ウヰスキーのある風景

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妨害電波による、ありふれた事案

2017-02-22 | 雑記
先日は、「着物から妨害電波が発生しており、他人の認識をおかしくしている」という大発見をした、という記事を書いた。

一般人なのに、サインくださいとか、普通じゃない。そうやって普通じゃない状態にしてしまうに違いないと睨んだのである。

それにしては、まったく関係ない話を延々していたが、そこは忘れてもらおう。

さて、ここまでまったく冗談だが、妨害電波に違いない、という冗談で続ける。

どこまで冗談で、どこからが冗談でないか、というと、サインをねだられたのは実話である。

書いてくれ!と詰め寄られたわけではないのだが、そんな発言が飛び出すことが不思議でならなかった、というわけだ。ちなみに、その女性の方は飲んでいなかった。

その着物ジャミング効果、略してKJEの効果は、着物を着ていなくても、もはや強烈な静電気を帯びたかのような、否!例えが悪いが、体内に取り込まれた放射性物質よろしく、我が身から放出され、他者を蝕んでいるに違いないのだ!

そのような事案をいくつかご紹介する・・・。事実は小説よりも奇なり!


仕事場の社長が、入れ替わり、人事に異動があった。大本の経営会社からの社長で、現場に人手が足りないと聞いたら、自分が元からいた所の社員を二名ほど連れてきた。
そのうちの一名はアルバイトとして編入された。仕事の覚えが速く、物腰の良い紳士であった。こちらより二廻りほど年上である。

その件の紳士と夜勤の折り、休憩時間には少し早いが、個人的な調べ物をしようと、ロッカーから本を持ち出し、PCの前に座った。

すると、こう尋ねられた。

「安生さんは、他にお仕事を何かされてるんですか?」

こちらもアルバイトなのは既知の事であったので、別に何もやってないと答えると、さらに言う。

「いや、文筆家かなにかかと。そんな雰囲気がしたもので」

などといわれる。

「いやぁ、顔がやつれてるから、芥川龍之介みたいな顔かもしれませんね」

などと答えておいた。

これはきっと、KJEによるものだ!と、今になって思う。

ブンピツはしてるかもしれない。妨害電波を分泌しているのである。分泌ではなく、放射というところだろうが。


さて、他にも続けてまいる。

このKJEの効果は凄まじく、純真な子供の心までかき乱している。近所に学校があるので、わしはきっと、石もて追われるに違いない。

何年か前、夕方くらいだったが、着物で外にいた。すぐ隣に猟犬が飼われてる牢獄のような小屋があり、そこに行こうとしてたか、そこを出た後だろうか。

下校の時刻だったのだろう、女の子が一人、歩いてくる。途中で曲がるか、わしの傍らを過ぎていくのだろう。

そのあたりの記憶は曖昧だが、ともかく、近くまで来ていた。そして、「こんにちは」と言って通り過ぎた。

細菌の、じゃなくて最近の学校では、怪しげな人に会ったら、先に挨拶するように教えているらしいが、やはり怪しかったのであろう、仕方あるまい。
それに、マントで歩いていたら、近所の男の子供に、「カンタロウ!」などといわれたこともあった。

からかわれていることよりも、「なんで、お前らがそれを知っている!?」という疑問のほうが大きかった。これもきっと以下略!

さて、話を戻す。

背丈に歴然の差のある上に一人で、マントを羽織った謎の人物に対しての態度としては普通だろう、と思ったものだった。

さて、わしが普段、仕事に行くときに歩く道は通学路らしく、子供達が各々つるんでいる奴らとまとまって歩いていく姿を見受ける。

そしてまたある日・・・。今度は洋装でその下校の集団の横を歩いていた。

すると、「こんにちは!」の集中砲火を浴びた、ということではなく、数人くらいいたと思うが、女の子の一群の傍らを通り過ぎたときである。

そこで、その中の一人が「こんにちは」と言ってきた。

反射的にそっちの方を見て、こちらも「こんにちは」と返したが、暗がりで出くわしてびっくりしたように言ったわけではなかった。その時は「こんばんは」である。そんなこともあったが、それは別の話。

はて?どこかで見たことあるような?と思ったら、上記の一人ですれ違ったときに挨拶してきた子であった。

先週だったかも、それと思しき女の子が挨拶をしてきた。通勤中のわしは、こっちもよく存じ上げている人間以外にはひどく無表情にしか反応しないのだが、それでも見かけると声をかけてくるようである。

不審者だと認識されていたら、他の子供も一斉に「こんにちは」である。ある意味、有名人だが、そんな有名人にはなりたくない。

これはどう介錯、ではなく、解釈すればいいのかはわからないが、KJEのせいには違いない!とすることにした。

※これも推測だがかなり正確であろうことを述べると、昔、着物で出歩き始めたころ、馴染みの近所の沖縄料理屋で飲んでたとき、子供連れの母親がいて、少々おしゃべりをした覚えがある。そのお子さんの内に女の子がいたので、その子ではないかと思われるが、確認は取れていない。
まさか、挨拶されたときにスッと近づいて「どこかであったっけ?」などと言ったら子供を傷つけるかもしれないし、古いマフィアみたいな格好したおっさんが女の子に急に近づいたという事で、事案になりかねぬ。

KJEの効果に、実際の身長より高く見える、というものあるらしい。ハットと靴を合わせたらそう見えるのかもしれないが、かつてハットもなく、多少底の厚い靴も履いてない時、実際の数値を伝えていたにも関わらず、サイズ合わせの際に「もっと高いと思ってた」といわれたことがあった。これは、きっと態度がでかいのだろう。


恐るべしKJE!これならきっと世界を手中にできる!


着物ですら、こんな芸当が出切るのである。人外と言える存在はもっと上手くやっているらしい。

やっているけどたまにポロっと出てしまう、などというのは、例えばイングランドの女王の話なんかが最近では有名であろう。


なんだか気に入ったスピ系ブログの、『空色ノート』というところがある。つい最近の更新では、日本のもうなくなった村で行われた火葬の際の出来事の話が載っていた。

詳しくはそちらを見ていただくとして、内容を簡単に書く。

その村は、火葬の際は野焼きみたいな感じで、外で焼く。キャンプファイヤーにご遺体をぶち込むのだと思えばいい。

さて、ある村人が逝去され、火葬することになった。その村人は、残虐非道な、人なのか疑われるくらいの気性で、「鬼」なんぞと呼ばれていたぐらいの鬼女であったそうな。

焼き始めてしばらくすると、首の辺りが持ち上がってきた。村人がその持ち上がった焼けた首のほう見ると、その頭部には角と思しきものが生えていたらしい。
慌てて坊さんにお経読んでもらって、骨も徹底的に焼いて跡形もなくしたとのこと。

その離村した村人が年に一、二回ほど集まって飲み会をするのだが、じいさんばあさんがそんなこといってた、という話を聞いて書き込まれたものだそうな。

死ぬまで姿だけはボロを出さなかった人もいれば、ボロを出しまくりの存在もいる。これはきっとKJEの仕業!


着物を着て出歩き始めてすぐくらいだったと思われる。今は辞めていなくなったバーの店長が、言っていた。

「この間、ツイッターで『ここ(本当は地名が書かれている)にブ○ーチのコスプレしてる人がいる!』って書かれてたよ・・・」と。

当時のわしは流石に憮然としたものである。だが、KJEの存在と、人の姿を纏っている存在がそこらにいることを考え合わせると・・・。一つの答えにたどり着いた。

そいつは、節穴が人間のコスプレしてるんだなと。

節穴が人間のコスプレしてるなんて、実にありふれた話ではないか、と思うのである。

KJEもたまには役に立つようだ。ありがたやありがたや。


では、よき終末を。