気になるキーワードや製品のコレクション(IT編)

メルマガ、新聞、雑誌などに登場する(増田悦夫の)気になるキーワード、製品を取り上げ、ITの進展をフォローします。

“AirTag(アップル)”とは

2021-04-30 23:51:31 | モバイル・ワイヤレス通信技術/サービス

米アップルが4月30日から販売を開始した紛失防止デバイスです。利用するにはiOS 14.5以降のiPhone、iPod touch、あるいはiPadOS 14.5以降のiPadが必要とのことです。

「プライバシーが保護された安全な方法で、大切な持ち物を簡単に見つけだすためのiPhoneアクセサリ」との説明がつけられています。

AirTagは、アップルの”探す”というアプリを利用して大切な持ち物を追跡して見つけだす支援をしてくれるようです。バッグや鍵、財布などの他、何に取りつけてあっても、広大な世界中の”探す”ネットワーク(注:10億台ものアップル製デバイスで構成される)を利用し、エンドツーエンドの暗号化により位置情報のプライバシーを保護し匿名化しながら、紛失した物を探す手助けをしてくれるようです。

即ち、紛失したAirTagから発せられたBluetoothの電波が”探す”ネットワークによって検知され、その位置情報が秘密に守られかつ匿名性が保たれた形で持ち主へ伝えられるようです。

類似の商品は、これまでにも存在していました(例.忘れ物防止タグ、スマートトラッカー、スマートタグなど)が、AirTagは紛失物との距離やそこへの方向がわかるようになっているため探し易く、また、この仕組みを第三者にも開放しているため同じ製品やアプリを使っている人に利用範囲が限定されるといった制約もないようです。

コイン型電池(CR2032)で1年以上使え、交換のタイミングはiPhoneに通知されるようです。サイズは、直径31.9mm、薄さ8mmで、重さは11gとのことです。防水・防塵性能も備えているようです。

日本国内での価格は、1個3800円(税込み)、4個セットが1万2800円(税込み)となっています。

プレスリリース(2021.4.21)のサイトは、https://www.apple.com/jp/newsroom/2021/04/apple-introduces-airtag/です。


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”OMO”とは

2021-04-17 23:34:11 | マーケティング・消費者行動

この略語はOnline Merges with OfflineあるいはOnline Merges Offlineに対応します。オンラインとオフラインの境界にこだわらず、UX(顧客体験)に重きを置いて消費者のあらゆる行動をデータとして集約し、UXを向上するためのマーケティング施策、といった説明がされています。

似たような概念に、O2O(Online to Offline)やオムニチャネル(Omni-channel)がありますが、それらよりも先へ進んだ概念を指しているようです。O2Oやオムニチャネルが、onlineとofflineを分けて考えた上で、顧客の購買行動を促すためにチャネル連携を図るようにした企業側目線での戦略であるのに対し、OMOはデジタルデータを起点にして、onlineとofflineを融合する施策のようです。購買行動だけでなく顧客のあらゆる体験(UX)を軸に据えた戦略となっている点が特徴のようです。

この概念を提唱した人は、Google Chinaの元CEOである李開復氏(Kai-Fu Lee、注:SINOVATION VENTURESを創業)で、2017年12月にイギリスの週刊新聞"The Economist"に掲載されたのがきっかけで広く知られるようになったようです。Facebookの”The Economist”というアカウントの2017.11.27号に、"Offline and online data can be combined, providing accurate customer recommendations"という投稿も掲載されています。下記サイト。

https://www.facebook.com/TheEconomist/posts/offline-and-online-data-can-be-combined-providing-accurate-customer-recommendati/10156057010999060/

中国ではofflineの生活にデジタル(online)が浸透しているため、両者が一体となったOMO施策が世界でもっとも盛んに行われているようです。

また、米アマゾン、米b8ta、日本のパルコなどの取り組みも知られています。

関連サイト”Kai-Fu Lee on the merging of online and offline worlds”(2017.11.30)は以下です。

https://kaifulee.medium.com/kai-fu-lee-on-the-merging-of-online-and-offline-worlds-a590efd37d75

OMOが生まれた背景を紹介するサイト(2019.1.8)は、https://www.bebit.co.jp/?blog=world-xd_07です。

また、Kai-Fu Lee氏のAIに関するレクチャー(TED)”How AI can save our humanity”の動画は、以下です。

https://www.youtube.com/watch?v=ajGgd9Ld-Wc&t=15s


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"インダストリー・ワン(Industry One, Inc.)"とは

2021-04-10 23:08:27 | 企業戦略・企業ブランド・ビジネスモデル

三菱商事がNTTとともに2021年度に設立予定の新会社の名称です。三菱商事51%、NTT49%の出資となっています。

両社の強みである産業知見とICT技術を集約し、変革実行パートナーとして、DX(デジタルトランスフォーメーション)の土台づくりからビジネス創造までを一貫して支援し、日本の産業界全体のDXを促進させようとする狙いがあるようです。

DXサービスの第1弾として、食品流通分野を対象に、在庫削減(注:三菱商事子会社「エムシーデジタル」の開発した需要予測技術を利用)および受発注や決済の電子化(注:ブロックチェーンのスマートコントラクトを利用)といったサービスを一括で提供することを考えているようです。その後、あらゆる産業分野へも展開していく予定とのことです。

なお、三菱商事は、2019年12月にNTTと産業DXの推進に関する業務提携を行い、食品流通分野における食品卸の在庫最適化ソリューションの開発を進めてきています。即ち、メーカー、卸、小売りの在庫、受発注、需要予測等、企業内および企業間に散在するデータや気象予測情報等の外部データをデジタル技術でシームレスかつセキュアに連携する基盤の共同開発(注:「NTTデータ」と)、三菱商事子会社のエムシーデジタルとの共同開発によるAIエンジンを用いた(在庫削減に関する)実証実験を行ってきているようです。

三菱商事は、米IT大手のGAFAを意識しており、原材料の調達から消費者に至るまでの商流を網羅している点がGAFAにない強みと捉えているようです。

ニュースリリース(2021.3.23)のサイトは、以下です。

https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2021/files/0000046778_file1.pdf(三菱商事サイト)

https://group.ntt/jp/newsrelease/2021/03/23/210323a.html(NTTサイト)


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“プッシュログ(アスコ)”とは

2021-04-02 23:49:46 | IoT・デバイス・プラットフォーム・変革

コンサルティングサービスを手掛けるアスコ(USCO)社(2003.7~、大阪市)が開発した、産業用のIoT向け通信端末です。PUSHLOGと綴ります。2020年2月にGW-400シリーズを発売しています。

「簡単に、接続できる・設置できる、FA仕様 小型ゲートウェイ」といったフレーズがつけられています。

PLC(Programmable Logic Controller)と呼ばれる制御装置(注:機械の自動化システムの頭脳部分)に接続するだけで、機械の稼働データを自動的に収集しクラウドサーバー上へアップロードできるようです。

「PLCとプログラムレスで接続するための各種プロトコルを搭載」といった説明がされているように、稼働データを収集しクラウドへアップする部分のプログラムを特に作製することなく、IoTシステムを構築することが可能とのことです。

これまで、機能アップが何度か図られてきているようですが、最新の機器では、10秒に1回の頻度で最大148種類までのデータを取得できるようです。従来では、1分に1回だけ、20個のデータの取得に制限されていたようです。

製品紹介サイトは、http://www.uip.usco.jp/about/pushlogです。

プッシュログのセッティング(10分以内で遠隔監視開始)を説明する動画は、https://www.youtube.com/watch?v=vq2i7yzbfAg&t=215sです。


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