遡ること三日前の朝である。
夜勤が終わり、さて着替えるかとロッカーを開け、カバンという名の風呂敷を漁り、ケータイを取り出す。着替えを出すついでである。
普段なら、毎朝届く、その日の天気のアドバイスを書いたメールがあるだけなのだが(なかばアラーム代わりである。パケット代は無視する)、電話二件のメール二件という状況。
なんだこれはと開いてみれば、母親からのものだった。
電話二件はどちらも一分からという。かけすぎである。諦めて送ってきたメールはなんなのかというと、「家の近くまで来たけど、今家にいる?」というもの。
どんな急用かと。まさか結婚式に出ろと説得しに来たわけじゃあるまいな?と思ったが違った。
「今日が夜勤明けでよかったな。ちゃんと確認しておかなかったら、もし朝からの仕事だったら完全にすれ違ってたぞ」とちょっと説教しておいた。
余談だが、他の予定もアポなしでの突撃だったので、空振りだったらしい。細かいことは書いても意味がないので割愛するが、一言で済むので敢えて。
センキョ、である。
会って、「何用か」と問えば、「用事があってこっちに来たから、ついでに来た」という。
いきなり前日に夜行バスに乗ってやってきたという。その体力、みなら・・・いたいが目指す先ではないので辞めておく。
予定はないそうなので(その上日帰りのつもりだとか)、昼飯を食べることにした。
無駄に仏心を出してしまうので、昼飯の後は動物園に行くことにもしてあった。
それはさておき。
いつぞやの鰻や。
そこに連れて行った。
小上がりで飲んだり食べたり(飲んだのは自分だけ)していると、常連らしい客が来て、若女将(アメリカ人)に蛇の目、つまり和傘をプレゼントしていた。
何かの不良在庫らしく、ただ同然で持ってきたというような話をしていた。着物に似合うから是非などと。ちなみに、件の若女将(アメリカ人)はいつも着物で店に出ている。
ほお、こりゃいいな、と思って帰り際、レジに立つ若女将(アメリカ人)に「いいですね、あの傘。僕もああいうの欲しいですねぇ」などと言ってみた。
特に何か返ってくるとは考えず、言ってみれば「いい天気ですね」ぐらいのつもりである。
まかり間違えて「月が綺麗ですね」と言おうものなら、「昼ですよ?」と来ただろうが、それは措く。
期せずしてこう返ってきた。「お似合いですよ」と。
一瞬我が耳を疑った。酔っているから引っくり返っているのかもしれない。
ではなく。
若女将(略)が続けて、「着物で歩かれていませんでしたか?」という。英語ではなく、流暢な日本語である。ご安心を。
「ええ、基本的に夜ですが、たまーに昼間も歩いてる時がありますよ」
「写真に写られてましたね。それを見たんですよ」などという。
どこの写真かは結局判らない。もしかしたらポスター貼っている二件のどちらかに行ったのかと思ったが、今のところ不明である。(後述するが、片方はなかった)
ポスターではなく、沖縄そば「和」のイベント写った時のものが公開されたとか、たまに「一緒に!」とか「撮らせて!」というのがあったので、その繋がりかもしれない。
でなけりゃ勘違いだろうが、初対面ならともかく、何度か顔を見ているので、間違いでもない気がする。
妙な縁(他の客から手紙をもらったり)のある鰻やである。
それから、母親にユキヒョウを見せに行って、茶を飲んで駅で分かれた。
単に子供の顔を見に来ただけのようである。後は、子育ての時の環境やら心境を述懐していた。「もう少しこうできたかもなぁ」という風である。
何事かは感じているようである。そういえば、「子供には、自分の親から受けたものしか渡せんのや」という風なことを言っていた。
そこでながされちゃぁおしめぇよ!と、言っても仕方がなかったが、理解しなかった。
帰り、鰻やの話が気になったのと、動物園で小一時間ほど昼寝をしたので眠くなくなったのでもう一杯ということで、染井に行って確認してみたが、「いたかなぁ」と首をかしげていた。
どうやらここでポスターを見た、というわけではなかったようだ。でなけりゃ営業トークだな。
鰻やで掴み処のない話を聞いてしまうとは。鰻も鰻冥利に尽きるものよ。食われてしまったが。
そんな掴み処のないというより掴む気のない酔っ払いだが、次のラヂヲの予定は掴んでおいたので、お報せする。
新生ウヰスキーの時間は、来る六月二日に公開予定である。何時、とは言わない。いつもの調子だったら二日の深夜から三日の早朝とかいうのを指すかもしれないが、ともかく六月二日ということで。
では、また。
夜勤が終わり、さて着替えるかとロッカーを開け、カバンという名の風呂敷を漁り、ケータイを取り出す。着替えを出すついでである。
普段なら、毎朝届く、その日の天気のアドバイスを書いたメールがあるだけなのだが(なかばアラーム代わりである。パケット代は無視する)、電話二件のメール二件という状況。
なんだこれはと開いてみれば、母親からのものだった。
電話二件はどちらも一分からという。かけすぎである。諦めて送ってきたメールはなんなのかというと、「家の近くまで来たけど、今家にいる?」というもの。
どんな急用かと。まさか結婚式に出ろと説得しに来たわけじゃあるまいな?と思ったが違った。
「今日が夜勤明けでよかったな。ちゃんと確認しておかなかったら、もし朝からの仕事だったら完全にすれ違ってたぞ」とちょっと説教しておいた。
余談だが、他の予定もアポなしでの突撃だったので、空振りだったらしい。細かいことは書いても意味がないので割愛するが、一言で済むので敢えて。
センキョ、である。
会って、「何用か」と問えば、「用事があってこっちに来たから、ついでに来た」という。
いきなり前日に夜行バスに乗ってやってきたという。その体力、みなら・・・いたいが目指す先ではないので辞めておく。
予定はないそうなので(その上日帰りのつもりだとか)、昼飯を食べることにした。
無駄に仏心を出してしまうので、昼飯の後は動物園に行くことにもしてあった。
それはさておき。
いつぞやの鰻や。
そこに連れて行った。
小上がりで飲んだり食べたり(飲んだのは自分だけ)していると、常連らしい客が来て、若女将(アメリカ人)に蛇の目、つまり和傘をプレゼントしていた。
何かの不良在庫らしく、ただ同然で持ってきたというような話をしていた。着物に似合うから是非などと。ちなみに、件の若女将(アメリカ人)はいつも着物で店に出ている。
ほお、こりゃいいな、と思って帰り際、レジに立つ若女将(アメリカ人)に「いいですね、あの傘。僕もああいうの欲しいですねぇ」などと言ってみた。
特に何か返ってくるとは考えず、言ってみれば「いい天気ですね」ぐらいのつもりである。
まかり間違えて「月が綺麗ですね」と言おうものなら、「昼ですよ?」と来ただろうが、それは措く。
期せずしてこう返ってきた。「お似合いですよ」と。
一瞬我が耳を疑った。酔っているから引っくり返っているのかもしれない。
ではなく。
若女将(略)が続けて、「着物で歩かれていませんでしたか?」という。英語ではなく、流暢な日本語である。ご安心を。
「ええ、基本的に夜ですが、たまーに昼間も歩いてる時がありますよ」
「写真に写られてましたね。それを見たんですよ」などという。
どこの写真かは結局判らない。もしかしたらポスター貼っている二件のどちらかに行ったのかと思ったが、今のところ不明である。(後述するが、片方はなかった)
ポスターではなく、沖縄そば「和」のイベント写った時のものが公開されたとか、たまに「一緒に!」とか「撮らせて!」というのがあったので、その繋がりかもしれない。
でなけりゃ勘違いだろうが、初対面ならともかく、何度か顔を見ているので、間違いでもない気がする。
妙な縁(他の客から手紙をもらったり)のある鰻やである。
それから、母親にユキヒョウを見せに行って、茶を飲んで駅で分かれた。
単に子供の顔を見に来ただけのようである。後は、子育ての時の環境やら心境を述懐していた。「もう少しこうできたかもなぁ」という風である。
何事かは感じているようである。そういえば、「子供には、自分の親から受けたものしか渡せんのや」という風なことを言っていた。
そこでながされちゃぁおしめぇよ!と、言っても仕方がなかったが、理解しなかった。
帰り、鰻やの話が気になったのと、動物園で小一時間ほど昼寝をしたので眠くなくなったのでもう一杯ということで、染井に行って確認してみたが、「いたかなぁ」と首をかしげていた。
どうやらここでポスターを見た、というわけではなかったようだ。でなけりゃ営業トークだな。
鰻やで掴み処のない話を聞いてしまうとは。鰻も鰻冥利に尽きるものよ。食われてしまったが。
そんな掴み処のないというより掴む気のない酔っ払いだが、次のラヂヲの予定は掴んでおいたので、お報せする。
新生ウヰスキーの時間は、来る六月二日に公開予定である。何時、とは言わない。いつもの調子だったら二日の深夜から三日の早朝とかいうのを指すかもしれないが、ともかく六月二日ということで。
では、また。