……はあ。
今世紀最大のスポーツスキャンダルになることは、間違いないでしょう。
500回以上の検査を受けても薬物は出ず、昔の同僚からの告発(ドーピングで自転車界を追放になっている)のみでここまで踏み切るとは……。USADA(米国反ドーピング機関 United States Anti-Doping Agency)は何を考えているんでしょうか?
http://www.bikerumor.com/2012/08/23/lance-armstrong-announces-he-will-no-longer-fight-the-usada/
以下引用
【AFP=時事】(記事更新)世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス(Tour de France)を7連覇したランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏は23日、ドーピング違反を告発した米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping Agency、USADA)とこれ以上争わないことを決めたと語った。
アームストロング氏の元同僚には永久追放処分
無実を主張するアームストロング氏は、USADAによる告発の取り下げを求めて連邦裁判所に申し立てを行っていたものの棄却され、今回の判断を下した。
アームストロング氏は、USADAの行動は自身に対する「魔女狩り」であり、いっぱいの手札で相手を弄んでいるだけだと非難している。
同氏は23日に自身のホームページ上で、「今日、私はページをめくる。結果に関らず、この問題からは手を引くことに決めた。これからは、ツールで勝つ前に携わっていた仕事に全力を注ぐつもりだ」と声明を発表した。
40歳のアームストロング氏はまた、「誰にも『もう十分だ』という限界が来るときがあり、自分にとっては今がそうだった。家族や財団の仕事や自分への影響も考えて、この無意味なものに終止符を打つという今回の結論に達した」と記し、法廷闘争により心身がすり減り、それが個人生活や選手生活にまで影響を及ぼしていたことを明かした。
アームストロング氏がエリスロポエチン(Erythropoietin、EPO)やステロイドなどの禁止薬物を使用し、1986年から自己輸血などの禁止行為を行ったとしているUSADAはこれを受け、同氏は1999年から2005年までのツール・ド・フランス優勝を剥奪され、永久追放処分を受けるだろうと示唆している。【翻訳編集】 AFPBB News
引用終わり
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120824-00000025-jij_afp-spo
以下引用
【8月24日 AFP】(記事更新)世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス(Tour de France)を7連覇したランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏は23日、ドーピング違反を告発した米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping Agency、USADA)とこれ以上争わないことを決めたと語った。
無実を主張するアームストロング氏は、USADAによる告発の取り下げを求めて連邦裁判所に申し立てを行っていたものの棄却され、今回の判断を下した。
アームストロング氏は、USADAの行動は自身に対する「魔女狩り」であり、いっぱいの手札で相手を弄んでいるだけだと非難している。
同氏は23日に自身のホームページ上で、「今日、私はページをめくる。結果に関らず、この問題からは手を引くことに決めた。これからは、ツールで勝つ前に携わっていた仕事に全力を注ぐつもりだ」と声明を発表した。
40歳のアームストロング氏はまた、「誰にも『もう十分だ』という限界が来るときがあり、自分にとっては今がそうだった。家族や財団の仕事や自分への影響も考えて、この無意味なものに終止符を打つという今回の結論に達した」と記し、法廷闘争により心身がすり減り、それが個人生活や選手生活にまで影響を及ぼしていたことを明かした。
アームストロング氏がエリスロポエチン(Erythropoietin、EPO)やステロイドなどの禁止薬物を使用し、1986年から自己輸血などの禁止行為を行ったとしているUSADAはこれを受け、同氏は1999年から2005年までのツール・ド・フランス優勝を剥奪され、永久追放処分を受けるだろうと示唆している。(c)AFP
引用終わり
http://www.afpbb.com/article/sports/cycling/2896940/9403912?utm_source=yahoo&utm_medium=news&utm_campaign=txt_link_Sat_p1
以下引用
【7月11日 AFP】世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス(Tour de France)を7度制したランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏は10日、米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping Agency、USADA)の告発の取り下げを再び米連邦裁判所に申し立てた。
この数時間前にUSADAは、アームストロング氏の元同僚3人に対して永久追放処分を科している。
自身もドーピング使用疑惑で告発されているアームストロング氏は、USADAによる告発、または処分の一時差し止めを連邦判事に求めている。
USADAが1999年から2005年までのツール・ド・フランスにおいて「チーム内での組織的ドーピング使用を謀った」として処分を下したのは、現在は消滅したUSポスタルサービス(U.S. Postal Service)でチームドクターを務めていたルイス・ガルシア・デル・モラル(Luis Garcia del Moral)氏、アームストロング氏の個人トレーナーでありチームのコンサルタントでもあったミケーレ・フェラーリ(Michele Ferrari)氏、当時の監督のペペ・マトリ(Pepe Matri)氏の3人。
今回の処分についてUSADAのトラビス・タイガート(Travis Tygart)会長は「スポーツ界からこの3人を追放することで、現役選手や新たな世代の選手たちを彼らの魔の手から守り、今後の競技の品位を守るという断固とした表明だ」とコメントした。
ドーピング疑惑で6月にUSADAから告発されていたアームストロング氏を含む6人のうち、これで3人に処分が下されたこととなる。このほかに告発を受けているのは、現在レディオシャック・ニッサン(RadioShack-Nissan)でチームドクターを務めるペドロ・セラヤ(Pedro Celaya)医師と、同チームのスポーティングディレクターであるヨハン・ブリュイネール(Johan Bruyneel)氏で、ブリュイネール氏は疑惑を一貫して否定している。
アームストロング氏は9日、地元のテキサス(Texas)州西部連邦地裁へ申し立てを行ったものの、同地裁のサム・スパークス(Sam Sparks)判事は、アームストロング氏の弁護人が提出した80ページに及ぶ書類は、ドーピング違反の制裁を科そうとするUSADAに対する異議ではなく広報活動であると批判し、申し立てを退けていた。
再度の申し立てにあわせて25ページとなった書類では、この件に関する裁定権を持つのはUSADAではなく国際自転車競技連合(International Cycling Union、UCI)であり、USADAの判断基準は合衆国憲法に違反する、という異議が述べられている。
1999年から2005年までツール・ド・フランス7連覇を達成し、現役を引退しているアームストロング氏に有罪判決が下されれば、優勝剥奪と選手活動が永久禁止となる可能性がある。(c)AFP
引用終わり
http://www.afpbb.com/article/sports/cycling/2888914/9237264?utm_source=yahoo&utm_medium=news&utm_campaign=txt_link_Sat_r1
むー、ここまでやりますか。
昨日、ランスが訴えを取り下げたとニュースにあったので、どうなるか? と注目していましたが、たった一日で彼の成績をほぼすべて剥奪するとは……。USADAはあくまでアメリカの機関です。UCIなどとは異なります。ここが訴えを起こしたのが今年の6月とのこと。たった2ヶ月ちょいで、10数年かけて成し遂げたことを無に帰してしまうなんて。いや実際、薬が出て来ていれば話しは別ですよ? しかし500回のチェックで出てないのに……。これは科学的とか、法律的とか言える事柄なのでしょうか?
ちなみにロードレースにおけるドーピングチェックは、おそらくスポーツ界でも類を見ないほど厳しいものです。たとえばメジャーリーグのイチローでさえ引っかかってしまうほどです(彼はユンケルの一番高いやつを飲んでいますから。そう、ユンケルでも引っかかるほど自転車のドーピングは厳しいのです)。常に自分の居場所を明かし、昼夜問わず抜き打ちでやってくる係員のチェックを無条件で受けなくてはならない。選手達がたまにレースをボイコットしているのは、その非人間的な扱いのためです。決してドーピングチェックを否定している訳ではありません。
オペラシオンプエルトの前、フェスティナスキャンダルの時も注射器や管などの廃棄品をテレビが映し出し、さも皆が禁止薬物を使っているという世論をあおりましたが、あれもひどい話しです。中身をチェックしているような記事はほとんどありませんでした。ま、それが選手に対して使われていたという立証もなかったですし。体を極限まで使うロードレースは、栄養剤などを経口ではなく血管から直接摂取することで早期の回復をさせることは一般的なのです。
あと、ごちゃごちゃにしている人も居ますが、その当時に禁止されていなかった薬物を使っても心情的にはアウトですが、問題はありません。『法の不遡及』というのは法律の常識中の常識です(どこかにこの常識を無視する国もありますが(苦笑)。EPOだって禁止されていない時代がありましたから。今のとは世代が違いますが。
ビャルネ・リースやエリック・ザベルなども薬物使用を認定しましたが、経歴はそのままです(……あ、サインをもらった二人だ(笑)。二本ボトルの片方は水、片方はアンフェタミンなんていうのは昔のロードレーサーなら当たり前だったことです。いや、ドーピングを肯定しているわけではありません。しかしこのように遡及するなら、インデュラインもデルガドもメルクスも可能性を否定できません。嫌な言い方ですが、レッドカードすれすれまで対策をすることは勝つための努力と言っても過言ではありません。
アメリカのドーピングチェックの無茶苦茶さは、このメジャーリーグのドーピング違反の記事を読んでもらうとわかると思います。
以下引用
カブレラが50試合出場停止 大リーグ機構は15日、ジャイアンツのメルキー・カブレラ外野手がドーピング検査で筋肉増強剤テストステロンに陽性反応を示したとして、50試合の出場停止処分を科したと発表した。カブレラは今年のオールスター戦で最優秀選手に選ばれていた。(ニューヨーク)
引用終わり
カブレラもそうなんですが、コローンもたった50試合の出場停止で事を済まそうとしています。というか済むのでしょう。彼らのドーピングチェックをしたのがどの機関かわかりませんが、メジャーリーグの傘下機関か、USADAかどちらかでしょう。野球のドーピングチェックは始まって間もないので、USADAの可能性が高い気がします。ここはあくまで推論ですけど。……昔あったガトームソンの育毛剤は許してあげたい気もしますが(笑)。テストステロンなんてどメジャーな薬物を使ってこれですよ? 自転車なんか、薬物使用の形跡を消す薬剤が見つかってもアウトなのに……(直接証拠ではなく、間接証拠です)。ランスはこのマスキング薬さえも出て来ていません。
EPOは非常に検出しにくい薬です。特に最新タイプはほぼわからないみたいですね。そのため血液中の赤血球の割合が高くなると強制的に出場停止ともなります。これはドーピングコントロールに引っかかるということではなく、あまりに高すぎると人体に有害なため選手の体のことをおもんばかっての措置です。もちろん仕様痕跡がわかってしまえば、アウトなのですが。
ランスの体を見て、「以前とは変わりすぎて、ドーピングをしているのは当たり前」なんていう人もいますが、あれはワンデイタイプからステージレースタイプに作り直したものです。薬は様々な種類があって一概には言えないのですが、一般的にムーンフェイスと言って丸くなることが多いのです。血液ドーピングはこれに当てはまりませんが。
しかし15年近く前のサンプルをいまだもってちまちまチェックしているというのも、ちょっと常軌を逸しているような気がします。それなの出てこない。ランスがくたびれて、事実を争うことを止めてしまうのもわからなくもない気がします。とはいえ、ツール・ド・フランス7連覇という戦歴は、一生掛けて戦ってもいいほど大きなものだと思いますが……。
私見で言えば、彼だって多少はやっていたと思いますよ? でもそれは引っかからない範囲でしょう。犯罪を立件するには証拠が不可欠です。しかしそれは500回以上の検査をしても見当たらない。本当はこの時点で立件しようとした側の敗北です。憶測で人を裁くというのは、近代国家としてあってはならないことです。それを裁判所がランス側の主張を破棄してしまうとは……。アメリカの司法が非常に危ういものとなっている気がします。誰かを殺すとか、女子供を虐待するとかなら、徹底して追求しても良いと思います。10年、20年の月日が費やされても仕方のないことでしょう。ですがこれはロードレースのことです。たかがスポーツの出来事に過ぎません。そして何度も確認がなされてもシロと出ていたモノです。
なにやらとてもむなしい風が心を吹き抜けていきます。
はあ……。
今世紀最大のスポーツスキャンダルになることは、間違いないでしょう。
500回以上の検査を受けても薬物は出ず、昔の同僚からの告発(ドーピングで自転車界を追放になっている)のみでここまで踏み切るとは……。USADA(米国反ドーピング機関 United States Anti-Doping Agency)は何を考えているんでしょうか?
http://www.bikerumor.com/2012/08/23/lance-armstrong-announces-he-will-no-longer-fight-the-usada/
以下引用
【AFP=時事】(記事更新)世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス(Tour de France)を7連覇したランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏は23日、ドーピング違反を告発した米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping Agency、USADA)とこれ以上争わないことを決めたと語った。
アームストロング氏の元同僚には永久追放処分
無実を主張するアームストロング氏は、USADAによる告発の取り下げを求めて連邦裁判所に申し立てを行っていたものの棄却され、今回の判断を下した。
アームストロング氏は、USADAの行動は自身に対する「魔女狩り」であり、いっぱいの手札で相手を弄んでいるだけだと非難している。
同氏は23日に自身のホームページ上で、「今日、私はページをめくる。結果に関らず、この問題からは手を引くことに決めた。これからは、ツールで勝つ前に携わっていた仕事に全力を注ぐつもりだ」と声明を発表した。
40歳のアームストロング氏はまた、「誰にも『もう十分だ』という限界が来るときがあり、自分にとっては今がそうだった。家族や財団の仕事や自分への影響も考えて、この無意味なものに終止符を打つという今回の結論に達した」と記し、法廷闘争により心身がすり減り、それが個人生活や選手生活にまで影響を及ぼしていたことを明かした。
アームストロング氏がエリスロポエチン(Erythropoietin、EPO)やステロイドなどの禁止薬物を使用し、1986年から自己輸血などの禁止行為を行ったとしているUSADAはこれを受け、同氏は1999年から2005年までのツール・ド・フランス優勝を剥奪され、永久追放処分を受けるだろうと示唆している。【翻訳編集】 AFPBB News
引用終わり
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120824-00000025-jij_afp-spo
以下引用
【8月24日 AFP】(記事更新)世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス(Tour de France)を7連覇したランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏は23日、ドーピング違反を告発した米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping Agency、USADA)とこれ以上争わないことを決めたと語った。
無実を主張するアームストロング氏は、USADAによる告発の取り下げを求めて連邦裁判所に申し立てを行っていたものの棄却され、今回の判断を下した。
アームストロング氏は、USADAの行動は自身に対する「魔女狩り」であり、いっぱいの手札で相手を弄んでいるだけだと非難している。
同氏は23日に自身のホームページ上で、「今日、私はページをめくる。結果に関らず、この問題からは手を引くことに決めた。これからは、ツールで勝つ前に携わっていた仕事に全力を注ぐつもりだ」と声明を発表した。
40歳のアームストロング氏はまた、「誰にも『もう十分だ』という限界が来るときがあり、自分にとっては今がそうだった。家族や財団の仕事や自分への影響も考えて、この無意味なものに終止符を打つという今回の結論に達した」と記し、法廷闘争により心身がすり減り、それが個人生活や選手生活にまで影響を及ぼしていたことを明かした。
アームストロング氏がエリスロポエチン(Erythropoietin、EPO)やステロイドなどの禁止薬物を使用し、1986年から自己輸血などの禁止行為を行ったとしているUSADAはこれを受け、同氏は1999年から2005年までのツール・ド・フランス優勝を剥奪され、永久追放処分を受けるだろうと示唆している。(c)AFP
引用終わり
http://www.afpbb.com/article/sports/cycling/2896940/9403912?utm_source=yahoo&utm_medium=news&utm_campaign=txt_link_Sat_p1
以下引用
【7月11日 AFP】世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス(Tour de France)を7度制したランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏は10日、米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping Agency、USADA)の告発の取り下げを再び米連邦裁判所に申し立てた。
この数時間前にUSADAは、アームストロング氏の元同僚3人に対して永久追放処分を科している。
自身もドーピング使用疑惑で告発されているアームストロング氏は、USADAによる告発、または処分の一時差し止めを連邦判事に求めている。
USADAが1999年から2005年までのツール・ド・フランスにおいて「チーム内での組織的ドーピング使用を謀った」として処分を下したのは、現在は消滅したUSポスタルサービス(U.S. Postal Service)でチームドクターを務めていたルイス・ガルシア・デル・モラル(Luis Garcia del Moral)氏、アームストロング氏の個人トレーナーでありチームのコンサルタントでもあったミケーレ・フェラーリ(Michele Ferrari)氏、当時の監督のペペ・マトリ(Pepe Matri)氏の3人。
今回の処分についてUSADAのトラビス・タイガート(Travis Tygart)会長は「スポーツ界からこの3人を追放することで、現役選手や新たな世代の選手たちを彼らの魔の手から守り、今後の競技の品位を守るという断固とした表明だ」とコメントした。
ドーピング疑惑で6月にUSADAから告発されていたアームストロング氏を含む6人のうち、これで3人に処分が下されたこととなる。このほかに告発を受けているのは、現在レディオシャック・ニッサン(RadioShack-Nissan)でチームドクターを務めるペドロ・セラヤ(Pedro Celaya)医師と、同チームのスポーティングディレクターであるヨハン・ブリュイネール(Johan Bruyneel)氏で、ブリュイネール氏は疑惑を一貫して否定している。
アームストロング氏は9日、地元のテキサス(Texas)州西部連邦地裁へ申し立てを行ったものの、同地裁のサム・スパークス(Sam Sparks)判事は、アームストロング氏の弁護人が提出した80ページに及ぶ書類は、ドーピング違反の制裁を科そうとするUSADAに対する異議ではなく広報活動であると批判し、申し立てを退けていた。
再度の申し立てにあわせて25ページとなった書類では、この件に関する裁定権を持つのはUSADAではなく国際自転車競技連合(International Cycling Union、UCI)であり、USADAの判断基準は合衆国憲法に違反する、という異議が述べられている。
1999年から2005年までツール・ド・フランス7連覇を達成し、現役を引退しているアームストロング氏に有罪判決が下されれば、優勝剥奪と選手活動が永久禁止となる可能性がある。(c)AFP
引用終わり
http://www.afpbb.com/article/sports/cycling/2888914/9237264?utm_source=yahoo&utm_medium=news&utm_campaign=txt_link_Sat_r1
むー、ここまでやりますか。
昨日、ランスが訴えを取り下げたとニュースにあったので、どうなるか? と注目していましたが、たった一日で彼の成績をほぼすべて剥奪するとは……。USADAはあくまでアメリカの機関です。UCIなどとは異なります。ここが訴えを起こしたのが今年の6月とのこと。たった2ヶ月ちょいで、10数年かけて成し遂げたことを無に帰してしまうなんて。いや実際、薬が出て来ていれば話しは別ですよ? しかし500回のチェックで出てないのに……。これは科学的とか、法律的とか言える事柄なのでしょうか?
ちなみにロードレースにおけるドーピングチェックは、おそらくスポーツ界でも類を見ないほど厳しいものです。たとえばメジャーリーグのイチローでさえ引っかかってしまうほどです(彼はユンケルの一番高いやつを飲んでいますから。そう、ユンケルでも引っかかるほど自転車のドーピングは厳しいのです)。常に自分の居場所を明かし、昼夜問わず抜き打ちでやってくる係員のチェックを無条件で受けなくてはならない。選手達がたまにレースをボイコットしているのは、その非人間的な扱いのためです。決してドーピングチェックを否定している訳ではありません。
オペラシオンプエルトの前、フェスティナスキャンダルの時も注射器や管などの廃棄品をテレビが映し出し、さも皆が禁止薬物を使っているという世論をあおりましたが、あれもひどい話しです。中身をチェックしているような記事はほとんどありませんでした。ま、それが選手に対して使われていたという立証もなかったですし。体を極限まで使うロードレースは、栄養剤などを経口ではなく血管から直接摂取することで早期の回復をさせることは一般的なのです。
あと、ごちゃごちゃにしている人も居ますが、その当時に禁止されていなかった薬物を使っても心情的にはアウトですが、問題はありません。『法の不遡及』というのは法律の常識中の常識です(どこかにこの常識を無視する国もありますが(苦笑)。EPOだって禁止されていない時代がありましたから。今のとは世代が違いますが。
ビャルネ・リースやエリック・ザベルなども薬物使用を認定しましたが、経歴はそのままです(……あ、サインをもらった二人だ(笑)。二本ボトルの片方は水、片方はアンフェタミンなんていうのは昔のロードレーサーなら当たり前だったことです。いや、ドーピングを肯定しているわけではありません。しかしこのように遡及するなら、インデュラインもデルガドもメルクスも可能性を否定できません。嫌な言い方ですが、レッドカードすれすれまで対策をすることは勝つための努力と言っても過言ではありません。
アメリカのドーピングチェックの無茶苦茶さは、このメジャーリーグのドーピング違反の記事を読んでもらうとわかると思います。
以下引用
カブレラが50試合出場停止 大リーグ機構は15日、ジャイアンツのメルキー・カブレラ外野手がドーピング検査で筋肉増強剤テストステロンに陽性反応を示したとして、50試合の出場停止処分を科したと発表した。カブレラは今年のオールスター戦で最優秀選手に選ばれていた。(ニューヨーク)
引用終わり
カブレラもそうなんですが、コローンもたった50試合の出場停止で事を済まそうとしています。というか済むのでしょう。彼らのドーピングチェックをしたのがどの機関かわかりませんが、メジャーリーグの傘下機関か、USADAかどちらかでしょう。野球のドーピングチェックは始まって間もないので、USADAの可能性が高い気がします。ここはあくまで推論ですけど。……昔あったガトームソンの育毛剤は許してあげたい気もしますが(笑)。テストステロンなんてどメジャーな薬物を使ってこれですよ? 自転車なんか、薬物使用の形跡を消す薬剤が見つかってもアウトなのに……(直接証拠ではなく、間接証拠です)。ランスはこのマスキング薬さえも出て来ていません。
EPOは非常に検出しにくい薬です。特に最新タイプはほぼわからないみたいですね。そのため血液中の赤血球の割合が高くなると強制的に出場停止ともなります。これはドーピングコントロールに引っかかるということではなく、あまりに高すぎると人体に有害なため選手の体のことをおもんばかっての措置です。もちろん仕様痕跡がわかってしまえば、アウトなのですが。
ランスの体を見て、「以前とは変わりすぎて、ドーピングをしているのは当たり前」なんていう人もいますが、あれはワンデイタイプからステージレースタイプに作り直したものです。薬は様々な種類があって一概には言えないのですが、一般的にムーンフェイスと言って丸くなることが多いのです。血液ドーピングはこれに当てはまりませんが。
しかし15年近く前のサンプルをいまだもってちまちまチェックしているというのも、ちょっと常軌を逸しているような気がします。それなの出てこない。ランスがくたびれて、事実を争うことを止めてしまうのもわからなくもない気がします。とはいえ、ツール・ド・フランス7連覇という戦歴は、一生掛けて戦ってもいいほど大きなものだと思いますが……。
私見で言えば、彼だって多少はやっていたと思いますよ? でもそれは引っかからない範囲でしょう。犯罪を立件するには証拠が不可欠です。しかしそれは500回以上の検査をしても見当たらない。本当はこの時点で立件しようとした側の敗北です。憶測で人を裁くというのは、近代国家としてあってはならないことです。それを裁判所がランス側の主張を破棄してしまうとは……。アメリカの司法が非常に危ういものとなっている気がします。誰かを殺すとか、女子供を虐待するとかなら、徹底して追求しても良いと思います。10年、20年の月日が費やされても仕方のないことでしょう。ですがこれはロードレースのことです。たかがスポーツの出来事に過ぎません。そして何度も確認がなされてもシロと出ていたモノです。
なにやらとてもむなしい風が心を吹き抜けていきます。
はあ……。