”Software Defined Vehicle”の頭文字をとったもので、”機能や性能がソフトウェアによって決定される次世代車”のことです。ソフトウェアはインターネット経由でSDVの方へ送り込むことができるため、機能や性能の更新を柔軟かつ効率的に行えるようです。
リモートから送り込むことによって更新されるソフトウェアの範囲は、一般に、(1)初期段階(即ち、地図やエンターティンメント情報の範囲)、(2)中間段階(即ち、ハンドル操作などの運転に関わるシステムまで含めた範囲)、(3)最終段階(即ち、基本ソフトを通して車全体に亘る範囲)の3レベルに分けられるようです。
現時点において、先進的な車の技術革新/戦略の方向は、ネットに常時つながる車の"Connected"、自動運転の"Autonomous/Automated"、シェアリング(共同利用)の"Shared"、電気自動車の"Electric"の4点、まとめて"CASE"という言葉で特徴づけられていますが、SDVはCASEの次にくる戦略として位置づけられているようです。
政府(経産省、国交省)は、2024年5月20日、我が国の自動車産業のデジタル化戦略として「モビリティDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略案※」を正式に公表しています。そこでの戦略の柱として、SDV関連、無人運転等のモビリティサービス関連、自動車データの利活用関連の3分野を取り上げていますが、特にSDV(注:上記のソフトウェア更新範囲の中間段階、最終段階のもの)の開発に力を入れているようです。SDVの世界での販売台数は、2030年で1400万台、2035年には6400万台にも上るとのことです(注:経産省の推計)が、日本勢のシェアとして3割(即ち、2030年で約1200万台、2035年で1900万台)という目標を挙げています。
※以下のサイトの<概要版>を参照
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/automobile/jido_soko/r6dxjimukyokushiryou2.pdf