ぶちょうほうの画(え)日記(一語一画(え))

亭主「ぶちょうほう」の身の周りのいろいろな風物を「画(え)日記」ふうに綴っています。

庭で咲くセッコク、アスチルベ、芽生えたオキナグサの種、雑記

2016-05-23 07:00:12 | 草花
庭の柿の木に着けたセッコクの花が咲いて来ました。 ↓

山で杉の大木の根元に落ちていた株を拾ってきたもので、我が家に来て20年以上になると思いますが、さほど株を大きくもしないで、毎年ほんの少しずつ勢いを伸ばしています。



アスチルベ ↓

これは知人から頂いた株で、そのときは「アワモリショウマ」ということでしたが、園芸種かもしれませんので、属名のアスチルベ(チダケサシ属)としておきます。



オキナグサの実生 ↓

一番初めは実生で増やしたオキナグサでしたが、種を飛ばして、庭のあちこちに芽を出すようになりました。
しかし、庭作業の際に間違えて雑草と一緒に引き抜いてしまったり、狙った場所で生育してくれなかったりで、それを解消するためにもう一度実生で苗を育て、狙った場所で咲かせようとしています。


先日、ある本を読んでいた時に、宗教的な記述になって、そこで小林一茶の句が取り上げられていました。
小林一茶の文政二年(1819年)の句に有名な

♪目出度さもちうくらい也おらが春♪ 

というのがあります。
これを、極上の目出度さではない、「中ぐらいの目出度さ」と観念的に浅読みしていましたが、どうも意味が違うようです。
この句の頭のところにこう記されています。
 「から風の吹けばとぶ屑家(くづや)はくづ屋のあるべきやうに、門松立てず煤はかず、雪の山路の曲がり形り(なり)に、ことしの春 もあなた任せになん 迎えける。」とあり、ここから句が並べられます。

年末の煤払いもせず、門松も立てないというのは一茶には「目出度く無い」ということではないでしょうか。
まして、愛する長女を前の年に痘瘡で亡くした後の正月ですから、門松どころではなかったことでしょう。
(「あなたまかせ」の意味については後日、別の句で意味を考えたいと思います。)

そこでものを言ったのが「ちうくらい也」という言葉の意味でした。
一茶の住んだ信州の方言では「ちうくらい」はあやふや、とかいい加減とか、どっちつかずといった意味があったのです。

♪目出度さもちうくらい也おらが春♪ 

それを弁えたうえで上記の句を解釈するならば、こうなるのではないでしょうか。
句の意味:
(老い先短い身には)正月を迎える、めでたさといってもいい加減なものだが、それもまた自分にふさわしいものではないか。(現代語解釈は学研全訳古語辞典より)

小生がこの句を年賀状に引用したのは、一茶の背景を考えるならば、料簡間違いのようですね。

 
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ホテイランに逢ってきました。 森の熊さんにも・・・・・・

2016-05-22 00:13:59 | 草花
ホテイランは小生にとっては久恋の花で、昭和55年ころより、この花に出逢いたくて、自生地として名前の挙がったところに出かけては、収穫ゼロで帰ってきていました。
そんなことが15年~20年ほど続いていました。

そのために自分が生きているうちにはこの花に出逢えることはないだろうと、思い込んでいました。
ところがある時に花に詳しい方から、「そんな事は無いから行ってごらんなさい。」と場所を教えられて、遠くまで遠征し、初めてこの花に出逢ったときの感動は並大抵ではありませんでした。
布袋様に思わず合掌したのを覚えています。

最後にこの花を見たのは、忘れもしない、2012年の5月19日のことで、この花を撮影しているうちにカメラが壊れてしまい、愛機ニコンD100を手放すことになった日でした。

その後4年経ち、ネットのお友達のこの花の写真掲載記事を見るにつけ、矢も楯もたまらずにこの花に出逢いに行ってきました。
花には遅かったのですが、今回の山行はこの花を探し回ることに特化して、いろいろ山中を歩き回りました。
そのおかげで、熊さんに出逢うという「幸運?」にも巡り合いました。
それでは写真を何枚も並べますが、言葉は使わない方が自分の気持ちに正直なような気がします。
それをそぎ落として、ペタペタと張りますが、どうかこの絶滅危惧種ⅠAにランクされている希少な花をともに楽しんで頂けたなら幸いに思います。

三重連 ↓


熊さん ↓

森の中からこちらを見ていました。カメラのピントがうまく合わずにモタモタしているうちに、森の奥に帰って行ってしまいました。

 

 

  

  



















































  
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京都市北部の伏条台杉と滴る緑(下:最終):緑麗しき谷間 カツラの大木 トチノキの大木 ハシリドコロ  

2016-05-21 07:18:37 | 草花
伏条台杉の点在する尾根から離れて谷筋に下りて行くと、今度は緑麗しい、まるで夢の中にいるような空間が用意されていました。

頭の上には太陽の照り付けがありますが、それを優しくさえぎる広葉樹の葉が、日に透かされて、明るい樹陰を作ってくれます。
そんな中をしばらく進んでいくと、谷筋の下り勾配がなだらかになり、そういう場所には、大木が点在しています。
樹種はカツラやトチノキ、それにサワグルミなどが主体でしたが、これがあたりの雰囲気をとても和ませてくれています。

沢沿い、沢底を漫歩し、そこで昼食をとったのちに、来た道を戻ることにします。
谷筋を下る ↓

太陽の強い光は木々の葉に遮られて、優しい光となって身体に届いてきます。



ヒトリシズカ ↓

花の終わったヒトリシズカも姿を見せます。



カツラの大木 ↓

根元から幹を叢生させたカツラの木が現れました。かつては薪炭伐り出しの供給源だったのでしょうか。



ハシリドコロ ↓

見るからに葉の柔らかそうな草が群生しています。シカが食べないのはこれに毒があるからでしょうか。



カエル ↓

何かが動いたように感じられ、目を凝らしますが、それが何なのか見つけられません、もう一度手を動かしてみると、ピョコタンと動き、それがどこにいるのかわかりました。
これでも保護色としては有効のようです。



緑に包まれて ↓

緑が嬉しい谷筋を下って行き、適当なところで昼食タイムにします。



トチノキの大木 ↓

左下に人が配置されていますので、その大きさを判断していただけると思います。



ネコノメソウ ↓

この葉の配置は見覚えがあります。 花がないのでちょっと考えてしまいましたが、おそらくネコノメソウ属の葉でしたね。



タニギキョウ ↓

尾根に登り返す途中で、もう一度タニギキョウにご挨拶していきます。



伏条台杉 ↓

今山行で見た最大規模の台杉でした。天然記念物級と見ましたが、格別の保護措置はしてありませんでした。 京都北山ではこういうものがゴロゴロしているのではないかと思いました。



取付かれた台杉 ↓

来るときに見た記憶のある場所に戻りました。角度を変えてもう一度撮ります。
「弱り目に祟り目」という言葉を思い起こしました。

尾根から下りて、車を置いた場所に戻り、家路につきます。

名神・新名神・東名阪・伊勢湾岸道と4つの高速道路を乗り継いで戻りました。
今回、通しで運転を引き受けてくれた方に感謝しつつお別れをします。
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京都市北部の伏条台杉と滴る緑を訪ねて(中):台杉が続々と・・ タニギキョウ モミジチャルメルソウなど  

2016-05-20 06:31:55 | 草花
ここで伏条台杉(略して台杉)という言葉についてネットから拾った説明をしておきます。
この言葉をすでに知って見える方には目障りかもしれませんが、その点はお許し下さい。

伏条台杉について:
     伏条台杉とは横に伸ばした枝が雪の重みで垂れ下がって地面に着き、
    根を出した枝が幹となり新しい株として成長して繁殖していく。
    枝を頻繁に切って利用したことから基部の部分だけが肥大化して、
     やぐら(台)のようになったことから「伏条台杉」と呼ばれている。

    鎌倉・南北朝時代には、1本の木から多くの材木が取れるように、
     このような台杉仕立てが盛んに行われたようだ。

    安土・桃山時代には、挿し木が可能になり1本植えが盛んになり、
    台杉仕立ての巨大杉がそのままで残されたとか。

    明治時代には地域の人々に盛んに利用されるようになったが、
    伏条台杉は大きくなり過ぎたことから伐採されずに残ったようだ。
とありました。

登山道を登り、稜線に到達すると、大きな杉の古木が樹間に点在してきます。台杉が現れて来始めました。

根元の焼け焦げたもの ↓

いきなり現れたのは根元の焼け焦げた台杉でした。おそらく落雷か何かによって、発火し、それが燃え広がったのでしょうね。 長い距離にわたって、稜線上を直線的にこんな光景が広がっていました。



一つの頂 ↓

一つの頂上に着きました。しかし、ここでの見晴らしは得られませんでした。



伏条台杉 ↓

異種の木が台杉に取付いて、不思議な光景となっています。



通り抜け ↓

根元に大きな穴が開き、人間が腰を曲げて通り抜け出来ます。



ウッ マンボウッ!! ↓

見方によっては魚のマンボウのように見えませんか。



杉板の伐り出した痕か? ↓

これなどは根元の幹を平らにそぎ落として、何らかの材として利用したのでしょうか。

コメント欄に山ちゃん様から以下のように説明頂きましたので追記させていただきます。
追記:
杉板の切り取った跡のようなのは、「ばん取り跡」と云って、かつて「ばん師」と呼ばれる人が木を切り倒さずに立ち木のまま自分で運べる大きさの「ばん」(板)を大きな手ノコ(大鋸 おが)で切り取った切株跡の事です。


モミジチャルメルソウ ↓

地味な草ですが、絶滅危惧Ⅱ類(VU)ということで、環境省のレッドデータに記載されています。
自生地もわずかで、福井、滋賀、京都くらいしかないようです。



ヤマボウシ ↓

これは咲き始めたばかりのようで、花(総包片)の白さがまだ出てきていません。



ミズタビラコ ↓

ムラサキ科キュウリグサ属ということで、同じ属のタチカメバソウと似通った葉の形をしています。


エンレイソウ ↓

今山行中で一度だけ見ました。
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京都市北部の伏条台杉と滴る緑を訪ねて(上):歩き始めは林道から ウツギ イワナシ イワカガミなど 

2016-05-19 07:13:21 | 草花
京都の人は、近場の山では北山歩きをするという話を聞いていました。
それがどの範囲を指すのかはっきりしたことはいまだに知らないでいますが、ネット上のあるサイトを覗いてみると「愛宕山 比叡山 魚谷山 浅敷ヶ岳 谷山 雲取山 皆子山」などがそれに該当する代表的な峰のようですが、この中で小生が行ったことのあるのは比叡山だけで、それも観光旅行にてほとんど瞬間的な訪問でした。

愛宕山は京都のお友達が良く行く山で、そのレポートなどを読んでいて馴染みのある名前なのですが、そこに登るということには至っていません。

今回は「台杉」(伏条台杉)を見て、京都の緑滴る山中を体験してみようということになり、こりんさんぴーちゃんを誘って出掛けました。
特別にピークを目指す旅ではなくて、山中を歩き回るという程度のことになりますが、3回に分けてレポートいたします。

ウワバミソウ ↓

道に交差する沢筋でウワバミソウを見ました。



ウツギ ↓

今山行ではウツギの花を数多くは見ませんでした。



ムラサキサギゴケ ↓

林道上でたくさん咲いているのを見ました。数がまとまるとそれなりの美観となります。



同行者 ↓

天下の”お尋ね者”ではありませんが、一応、肖像権・プライバシーの何やらで、◯マスクを掛けさせていただきます。


アオダモ ↓

つい先日、ナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ)を愛でたばかりでしたが、似たような花をつけています。



オオバアサガラ ↓

これはパイオニア植物のようで、川沿いの荒れ地に顔を出してくるようです。




クマシデ ↓

こういうものも出てきました。久しぶりで見るような気がしました。



車止め ↓

この車止めを通過した後も割合急傾斜の林道歩きが続きます。あたりはすっかり緑に包まれています。



イワナシ ↓

関西では比較的低地でもこの花を見ることがあり、以前醒ヶ井養鱒場の近くで見たこともあります。
しかし、中部山岳地帯では2000メートルを超える場所で見ますね。
今の時季は青い実がなっています。実を口にすると、苦い・酸っぱい・渋い、といろいろな意見が出ていました。



ウワミズザクラ ↓

この花を見たあたりから山道に入り、登りは本格的になりました。



イワカガミ ↓

花の時季を過ぎていましたが、これは咲き残って待っていてくれました。


コメント (10)
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