文字の意味からすると、水漏れのするバケツ、ということになります。
即ち、底に小さな穴の開いたバケツで、バケツに水を注ぐとその穴から少しずつ一定のスピードで水漏れします。水漏れのスピードよりも注ぐスピードの方が早いとバケツの水がその後溢れてしまいます。また、水を注がないままにすると空となって空の状態が続きます。
情報ネットワークでは、このようなリーキー・バケットの原理を、データ・トラヒック量のコントロールや回線の誤り率監視などに利用しています。このような手法は、リーキー・バケット・アルゴリズムなどと呼ばれています。
例えば、電話網の共通線信号方式における信号リンクの誤り率監視(ERM:Error Rate Monitoring)では、以下のようなアルゴリズムが利用されています。
Up-down カウンタ(注:カウンタ値がバケツ内の水の量に対応)を用意し、初期値(即ち、バケツ内の水の量)=0とします。
・信号リンク経由で、信号を受信する毎にカウンタ値を-1、特にエラー受信された場合は+D(Dは正の値)も行う。但し、カウンタ値=0の場合は、-1の処理はしない。
・上記処理の結果、カウンタ値≧T(注:予め決められた誤り過多判定の基準値)のとき、誤り率過多と判定。
誤り率監視の2つのパラメータDおよびTは以下のような意味合いがあります。図を参照。
T/D:誤り率過多と判定される連続誤り発生の受信信号ユニット数
1/D:誤り率過多と判定される最小の信号ユニットの誤り率
以上のように非常に簡単なアルゴリズムのため、これをシステムへ組み込むための負荷は大きくないという特徴があります。