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痴はカンカンたり

2017-02-05 | 雑記
折に触れて、誰かの悪口を書き綴ってきた。
普段は思い出さないし、思い出す必要もないので忘れていたくらいだが、つい思い出してしまった、というところか。
いつもなら、デーヴィッド・アイクの著作等を翻訳していたこともあった、おっさん。
今回もう一つは、以前知り合ったことのあった女性。
因果なもので、両方のことをまとめて、そして絡めて思考を巡らすという面倒なことになった。
分かりやすく、下段の一般女性の方から書くとする。

ある日、知り合ったお店の改装前パーティーの時、その友人を挟む形でカウンターに席を占めていた。
その友人と女性が話している状態で、こっちは一人である。聞くともなしに聞こえてくる。「男ってバカよ」などと、しきりに繰り返す声が。
この話は昔やったかもしれない。取るに足らない、よくある話である。

男がバカかどうかなんぞはどうでもよいが、バカを貶したところで、女性たるその人物の株があがろうはずもない。
そもそも、バカと見下す存在ならば、次元が違おうもの。バカを証明したところで虚しいだけではないか、などと思ったりした。当時ではないが。

酔っていたので単なる愚痴だったのだろうが、そんな愚痴が出る理由に思い当たる節がある。恐らく、わし自身も絡んでいるのだろうが。
知り合った当時、その女性は、結婚を申し込まれていた男性がいたそうな。
その女性から一目ぼれしたとかいっていた。で、なんやかんやで嫌になった、という風に語っていた。
あまり思い出したくもないのだが、その女性から「好きになりかけたのよ!・・・でもだめだった」という、反応に困る言葉を頂いたこともある。要するに付き合えないと。こっちは何も言ってないのだが。

初めて会った時に、和装で颯爽と現れ(遅刻したけど)、趣味にも多少知識があったりで、何かひかれたのだろう。ちなみに、わしゃなんとも思ってなかった。今思えば、初対面の市内のイベントで街中を歩いているとき、途中で雰囲気が違ってきたような気もしないでもないが。
と、自慢のような変な話をしても仕方ない。自慢にもならんか。言い訳してるようにも聞こえようし。

その女性が男性にひかれる理由は恐らく、自分を変えてくれると期待できる存在を探しているのだと思われる。白馬の王子様を待っているわけだ。
一目ぼれして付き合っていたのに、結婚を申し込まれる段になると嫌になったりだとか、上記のわしの件からの推測ではある。わしがダメな理由は恐らく、所謂まともな生活をしてないから、というのがあろう。それ以外もあろうが、どうでもいい。
勝手に見上げて、勝手に幻滅し、「男ってバカ」と言い募る。最初から最後まで幻を追いかけていたというのに。さて、バカは誰であろうか?
まあ、一般女性の悪口はここまで。今も思考回路が同じなら、幻を追いかけていような。
風の噂によると、声優のイベントに通ったりしているそうな。ここまで書くと追い討ちがすぎるかな。

では、それとあのおっさんに何の関係があるのか?
別の意味で関係はあるといえばあるのだが、今回は発言の内容である。
あっちが「男はバカ」である。それならば?
そう。「人はバカ」である。
世を取り巻く陰謀とやらに気づいて、情報を発信したはいいものの、反応が芳しくなく、業を煮やして、「人間社会から離れます」とのことで自給自足の生活を始めた。
離れたら離れたで、結局HPをまた運営してはいる。健康的で地球と共にある生活のために、以前翻訳して出版した自著なんかの宣伝はしていたりする。再出版要請の票集めページを載せてたかな。
詳細は昔書いたが、表では基本、直接的な表現はしてなかったと思うが、裏で「人口削減の陰謀に皮肉な賛同をする」などと掲げた集まりを運営していた。
以前のHPを運営していた当初からかは知らんが、「人はバカだ」と言っているわけだ。
次元が違うのなら、バカにしたところで勝負にならん。勝っていたとして虚しいだけである。それは前述の通り。
最初から他人なんぞ思惑になければ、あの様な間抜けなスローガンなんぞ掲げぬ。さらに、「最早日本人は救いようがないので滅ぶのもやむなし」などと、わざわざぬかす始末。

勝手に見上げ、勝手に幻滅し、「人ってバカ」と言い募る。お迎えは白馬でなく、蒼白の馬がお似合いである。
世の人々が操られているというのなら、金持ちになるとかで大成功でもして、多数の人を唆せるようになるのが一番だったろうが、何故かしなかった。出来なかった、かもしれない。とはいえ、講演を頼まれたこともあったそうだが。
性欲は良くも悪くもエネルギー(そもそも、エネルギーと呼べるものから出ていないものはないので、これ自体間抜けな表現である)、だとかいうのなら、その有り余るエネルギーを直接行使しうる舞台に持っていけばよかったろうに、などと思う。

誰が広めているのかは知らんが、自給自足を!というのは最近、広がりつつある政治思潮である。
自然、というより森に囲まれた生活で自給自足、とかいうのは、ニューエイジにも繋がりうるので、出所はその陰謀組織と同じではないかと思うのだが、何故かそうは考えないようだ。両面から人心を揺さぶりに掛けるのが常ではなかったのか。
書きながら思い出したが、地球の環境汚染は実は全然大したことがないかもしれない、という研究報告もあったらしい。実際にすぐ上流で毒を流されて被害を被っているだとかはあるとしても、だ。そういう、スポンサーを困らせない、スポンサー好みの環境汚染の話はテレビでも大盛況であるならば、やはり、昨今流行の政治思潮には全面的に賛成できるものではない。

などと、思い至ったわけである。以前述べたことと大同小異ではある。

この流れを眺めて、悦に浸った、というわけではない。
誰も彼も、わし自身も、大なり小なり、「バカ」に過ぎないのだなと、笑えて来ただけである。
「バカと言ったほうがバカ」と、子供の言い草があるが、そんな気分である。
バカと言われたら、「よくわかったな。お前は天才だな」と返すのが一番である。

知は閑閑たり、小知は間間たり、という言葉がある。
正しい智恵を持つものは悠々としていて、そうでないものはせかせかしている、といった意味である。
さしずめ、あの時あのおっさんはわしを見て、カンカンになったというところであろう、などと思うのである。
では、よき終末を。