旧型Vmaxも結構な数を修理や部品販売を行っているので、中古車等でオーナーが変わって入庫した際に、昔、自分が修理した形跡や、販売した部品が装着されているケースがあります。
車検と整備でお預かりです。外装を外して、点検から始めます。トップキャップの様子からすると、しばらくフォークオイルは交換されていないような感じです。
写真上が装着されているヘッドライトバルブですが、ノーマルのバルブに比べてブルーのフィルターがかかっており、色温度の低い黄色っぽい光をカットするので、見た目は白くなりますが、光量をカットしているので、明るさはノーマルより暗くなります。フロントタイヤはダンロップ製で、2017年05週の製造です。ステムベアリングは、少し引っ掛かりが出始めていますので、規定値までは、締められません。
リアタイヤは、BS製で製造年月日が2013年06週で古いことと、アメリカン用なのでVmaxの出力に対応しておらず、アクセルを開けるとグリップせず滑ります。また、なぜかタイヤサイズが160/80-15で直径が純正の150/90-15より小さいです。
オーナーがバッテリー交換済みとのことですので、一応、電圧と容量を測りましたが、現状壁装です。エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧ですが、充電系は平気そうです。
エンジンを始動した際、排気漏れがあったので、見るとリアバンク側のエキパイがサイレンサーに規定位置まで差し込まれていません。一旦緩めて、押し込んだので、排気漏れは止まりました。
ブレーキホース、クラッチホース、アクセルワイヤーの位置がおかしかったので、取り回しを変更しました。エアクリーナーは純正でしたが、汚れており、おそらく新車時からの物なので、交換が望ましいです。
クーラント漏れは修理済みとのことでした。エンジンオイル混入も無さそうです。プラグキャップとコードが交換されていますが、コードは大丈夫ですが、キャップについては、抵抗値が純正の半分なので、点火時期に影響があります。また、防水性がありません。スパークプラグは、NGK製JR8Cで、焼けは少し濃そうでしたが、外側が錆びています。
ラジエターキャップ下側の配管と配線ですが、取り回しが違ったので、位置修整です。キャブレターのダイヤフラムは回転していないので、平気そうですが、パイロットスクリューの圧入栓が抜かれており、3番気筒(右後)が固着しており回りません。とりあえず機能は生きているようなので、他の3個を揃えて、キャブレターの調整を行いました。
キャリパーは、点検清掃のみです。リア側は、パッド裏に何か塗ったらしく熱で流れていますが、現状固まっていますので、取れません。また、パッド抑え板が逆でした。
今回は、フロント&リアブレーキのフルード交換のみです。
バッテリー周りの配線を少し修正しました。見たような後付配線が付いており、昔、販売した配線だと気が付きました。リアフェンダー周りは、グロメットが破損していたので交換と取付ボルト類の向きを修正しました。ガソリンフィルターには、錆が溜まっていましたので、新品交換です。キャブレターのジョイントはヒビがありましたが、内部までは行っていないので、今後、キャブレターを外した際に、交換した方が良いと思います。
不動車だった時期があったらしく、タンク内部が錆びています。
現在、ホイールベアリングは両面シールベアリングのためグリスアップはできません。メーターギアとアクスルシャフトの錆止めぐらいです。フロンとフォークのオイルシールは、まだ漏れていませんが、少し錆びています。
ダミーダクト左側内部の配線を少し修正しました。通常、ブレーキ&クラッチのホースは、バイザーの内側を通しますが、マスターが左右違い、ホースの取出し向きが違うので、外側を回します。エンジン下側がオイルだらけでしたので、洗浄しました。ケースカバー左側から漏れているようですが、箇所が特定できないので、様子見です。
車検はいつも通り多摩陸事です。
最終チェックと試乗です。とりあえず緊急性のある修理個所は無いので、納車可能です。よろしくお願いいたします。
別件の車両で追加整備です。リアブレーキパッド交換とエアクリーナー交換です。
一応、試乗チェックです。問題無いので、納車可能です。よろしくお願いいたします。
2018.03.09 作業担当 ヤダ(矢田)