http://www.velovert.com/Information_VTT/2262/Rotec-et-Gravity-Dropper-de-retour-en-France
http://www.roteccycles.com/
いや、びっくりしました。
まだ生きていたんですね……
ローテック・RL9
日本では音沙汰が途絶えて久しいです。初代のオーナーの手を離れ、再び生産を始めたのが6年くらい前でしたか? ミズタニが1年だけ仕入れていました。その後あまり噂を聞かなかったので、私はてっきり消え去っていってしまったのかと……。
ごめん、ローテック。
基本的には復活したときのスペックを踏襲していますね。これが凝っているんです。
ローテックは
BB同軸ピボットが特徴でした。そこにイエティ、シュウィンが採用していた(ゲーリーフィッシャーも)
ローウィルデザインを加え、さらにリヤサスユニットを上下のアームで挟み込み、
フローティング状態にしているという美味しいどころ取りのすんごいサスペンションなんです。ローテックではこのデザインと
『TR4リンク』と呼んでいます。
ローウィルデザインはマルチリンクデザインでも、最古参の部類に入ります。デザイナーは
マート・ローウィル。元々はモーターサイクルのサスペンションデザイナーでした。それが近所のよしみでイエティ総帥、
ジョン・パーカーのために作り上げたのがこのシステムです。
今でこそ簡単に実現できるデザインですが、当時はMTB用ディスクブレーキがまったく完成しておらず、使い物にならなかったのです。Vブレーキすらなかった時代です。構造上、シートステーにもチェーンステーにもブレーキが装着できなかったので、これは致命的でした。
現代でも通用するシステムでありながら、あまりに飛び抜けていたが故に周りの部品に脚を引っ張られた、不遇のリヤサスです。
リヤホイールが装着されるリヤエンドを上下ピボットで挟み込むフレームレイアウトで、その時代にはフレーム側を中心点とした弧を描く軌跡しかなかったのですが、ローウィルデザインは逆弧を描きました。そう仮想軸がシートチューブの前側にあるのではなく、
バイクのリヤホイールのさらに後ろ側にあったのです。
そのため衝撃が真下でなく、斜め前方からくる下りにおいて絶大な力を発揮したのです。
もう一つBB同軸メインピボットのことを。
これも一時は結構採用され、消え、そしてまた去年辺りからコナやファイアアイ、ブラックマーケットなどのブランドが取り入れつつあります。
同軸のメリットはBBとリアエンドの位置関係が決して変わらないこと。このことでチェーン絡みのトラブルを一掃することが出来ます。デメリットはBB部分の作りが難しくなること、そしてこれがなくなった最大の理由なのですが、リヤがあまりにもアクティブに動きすぎるためです。それを最新の技術が解決してくれました。リヤユニットのアンチボビングテクノロジーです。
時代に脚を引っ張られた存在、助けられた存在。この二つが一緒になっているなんて……、奇妙な縁ですね。
リヤブレーキもフローティングさせています。ここら辺はシュウィンの最後期にも見られた工作です。
ヘッド周りはワンポイントファイブにして、上下にストッパーを最初から用意しています。
トラベルは8インチと9インチが選択可能。色は6色を揃えます。素材は6061アルミニウム。
きちんとアメリカで作っていますヨー。今時どこで作っていようが関係ないですけど、それも踏まえて自分で設計し、自社で作ること。人に委ねないその心に、私は敬意を表します。
私こういう写真大好きなんです。いいですよねー。未完成の状態を見るとドキドキわくわくします。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます