ニューヨークの想い出

ニューヨーク生活20年間の想い出を書いていこうと思います。

234、グランド・セントラル

2008年11月10日 | Weblog
大統領選も終わったので、マンハッタンに戻ります。
位置的にも交通の面でもマンハッタンの中心にあるのがグランド・セントラル駅 (Grand Central Station) で、正面入り口は42丁目のPark Aveに面し、マンハッタン最大のターミナルです。
鉄道、地下鉄、バス、タクシーが発着し、1日中混雑していますが朝夕のラッシュアワーは通勤客でごった返します。
建物は1860年代に完成した古典主義風のボザール様式で歴史的建造物です。
重厚な外観、高さ50フィート(約45.7m)の天井に描かれたコバルトブルーの星座図、大理石の床、大きなアーチ窓などは素晴らしく多くの映画の舞台にもなっています。
現在の駅舎は1913年に改装・修復されたものです。
この歴史的建造物を取り壊し新しく立て替えようとする話が持ち上がりましたが、ニューヨーク市や当時マンハッタンに住んでいたジャクリーン・ケネディー・オナシスなどの反対によって存続が決定、1998年にリニューアルされました。
構内にはレストランや小売店などが100軒近くあり、巨大ショッピングモールにもなっていて、ここのオイスター・バーは有名です。

マンハッタンにはグランド・セントラル駅、ペンシルヴァニア駅、ポート・オーソリティの3つの大きなターミナルがあります。
ポート・オーソリティはバスターミナルで、近・長距離バスが全米に向け発着しています。
ペンシルヴァニア駅(通称、ペン・ステーション)は主に西や南に向かう列車が発着します。
グランド・セントラル駅は北に向かう通勤列車が多く毎日50万人が利用します。
「209、MTA メトロノース」でも書きましたが、マンハッタンの北、ウエストチェスターに多く住む日本人はこのターミナルを利用します。
また、東のロングアイランドも日本人が多く住み、ロングアイランド鉄道を利用しこの駅で乗り降りする人が多くいます。

写真は駅構内で右が切符売り場、左は列車のホームへと向かいます。

233、最初のチェンジ

2008年11月09日 | Weblog
今回の大統領選で黒人のオバマ氏が大統領に選ばれたことは歴史的なことです。
アメリカは建国以来奴隷制を採用し発展してきましたが、それによって人種差別という問題も抱えてきました。
アメリカで生活していると表面的には人種差別は無いように見えますが、根底には感じていました。
それが、今回の大統領選では人種問題を乗り越えていました。
いつの日にか黒人の大統領が誕生するとは思っていましたが、こんなに早く実現するとは思いませんでした。
キング牧師の演説「I have a dream」は現実には“夢”でした。
キング牧師と一緒に公民権運動を戦ったフレドリック・リース牧師(78)も「ここまでたどり着くとは想像もしなかった」と語っています。

投票日の4日夜、オバマ氏の支持者1000人以上が南部アラバマ州バーミングハムの市公会堂に集まり、開票の結果を見守っていましたが、勝利が伝わると黒人と白人が抱き合って喜ぶ姿が見られました。
このような光景は全米各地で起こりました。
オバマ氏はチェンジ(変革)をスローガンに選挙を戦ってきましたが、最初の変化は人種の壁を乗り越え1つになったことです。
アラバマ州は人種差別が最も強い州といわれ、公民権運動も1955年12月1日アラバマ州モンゴメリーで発生した、バスの白人専用座席への着席をめぐり起きたローザ・パークス逮捕事件きっかけに始まりました。

米国の大統領はこれまで全て白人が占めてきましたが、今新たな歴史が始まり、1776年の独立宣言で「すべての人の平等」をうたった建国以来の精神に向かっています。
しかし、その道はまだまだ厳しいものがあるでしょう。

232、晩秋の庭

2008年11月08日 | Weblog
昨日、7日は立冬でした。
暦に合わせたように日本海から寒冷前線が近づき通過中です。
北海道・東北地方は冬型の気圧配置になり、札幌では吹雪いているようです。
ここ前橋も昨晩から北風が強くなり、名物の「空っ風」の季節がやってきました。
ニューヨークも11月に入ると紅葉も散り始め、庭の芝も枯れてきて冬が近いことを感じさせます。
1987年11月4日に自宅の庭で撮った写真で、息子は13ヶ月です。
(以前も書いたと思いますが、アメリカでは子供の年齢を言うとき、2歳くらいまでは何ヶ月と言います。)

231、星条旗がいっぱい

2008年11月07日 | Weblog
巨人と西武の日本シリーズ第5戦は巨人が勝ち、3勝2敗と大手をかけて東京ドームに戻りますが、どちらが優勝するか全く分かりません。
第1戦で気になるシーンがありました。
試合前のセレモニーで「君が代」が歌われましたが、日本人選手の中にはガムを噛みながら、ニヤニヤしている人もいました。
そんななか、巨人のラミレス選手(ベネズエラ出身)が胸に手を当て厳粛に聞いていたのが印象的でした。

アメリカに20年住んでいて感じたことは、アメリカ人は 国歌、国旗を大切にします。
いたる所で星条旗を目にし、祝日には星条旗で溢れます。
私の家でも祝日には小さな星条旗を玄関に飾りました。
今回の大統領選で両候補が団結を呼びかけましたが、国歌と星条旗とを中心に1つになります。
最近はメジャー・リーグの試合が日本でテレビ放送されますが、試合前に歌われる国歌を、胸に手を当てて聞く選手の姿はおなじみです。

写真は5番街の50丁目辺りで、ビルは星条旗の花ざかりです。(祝日ではなく普段の日)

230、アメリカの底力

2008年11月06日 | Weblog
アメリカ大統領選でオバマ氏が圧勝しましたが、敗北したマケイン氏にアメリカの底力を感じました。
マケイン氏は4日夜、アリゾナ州フェニックスで支持者を前に演説し、大統領選の敗北を認めました。
会場から挙がる不満の声を制し、まずオバマ氏の勝利に祝福を送りました。
マケイン氏は「とりわけアフリカ系米国人の人々にとってオバマ氏の勝利は意義深いものだ」と語り、人種の壁を乗り越えて初の黒人大統領となった偉業を称えました。
さらに、党派の違いを乗り越え、米国民として団結するよう自身の支持者に訴えました。
そして、「米国は常に、努力する人に機会を与える国だ」と語っています。
この演説に先立ち、マケイン氏はオバマ氏に電話をかけ、お互いの健闘を称え合ったといいます。
オバマ氏も勝利宣言でアメリカ国民の団結を訴え、「私達はできる、必ず目標に到達する」と熱く語りました。
戦うときは戦う、しかし、勝負がつけば相手を称え1つに団結します。
これでアメリカの大統領は4年間、変わることはありません。(不慮の事故がない限り)
それに比べ日本の首相は短命です。
いつも感じることですが、日本では首相になったその日から野党は引き摺り下ろそうとします。
首相にもいろいろ問題もあるでしょうが、同じ国会議員として支え、協力しようという姿勢が全く見られません。

229、オバマ氏勝利

2008年11月05日 | Weblog
「180、45年目の夢」で書きましたが、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が“I have a dream”と演説しましたが、黒人のオバマ氏がアメリカ合衆国第44代大統領に選出されました。
オバマ氏が大統領になったからといって人種差別的な考えが無くなるわけではありませんが、確実に“夢”に近づいています。
今回の選挙で多くの白人がオバマ氏を支持し、ブラッドリー効果も全く影響しませんでした。
45年前には想像できなかったもので、人種の壁を打ち破りました。
47歳の若さは、大統領就任時43歳だったジョン・F・ケネディ、46歳だったビル・クリントン両氏に続き、戦後では3番目に若い大統領になります。

228、いよいよ決戦

2008年11月04日 | Weblog
米大統領選の投票日(4日)になりました。
今回の大統領選の有権者登録数が史上最多の1億8000万人を突破しました。
ブッシュ以降の米国の方向を決める注目すべき選挙で、前回2004年の1億4200万人に比べ、4000万人以上の大幅増となり、空前の盛り上がりを見せています。
初の黒人大統領を目指す民主党のオバマ候補が支持率で優位を保っていますが共和党のマケイン候補の巻き返し成るか、4日深夜(日本時間5日昼ごろ)にも大勢が判明する見通しです。

日本の選挙では投票用紙(投票所の案内を兼ねたハガキ)が送られてきますが、アメリカでは住んでいる自治体で有権者登録(voter registration)をする必要があります。
大統領選に投票できるのは18歳以上の米国市民で、「民主党員」「共和党員」「無所属」などを選んで届け出をします。
有権者登録の大幅増は当日の投票率アップが予想され、戦後最高のケネディVSニクソン(1960年)の64.9%に迫るとみられています。
また、期日前投票も既に2300万人以上が済ませています。

 *大統領選に立候補できるのはアメリカ生れ、35歳以上、14年以上アメリカに居住。
  選挙権があるのはアメリカ生まれか帰化したアメリカ市民、18歳以上、有権者登録を済ませた人。
  有権者年齢が18歳以上になったのは1968年以降。



227、またもや悲劇

2008年11月03日 | Weblog
「225、銃購入者が急増」と書きましたが銃での事件がまた起きてしまいました。
10月31日の夜、サウスカロライナ州サムターで、ハロウィーンの習慣でお菓子をもらいに行った12歳の少年が強盗と間違えられ自動小銃で射殺されました。
22歳の男はドア越しに少なくとも29発の銃弾を乱射、少年は頭などを撃たれて死亡し、一緒にいた父親と弟(9歳)も負傷しました。
男は昨年強盗に押し入られて銃撃を受けたと話しています。
サムターは州都コロンビアの東約70キロに位置し、人口は約4万人で犯罪は比較的少ない町です。

ハロウィーンで思い出すのは1992年に起きた日本人留学生、服部剛丈(よしひろ)さん(16歳)が射殺された事件です。
ルイジアナ州バトンルージュで友人と一緒にハロウイーンパーティーに行き、家を間違え射殺されました。
番地の似たこの家の容疑者は剛丈さんたちを強盗と間違え、男性が「フリーズ(動くな)」と呼び止めましたが、動いた剛丈さんに発砲した、と供述しています。
「フリーズ」という言葉が話題になりました。
同じような悲劇はその後も続き、アメリカの古き良き伝統は危険なものになってしまいました。
私がニューヨークにいた頃、もらったお菓子にガラス片などが入っていて、それを食べた子供が怪我をした、という事件もありました。

最近日本でもハロウィーンを祝う習慣が広まってきました。
先日東京に行ったときハロウィーンの仮装をした子供たちに出会いました。
お菓子をもらいに家々を訪問していましたが、保護者が訪問先の住所録らしきものを見ながら家を探していました。
日本でも知らない家に行くのは危険で、予め決められた家を訪問しているようでした。
「55、かぼちゃ狩り」
「62、ハロウィーン」

226、やっと夏時間終る

2008年11月02日 | Weblog
枯葉舞う11月になってニューヨークは夏時間が終ります。
サマータイムについては何度か書いてきましたが2日の日曜日、夜2時(正式には3日の早朝)に時計の針を1時間戻します。
人々は日曜の夜、寝る前に時計を1時間戻して寝ます。
サマータイムが始まるときは1時間進めるので、間違えると月曜の朝は遅刻です。
終るときは1時間戻すので忘れても特に問題なく、1時間余分に寝られます。
開始日は1日が23時間、終了日は25時間になります。
3月9日に始まったサマータイムが8ヶ月近く続きました。
最も、アメリカではサマータイムと言わず、Daylight Saving(デイライトセービング)と言い、太陽の光を有効に利用しようとするものです。
「23、サマータイム」を参照

225、銃購入者が急増

2008年11月01日 | Weblog
景気低迷で消費が落ち込んでいるアメリカで、銃の販売が大幅に伸びているようです。
不景気による治安の悪化が懸念され、さらに民主党のオバマ候補が大統領になれば銃規制が強化されるのではないかと見られているからです。

私は銃には興味なかったので知りませんが、身分を証明するもの(運転免許証など)を見せ、犯罪歴が無ければ簡単に購入することが出来るようです。
日本人の友人は銃を買ったと言って見せてくれました。
トレードセンターで働いていたときのアメリカ人の同僚で元警察官はいつも上着の下に所持していました。
(元警察官には合法的に銃の携帯が認められている、と言っていました。)
彼は身体も大きく、映画「Witness(目撃者))」でハリソン・フォード演じる私服刑事ジョン・ブックのようでした。
ニューヨークのビルの中には射撃場が幾つもあり、いつでも実弾を撃つことが出来るようです。