前ですから、海外の学会でもガイジンさん博士たちが
「フシタラズ!」
「ノウダラケ!」
なんて熱くディスカッションしているんでしょうね。
そして今回そこに、
「オトコギ!」
が加わったわけですね。(^▽^;
ちなみに、この「侠気」遺伝子が見つかった、ボルボックスという生き物は、湖や水たまりなんかに住んでいる緑藻です。
顕微鏡でないとよく見えない、植物プランクトンですね。
こんな生き物です↓
(水中微小生物図鑑“Microbio-World”より)
お水の中でのんびりくるくる回りながら静か~に生きている、かわいいビー玉みたいな藻です。
中に入っている小さな丸い緑の玉は、子供のボルボックスです。
とても「侠気」が想像できない・・・。
東大の先生は健さんファンだったのでしょうか・・・。
日本人男性からオトコ気が減りつつある今、公園の池のボルボックス君にがんばってもらいましょうかねー。