ハッシュ関数のうち暗号や電子署名など保安上の用途に適した性質を持つもので、「暗号学的ハッシュ関数」とも呼ばれます。
以下のような特徴を持っています。
・関数の出力である「ハッシュ値」は、入力メッセージのサイズに関係なく常に固定で小さい
・入力メッセージとハッシ値の間に規則性がない
-入力メッセージが1ビットでも異なればハッシュ値も変わる
-ある特定のハッシュ値が得られるような入力メッセージを効率よく求めることはできない
-同じハッシュ値となるような別の入力メッセージを容易には見つけられない
電子署名や最近注目されているブロックチェーンなどで利用されています。電子署名では署名すべき入力メッセージを一方向ハッシュ関数でハッシュ値に圧縮し秘密鍵で暗号化して先方へ送っています。また、ブロックチェーンでは取引履歴を保持するブロックを入力メッセージとして一方向ハッシュ関数でハッシュ値にし、次のブロックに保持させてブロック間をつなぐようにしています。
電子署名に利用されているものとしてMD5(Message Digest 5)やSHA-1(Secure Hash Algorithm 1)が知られています。また、ブロックチェーンではSHA-256などが利用されています。