国土交通省が毎年大手宅配便業者が扱った宅配便荷物の統計をホームページ上に公開していますが、この統計に含まれていない荷物の宅配をこのように呼んでいるようです。
最近、”隠れ宅配”の荷物が急増しているようです。コロナ禍で新たにEC事業を始めるメーカーや小売業者が増えており、しかもこれらが扱っている製品・商品の宅配を大手宅配便業者に委託しないで自社で対応するケースが多いことによります。
”隠れ宅配”の需要の増加に目をつけ、新たに宅配市場に参入したり、宅配便へのこれまでの対応を強化したりする企業が出てきているようです。
物流分野の新興企業である「CBcloud」(2013年10月設立)は、宅配市場に参入し、2022年上半期に東京23区内で(大手宅配便業者でできていない)即日配送を始めるとのことです。また、企業物流が主力の3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)大手「センコーホールディングス」(1946年7月設立)は、22年度の宅配向け稼働車両を現状の2倍以上の3,000台に増やす予定とのことです。同様に、3PLが主力の「SBSホールディングス」(1987年12月16日設立)も宅配市場に参入するようです。首都圏15か所にEC専用倉庫を建設し、運送会社を買収して首都圏に宅配網を築く予定のようです。
宅配市場に参入する企業やこれまでの対応を強化する企業の間で、”隠れ宅配”の需要の奪い合いが今後激しくなりそうです。