ニューヨークの想い出

ニューヨーク生活20年間の想い出を書いていこうと思います。

1097、空と海から

2011年03月18日 | Weblog
17日、福島第1原子力発電所3号機の使用済み核燃料プールに向けて、空と陸から水を注入する冷却作戦が繰り広げられました。
午前、海水をくみ上げた自衛隊のヘリコプター2機が40分間に計4回上空から3号機に向けて投下しました。
夕方、警視庁第一機動隊の高圧放水車が3号機に向けて放水しましたが届きませんでした。
夜、自衛隊の特殊消防放水車5台が順次放水し、30トンの水が3号機に届きましたが、どの程度効果があったかわかりません。
放水した水でプールの水位が回復できなくても、霧状の水滴が燃料棒にかかるだけで熱を奪って蒸発し、燃料棒を冷やす効果が期待できるそうです。
真夏に庭に水をまいて涼を取る「打ち水」のようなものですが一時しのぎにすぎません。
これらの模様はアメリカをはじめ各国のテレビでも放送されました。
今回の事態は世界的に見ても初めてのことで、原子力発電所の事故に対して世界中が注目しています。

今回の事故で原子力発電所の仕組みが一般の人にも知られるようになりました。(少し)
使用済み核燃料が原子炉のすぐ横に保管され、水で冷やされていることも知りました。
素人考えですが、原子力発電を続けていけば使用済み核燃料がどんどん溜まっていくわけで、それを半永久的に水で冷やし続けることになります。(燃料処理工場に運び出すまで冷し続ける)
最新の技術を駆使した原子力発電所で最も原始的方法が行われているとは知りませんでした。
もっと良い方法はないものかと思ってしまいます。
原子力発電の危険を指摘する声も多くありますが、福島原発の事故によって電力不足が起こり、計画停電が行われ、電気の無い生活が如何に不便かも知りました。
ダム、化石燃料、原子力などによって電力が作られていて、大量の電力が使用されている現代社会ではこれからも増え続けるわけです。
脱ダム、脱化石燃料、反原子力発電を叫ぶだけではエネルギー問題は解決しないでしょう。
何十年後かに、これらに代わる安全なエネルギーが開発されるまで利用するしかありません。
安全に、効果的に使用したいものです。


警視庁の高圧放水車:暴徒化したデモ隊に向けて放たれる。
そういえば、学生運動が盛ん頃何度か見たことがあります。(テレビで)
自衛隊の特殊消防放水車:航空機事故などの火災で消化のため放たれる。
人に向ける水と、飛行機に向かって放たれる水の威力は違うようです。
上野写真は左からヘリによる放水、警視庁の高圧放水車、自衛隊の特殊消防放水車。