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「無知」は力

2012-11-26 | 雑記
よく書いて喋ったことだが、我が家は某・・・やめだ。創価学会の家である。


別に創価が公式に反天皇制だとかを唱えているわけではないようだが、詳しくは知らない。


ただ、貧乏人の集まりではあるので、金持ちに対しては何かコンプレックスをを抱いているところはあるのだろう。

だから、時折、天皇がテレビに映ると、決まって父親はこういうのである。

「あいつら金持ちやから庶民のことはわからんのや」と。


ついでに、父親は創価の口ぶりで、日本的なものは何でも否定する癖がある。日本的、というか日本にあるものというべきか。そのくせ、彼らがよく褒められる(らしい)のは実に日本人的なものだったりする。

たしかに、現代の日本もどきについては当たっている。親父が考えたのかはしらんが。

外国人を排斥したがるような島国根性と言っておきながら、アメリカの人種差別がとてつもなく酷いことを知らず、「人権の進んだ国だから今は解決されているんだろう?」と臆面もなくほざくが。
(「池田の大ちゃんはキング牧師と並び称されている」とかいう、新聞と大ちゃんの法螺話(実態はともかく、そういう話はあるそうだが)以上のことは何一つ知らない)

これは以前書いた話だが、こうもいう。

三年前だったかに帰省したとき、たまたまテレビを見ていた。江戸幕府の都市計画は風水に沿ってなされている、という話だった。

「昔の人は無知だったから、何もわからんのよ」と。いつもこういうのである。

こちらは激怒して「今と昔の基準は違うだろうが!」と吼えたら、「そ、そうか・・・」と萎れてしまった。


もっと正確に言うべきだったなと、当時にも記した。

数百年もしたら、「昔の人は石油で車なんか動かして、効率の悪い電灯なんかつかってたんだって」「昔の人は無知だから以下略」と、ある親子の会話があってもおかしくない。

父親にも大ちゃんにも、数百年はおろか来年のことも見通せないような気がする(大ちゃんはろくでもない未来を作る側にいるようだからある意味「見通している」だろう)。



さて、昔の人を無知だという我々は、果たしてその反対にあるのだろうか。そんなわけがなかったようだ。

しかし、今回は冒頭の父親のセリフに完敗である。オーウェル的に言うとおかしいが、「無知は力」といえなくもない。


昨日、Beyond 5 Sensesに新着記事がアップされた。

先日の、太田龍の講演テープを書き起こして動画にした紹介記事の追加というわけだ。

内容は読んでもらいたい。



一部抜粋して、感じたことを。

こうした不自然さが、「天皇だから」という理由で、すべて打ち消されてきたのである。天皇だから、常人の想像の範囲を超えているのだ、大御心をあれこれと忖度すべきではないと。まったく「私」というもののない日々を送っているのだから庶民とは違って当然なんだと。それで、裕仁が語ったならば、ありきたりのつまらない言葉でも、「ありがたい御言葉」になるわけだ。

だが、裕仁から「天皇」という権威を除去したなら、何が残るのだ?

そう、すべては「天皇」という想念が醸し出したイリュージョンなのである。そしてその想念を送っているのは、戦前ならば教育勅語と軍人勅諭で、戦後ならば週刊誌とワイドショーで洗脳されてきた一般民衆なのである。



しばらく前まで、父親の口ぶりがあまりにもバカバカしかったので、池田イリュージョンから天皇イリュージョンに移っていた。間抜けな話である。

というものの、負け惜しみのようでもあるが、そこはかとなく、無理をしているのではないか、という気持ちもあった。


「無知は力」だが、それは「幻を打ち破ってこそ」である。そのための無知である。言ってしまえば、何も知らない子供の方が賢い。

しかし、イリュージョンの只中にいるのだから、それを抜け出すために幻であることを知る必要がある、という意味では「無知」ではいけないのが難儀では有る。


ある意味、父親の「無知っぷり」は正しかった。「親の心、子知らず」とはいうが、その心はバカバカしいので、負けたのはセリフにだけである。


冒頭の父親のセリフ「あいつら金持ちやから庶民のことはわからんのや」は、全てのイリュージョンに向けて発してこそ、といえよう。


というわけで、記事の内容(天皇はアスペルガーで人間の心情は理解できなかった)からは少々離れるが、常識というイリュージョンに向かってこう唱えるべし。


「あいつらキチガイやから人間のことはわからんのや」



ただイリュージョンに振り回される人類が作り上げ、そして「無知なる」者どもを巻き込んできた。そして、巻き込まれた者は「無知なる」者を「有知」に、イリュージョンの虜囚へと作り変える。

それを狂気の沙汰と言わずしてなんと言おう。努々この真言を忘るることなかれ。では、また。

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