気になるキーワードや製品のコレクション(IT編)

メルマガ、新聞、雑誌などに登場する(増田悦夫の)気になるキーワード、製品を取り上げ、ITの進展をフォローします。

"マイナ免許証(警察庁)"とは

2024-09-14 23:00:33 | 国や地方の政策・行政手続き

マイナンバーカード(※1)に内蔵されているICチップ(※2)に運転免許証に関連する情報(※3)を記録したもので、マイナンバーカードとしての利用に加え、運転免許証としても利用できるようにしたものです。警察庁は、2024年9月12日、マイナ免許証の運用を2025年3月24日から開始するとの方針を決定したようです。

マイナ免許証の運用に当たっては、具体的な手続きなど制度の在り方について2021年度に関係機関との調整が進められ、2022年4月に、その件などを盛り込んだ「道路交通法の一部を改正する法律(令和4年法律第32号)」が成立したようです。今回の運用開始の方針決定に伴い、上記法律のマイナ免許証に関連する部分について、2024年9月13日から同10月12日の30日間、パブリックコメントが募集されている(※4)ようです。

マイナ免許証への切替えは強制ではなく、現在の免許証を継続利用することも可能で、さらに両方を持つことも禁止されていないようです。即ち、2025年3月24日以降、①従来の免許証のみの人、②マイナ免許証のみの人、③両方を持つ人、の3パタンに分かれるようです。

マイナ免許証を持つと以下のようなメリットが得られるようです:

・マイナカードと免許証とが1枚で済む

・免許更新手数料が400円安くなる(即ち、2500円が2100円)※上記パタン①、③の人は、逆に高くなる(即ち、パタン①は2850円、同③は2950円)。

・優良運転者および一般運転者は、更新時の講習をオンラインで受けられる(講習料は一律200円)

・転居時の住所変更処理が従来よりも楽になる(運転免許センターへ出向く必要なし)

本件を報道する動画は、例えば、以下(FNNプライムオンライン、2024.9.12公開)です:https://www.youtube.com/watch?v=e1A5G1H-Pp8&t=72sです。

※1 マイナンバーの通知を受けた後、申請することにより交付される顔写真入りのカードで、マイナンバーの確認と本人確認に利用できます。

※2 ICチップ内には、住民票コード、マイナンバーカード券面の画像データ、マイナンバーおよび基本4情報(住所、氏名、生年月日、性別)、個人認証用電子証明書が記録されていますが、将来の用途追加用として空き領域も用意されています。

※3 運転免許証の番号、有効期限、免許の種類、眼鏡が必要などの条件、それに顔写真などの情報 

※4 関連の広報資料(交通局運転免許課、2024.9.12)のサイトは、chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.npa.go.jp/news/release/2024/010020240912.pdfです。


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"芳賀・宇都宮LRT(宇都宮ライトレール)"とは

2024-09-09 23:55:45 | 道路交通の高度化

栃木県の宇都宮市「JR宇都宮駅東口」~芳賀町「芳賀・高根沢工業団地」間(注:複線、約14.6km)を19箇所のフルバリアフリー停留場により接続する(注:各停で45分弱※1)LRT※2(次世代型路面電車)です。「宇都宮ライトライン」という愛称で呼ばれているようです。このLRTの事業は、「宇都宮ライトレール」(設立:2015年11月9日、代表取締役社長:高井 徹氏)が行っています。公式ホームページは、https://www.miyarail.co.jp/です。

開業は1年余り前の2023年8月26日です。路面電車のない所に全線新設してLRTを開業した例はなく、国内で初めてだったようです。なお、国内における路面電車の開業は75年ぶり、またLRTの開業は2006年4月の富山市に次いで2例目とのことです。

宇都宮市の東西を新交通システム(公共交通)でつなぐ構想が1993年に起こってから、約30年に亘る苦難(即ち、市民や関連業者との合意形成などの課題への対応)を経ての開業とのことで現地では大いに盛り上がったようです。

開業から1年を経過した現在、平日乗客数が開業時の1万2000人/日から1万5000~8000人/日に増加し地域の足として定着しつつあり、さらに宇都宮市の人口が減少する中でLRT沿線の人口は増加しているよう(※3)です。このLRTの開業が狙う「渋滞や環境負荷の問題を引き起こさない脱クルマ社会によるコンパクトな街づくり」につながっていくことが期待されます。

開業1年後の状況を説明している動画は、例えば、https://www.youtube.com/watch?v=d5NAny9AtLY(2024.8.28公開、TBS NEWS DIG Powered by JNN)です。

※1 次の時刻表ページを参照:chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.miyarail.co.jp/cms/wp-content/themes/miyarail/pdf/timetable/inbound-weekday-20240722.pdf

※2 関連ブログ("LRT"とは、2024.9.6)のページを参照:https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/f30ebe8c90caeee7eb41ca40d8b1fdffです。

※3 2024年3月の沿線人口は、LRT整備が本格化する前の2012年に対し8%増の6万3890人とのこと。


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"LRT"とは

2024-09-06 23:05:01 | 道路交通の高度化

Light Rail Transit(直訳すると軽量・軌道・輸送機関)の頭文字をとったもので、地下鉄などの鉄道とは区別され、道路交通(バス、タクシー)を補助する路面電車のような輸送機関を指しています。路面電車の範疇に含まれるようですが、従来の路面電車を先進化させた輸送機関のようです。低床車両や段差の少ない停留場で乗降が容易で、渋滞がなく定時性に優れ、自動車で問題化される温室効果ガスの排出も抑制されるといった基本的特徴があります。我が国では「新型路面電車」や「次世代型路面電車」と呼ばれたりもするようです。

鉄道が「鉄道事業法」によって運用されるのに対し、LRTは「軌道法」に基づいて運用されるようです。LRTでは、現時点で、最大時速≦40km/hおよび平均時速≦30km/hに規制され、車両編成も車両数に関わらず全体で30m以下に規制されているようです。

LRTは、1980年代以降に欧州で導入されるようになったようですが、この名称を最初に用いたのは欧州の状況を参考に導入を行った米国であったようです(※1)。我が国では、30年余り前の1991年頃から新聞記事に登場するようになったようで(注:下のグラフを参照)、2006年には富山市で本格導入され、2023年8月には宇都宮市で30年に亘る紆余曲折を経て全線新設の形で導入されています(※2)。さらに、那覇市が2040年代の新設開業を目指し、和歌山市も導入を模索しているようです。

LRTの定義的な説明が色々とされていますが、参考までに2つの説明例を以下に示します。

(1)国立環境研究所の「ライトレール(LRT) - 環境技術解説」(https://tenbou.nies.go.jp/science/description/)

「ライトレール(LRT:Light Rail Transit)とは、快適で省エネ性に優れた、新しい路面電車交通のことをいう。従来から欧米では、路面電車のことを「トラム」、「ストリートカー」と呼んでいたが、環境にも配慮した新しい交通システムとしての路面電車に対して、「ライトレール」という名称が使われるようになった。なお、フランスでは今も「Tram」、日本では「新型路面電車」や「次世代型路面電車」という名称が使われることもある。

自動車に依存する交通システムが、エネルギー効率や環境、安全などの面で問題を抱えているのに対し、公共交通機関であるライトレールは、エネルギー効率が良く、自動車交通量の削減にもつながるとして注目されている。ライトレールの導入にあたっては、「人が移動しやすいまちづくり」の視点で公共交通システムのあるべき姿を考え、自家用車、バス、自転車などの他の移動手段との連携による、移動のネットワーク化を図ることが重要である。」

(2)国土交通省サイトにおける説明(https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/lrt/lrt_index.html#2)

「Light Rail Transitの略で、低床式車両(LRV)の活用や軌道・電停の改良による乗降の容易性、定時性、速達性、快適性などの面で優れた特徴を有する軌道系交通システムのことです。 近年、道路交通を補完し、人と環境にやさしい公共交通として再評価されています。」

※1 東洋経済ONLINEの記事(2018/05/26 6:00、https://toyokeizai.net/articles/-/222069?display=b)を参照

※2 開業を告知する内容(2023.6.2)のサイトは、例えば、https://u-movenext.net/information/164です。 


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