気になるキーワードや製品のコレクション(IT編)

メルマガ、新聞、雑誌などに登場する(増田悦夫の)気になるキーワード、製品を取り上げ、ITの進展をフォローします。

"倉庫内中間業務の自動化(トランコム)"とは

2022-10-29 23:36:37 | 倉庫・保管業務・サービス

物流大手のトランコム(1955年3月10日創業)が、2021年5月までに、日用品メーカーの商品を取り扱う「騎西ロジスティクスセンター」(埼玉県加須市)内の中間業務(即ち、荷下ろし後の収納や保管、受注商品のピッキングや仕分け)に、無人搬送車やピッキングロボットなどを導入し、そこの部分の自動化を目指しているものです(※)。

※ 現時点での導入状況については、情報がなく確認中です。

立体自動倉庫(AS/RS:Automated Storage Retrieval System)で、RGV(Rail Guided Vehicle)やAGV(Automated Guided Vehicle)、昇降機を組み合わせ、自動化の実現を目指しているようです。2020年に新興企業の「チノーエーアイ(Chinoh Ai)」(2018年12月設立)と提携し、自動化の仕組みを構築したようです。

トランコムは3PL(3rd Party Logistics)事業を手掛けていますが、アマゾンやアスクルなどの通販品倉庫では自動化が進んでいるようですが、3PL業者の倉庫における自動化はあまり進んでおらず人手依存が主流のようです。投資の回収に時間がかかるため、経営判断に二の足を踏む企業が多いようです。トランコムは、求貨求車事業を積極的に展開していますが、新型コロナの影響による減収を自動化による人件費削減で補う狙いもあるようです。

紹介動画(2021.10.29公開、トランコム)のサイトは、https://www.youtube.com/watch?v=K9pQh6ZbsZgです。

関連ブログ(“RGV、AGV、AMR”とは、2022.7.24)は、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/7aa5eaa22aff15c7c3785f0a65d28bd4です。


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"TranOpt(日本パレットレンタル)"とは

2022-10-27 23:13:59 | 物流・ロジスティクス・関連企業

日本パレットレンタル株式会社(1971.12.1設立、東京都千代田区、略称はJPR)が、2021年10月21日にリリースを行った、共同輸送マッチングサービス(あるいはシステム)です。”トランオプト”と読みます。

このサービスでは、共同輸送促進の観点から、輸送を依頼する荷物の所有者である荷主企業を、異業種レベルでマッチング支援するようです。

具体的には、本サービスを利用する各荷主企業が、荷物の輸送ルートや荷物その他の条件をTranOptへ登録すると、TranOptから共同輸送の候補企業が複数提示されるようです。候補の中から共同輸送を行いたい荷主企業を選び、当該企業とTranOpt上で調整し、うまく調整ができれば共同輸送が実行される、といった手順です。特に、輸送ルート以外の諸条件についてのマッチングにAIが活用されているようです。

荷主企業間のマッチングが成功し共同輸送が実行されるに伴い、低い実車率・積載率が改善し、CO2排出量も削減するとともに、人手不足対策にもつながることになります。

JPRでは、このサービスのリリース前に、モニター企業を募集して事前検証をしたようですが、システムが提示したマッチング候補で共同輸送した場合の実車率が平均93%と高い数値を示したとのことです。

リリース後も、新機能が追加されたり、本サービスを利用して実験するユーザー(長瀬産業)が登場したり、と進化しつつあるようです。

本サービスリリースのニュースリリース(2021.10.21)のサイトは、https://www.jpr.co.jp/release/20211021_02_jpr_release.pdf.pdfです。

新機能リリースのニュースリリース(2022.9.5)のサイトは、https://www.jpr.co.jp/release/20220905_02_jpr_release.pdfです。


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"PickGo 買い物代行(CBcloud)"とは

2022-10-20 23:02:11 | 宅配便・輸配送(管理)サービス

新興企業のCBcloud(2013年10月設立、東京都千代田区)が、2020年4月27日より、個人を対象に開始した買い物代行サービスで、”PickGo”(※1)に登録されているプロの配送ドライバー(※2)が配送業務のスキマ時間を活用して買い物の代行を行うサービスです。

「新型コロナウイルスの影響により急増する買い物代行需要者とプロの配送ドライバーのマッチングを実現する新サービス」といったフレーズが付けられています。

※1 全国レベルの企業間配送を実現する、荷主と配送担当(ドライバー個人や実運送会社)とを「直接」つなぐ配送マッチングプラットフォームです。サービス開始した2016年6月時点では”軽town”という名称でしたが、2017年6月に"PickGo"という名称に変更し、現在に至っています。

※2 ”配送パートナー”と呼ばれ、2019年10月時点では15000名以上が登録されていたようです。新型コロナの影響で企業間配送の需要減による収入減などからPickGoへの登録が増加し、2022年6月時点で、軽貨物の配送パートナーは40000名以上とのことです。

このサービスでは、ユーザーは、スマホアプリから、まず、買いたい店舗名(最大3店舗)と買いたい商品の買い物リストを送付します。すると、候補のドライバーが表示されるので、顔写真とPickGoの評価値を参考にしてドライバーを決めれば、あとは宅配されるのを待つだけとのことです。

購入店舗がネットスーパーとは異なり複数指定可能なこと、しかも店舗のジャンル(コンビニ、ドラッグストア、ホームセンター、飲食店など)や所在地に制限がないことが特徴のようです。また、商品注文は24時間OKで、配達時間も1時間刻みに指定可能とのことです。コロナ禍でもあり「置き配」に対応し、不在時は再配達せず「置き配」にしているようです。

2020年4月27日時点でのサービス対象の配送地域は、1都3県(神奈川、埼玉、千葉)と愛知県、大阪府、福岡県の全域とのことです。

なお、2020年4月のサービス開始以降の関連する動きとして、コンビニや小売業大手がCBcloudと連携し、ネット通販品を配達したり、買い物代行アプリ内に出店したりするケースが増えているようです。

プレスリリースのサイトは、https://cb-cloud.com/news/XqUzVhIAACIAHeWS、あるいはhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000016726.htmlです。


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"Google Pixel Watch(Google)"とは

2022-10-16 23:53:59 | ウェアラブル・関連ソフト

米グーグルが、2022年10月6日に発表し(※1)、2022年10月13日に日本や米国などで発売した、スマートウォッチ(腕時計型端末)です。

※1 発表の動画は、例えば、https://www.youtube.com/watch?v=lgiMNmX4GV8です。

スマートウォッチは、米アップルの「アップルウォッチ」などが知られています(※2)が、米グーグルからの発売はこれが最初とのことです。2021年1月に買収した米フィットビット(Fitbit, Inc.、※3)との共同で開発されたようです。

※2 アップルウォッチは2015.4.24に日本で初めて発売され(注:価格は4万2800円~)、2022年9月にはアップルウォッチのシリーズ8(注:価格は5万9800円~)が発表されているようです。

※3 スマートウォッチと健康管理サービスを手掛ける米国企業です。 

「グーグルマップ」を使用した道案内、決済、さらに心拍数や睡眠状態のチェックができるようです。画面は円形ドーム形状の有機ELで、4G LTE+Bluetooth/WiFiモデル(注:価格は4万7800円)とBluetooth/WiFiモデル(注:価格は3万9800円)が用意されているとのことです。カラーは4色で、20種類以上のバンド(別売り)を組み合わせることができるようです。

関連ブログ(“アップルウォッチ(アップル)”とは、2015.3.25)のサイトは、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/c01130edb9ded518511f1b5f4f6ec10bです。

関連ブログ(“グーグル・グラス(米グーグル)”とは、2014.4.3)のサイトは、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/a165973a115f89dbb9a5bd0b450214ceです。

製品の公式サイト(日本語)は、https://store.google.com/jp/product/google_pixel_watch?hl=jaです。


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"トポロジカル・フォトニクス"とは

2022-10-06 23:13:57 | 学術・サイエンス・概念など

私たちの生活に不可欠な存在となりつつある「光・フォトニクス技術」に、形を扱う数学の”トポロジー※1”という概念を導入することで、光を制御し活用の可能性を考えようというもので、新たな研究テーマとして注目され、ここ2、3年、年間100本以上の論文が発表されているようです。

※ 1「ものの形をざっくり区別する数学」などとも説明されています。通信の世界でも、バス型、リング型、スター型といったLANのネットワーク形状が「トポロジー」などと表現されたりします。

「バンドトポロジー」と呼ばれる概念を「フォトニック結晶」などの周期構造中の光に適用することで、新たな機能を発現・応用しようとする研究のようです(※2)。シリコン材料の半導体分野の起爆剤となり新たな革新を起こす可能性が期待されているようです。

※2 2020年1月21日、国立情報学研究所主催の市民講座にて、東京大学先端科学技術研究センターの岩本敏教授が、「トポロジーで光を操る-光はボールとドーナツを見分けるか-」と題する講演をされています。https://www.facebook.com/jouhouken/posts/2711117152304226を参照。

今後の研究動向が注目されます。


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"ヘッドレスコマース"とは

2022-10-01 23:22:11 | 電子商取引・小売り・リテイリング

ネット通販(eコマース)を提供するシステムの新しいアークテクチャーで、(デジタルな)消費者がネットでの買い物に利用する端末やメディアなど(注:消費者と販売業者とのタッチポイントにあたる部分)の多様化に対して、業者側が柔軟かつ効果的に対応可能であるアーキテクチャとして提案されているものです。アマゾンなどに対抗するためには、このようなアーキテクチャの採用が望まれているようです。

この概念は、2013 年のForrester Research(https://www.forestresearch.gov.uk/)のレポート(※1)において、はじめて提案されたようです。即ち、ネット通販の提供業者が、消費者の消費体験のトレンドに追いついていけるよう、ネット店舗の「フロントエンド」(即ち、PC、モバイル、音声デバイス、IoTデバイス等々の消費者インタフェース部分)とバックエンド(即ち、在庫情報、買い物かご、値引き戦略、支払/決済、顧客情報など)とを一体化されたシステムとして個々に扱わず、変化に対応しやすくなるように緩やか(疎)に結合するのがよいと指摘しています。なお、「ヘッドレスコマース」という言葉は、2013年に、Dirk Hoerig氏(https://de.linkedin.com/in/dirkhoerig)が初めて提案した、と言われています(※2)。

※1 Stephen Powers、Peter Sheldon:Content And Commerce: The Odd Couple Or The Power Couple?-How To Choose Between Using A Web Content Management Solution, An eCommerce Platform, Or Both-、Trends Report、2013.11.19、Forrester Research、https://www.forrester.com/report/Content-And-Commerce-The-Odd-Couple-Or-The-Power-Couple/RES108141

※2 Joe Cicman:Headless Commerce And The Horseless Carriage、FEATURED BLOG、Forrester、2019.8.13、https://go-forrester-com.translate.goog/blogs/headless-commerce-and-the-horseless-carriage/?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc

フロントエンドとバックエンドとを「API(Application Programming Interface)」で接続し、フロントエンドの各タッチポイントのシステムが、APIを通して、ECプラットフォーム内のeコマース機能を共有するアーキテクチャーになっているようです。図を参照。

「ヘッドレス(頭がない)」というネーミングですが、(筆者の勝手な解釈ですが)開発サイドとして、それぞれのAPIを開発することが全てで、全体をまとめる頭(ヘッド)は要らない(レス)ということから、来ているようです(注:上記※2を参照)。

この用語は、2019~2020年頃から急速に記事などで取り上げられるようになっているようです(※3)。

※3 ”What Is Headless Commerce?”、RESEARCHREPORT 2021.2.1、CBINSIGHTS、https://www-cbinsights-com.translate.goog/research/report/what-is-headless-commerce/?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc

関連サイト(2020.10.12公開)は、例えば、https://netshop.impress.co.jp/node/8042です。


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