ウヰスキーのある風景

読む前に呑む

遺産は食い潰される

2012-09-08 | 雑記
先月の下旬。両親が上京してきた。

兄は都合があわず(あってほしくなかったので良い)、出来ちゃった婚になったという弟とは、嫁とその親御さんたちと会うという。だから、その日はこちらは遠慮してもらうとのことで、両親と三人で会ったわけだ。

兄がいたら焼肉に連れて行かれるところだった。まあ、その日行った店も大同小異でしかないといえばそうなるが。


さて、その時にお土産を貰った。


なんでも、道場六三郎が監修した梅干・・・が置いてあるお店の別の梅干だという。


和歌山の梅か。気が向いたら摘んでみよう、と、しばらく冷蔵庫に眠らせておいた。



話は変わってある日のこと。

駅前にある割烹で、締めにお茶漬けなんかを食べていた。中々美味い。刺身もてんぷらも滅法美味い店である。何故かサラダもある。

HPを見たら、キノコなんかを自分で取りに行ったりするそうな。最近は無農薬野菜をどうこうと書いていた。どうだったか確認し直していない。


ところで、お茶漬けは意外と奥が深い。だから、ちょっと高いのである。そういうところのは出汁をかけたりするが、その出汁の正体までは判らない(例:アミノ酸等)。しかし、くどい味はしなかった。


こうなったら自分で作ろうかと考え、家に米が無いくせに作って食べていたりしたのである。嗚呼、ひどいひどい。何がひどいって、スーパーの惣菜コーナーに置いてあるご飯を買って来てやっていたからである。


そこも問題だし、根本から色々と危ういのは措きたくないが措くとして、醤油を塗した刺身と薬味を乗っけて、出汁ではなく、熱い茶をかけて食らうわけだ。


で、以前から残っていた梅干があった。冒頭で親から貰ったものではない。まだ米を買っていたころ、といってもしばらく前だが、いつもの米屋で売っていたものである。原材料は余分なものが一切入っていない。とりあえず、書いてある分では。

お茶漬けに載せたりして、これが無くなったら親から貰った奴を食べていく、そうやろうと思っていたのだが、親から貰った梅干の箱には原材料が書かれていない。どうやら中を見ないことには判らないようだ。


というわけで開けてみたのだが・・・。甘い梅干のようで、色々入っている。漬け原料に還元水あめなんぞ入っている。甘味料にステビアというのはよく見るものだ。良いか悪いかは判らない。そして何故か酸味料。梅干は酸っぱくないとダメだからな!

さあ、ここまでツラツラ示せばお分かりになろう。調味料、と銘打たれた項目である。アミノ酸等:小麦由来と書かれていた。

へー、由来を示しているのか。ところで、アミノ酸等という名前。名前になっていない。ナナシノゴンベエである。そのくせ、由来が小麦とは示されている。まさかコムギコを振りかけたわけでもあるまい。

少々、やる必要もないのだが、味見をした。嗚呼、やはりこの均質な味わいは・・・味のなんとか!と、アジをしたくなる。叫ぶわけにもいかないので、ここで書いて声を出す代わりにしておく。



和歌山も、いつぞやの世界遺産登録がどうとかで、年々観光地として整備が進んできている。過疎地に引っ越す人は補助金が出たりするとかで、家も増えている。そして、あの梅干はそういう煽りを受けた、土産物屋のような、梅干専門の店から来たものである。

マネー至上主義ここに極まれり。今の環境が一番だとは思ってはいないが、和歌山から飛び出してきたのは成り行きかと思ったが、必然だったと言ったり書いたりしてしまう。

仮に、帰郷して居つくことになるとしたら、無人の野になったころだろうな、とは考えている。やったことないが、釣りでもして暮らしていることだろう。

南方熊楠の家の周りは住宅街になっているが、海もすぐそこである。当時の面影はもうないが、偲んでみてもいいかもしれない。


しかし、この先は、もっと不毛になっているのだろうとも考えられる。人がいなくなるほど酷くなるから?自然破壊が過ぎればそうだろう。

それよりも、人が多くなっていくことのほうが遥かに不毛になるだろう。誰が好き好んで不毛な人付き合いをしようものか。そして自然破壊に拍車が掛かり、本当の不毛の半島(「北」のことではない)になるわけだ。


まったくの無人も困ろうが、ニンゲンをただ寄せ集めるのはもっといただけない。やはり無人島にでも行くしかないようである。まあ、流石に一人だけでは辛いかもしれないが。では、また。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿