ウヰスキーのある風景

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語り草のゴジラ

2012-09-22 | 雑記
先日、仕事場のある人がこう語る。

「休みに実家で寝ていたら、ダニが多かったせいか、噛まれて痒い」と、奥に引っ込んでクスリを塗りに行って戻ってきた時に。


「なら、掻けばいい」と笑いながらいえば、「それはない」と、向こうも笑いながらいう。


真面目なことを真面目に語らないのはこちらの癖であり、故山本夏彦の言い草が気に入っているからでもある。

曰く「真面目な顔をして真面目なことを語るのは失礼だ」と。ラジオはそのつもりでやろうとしているが、なっているかは判らない。とりあえず、文章を書くと、大体はその遺訓に背いている気がしてならないが、考えすぎたところで変わらないので、思いついたらにする。


さて、話を戻す。


何も冗談で「掻くがよい」と言ったわけではない。もっと冗談めかして言うならこうだろう。「この世界とやらのために、どんどん塗りなさい」などと。どこが冗談か判らない人のほうが多かろうが。


以前、ちえんてんさんのブログ「アレルギーからもらったもの」で、蚊の話をしていた。昔、彼女やその御母堂は、噛まれるとひどく痒くなり、長引いたりしていたそうだ。


そして、野口整体の師匠はこう語ったとある。そのまま引用してみよう。

「虫に刺されるのも刺される必要があるから。あなたの体の他でも無くまさにその場所を刺して、腫らせて、掻かせて、その場所にある不必要な体液を流させて身体のお掃除をさせる必要があるから、虫が刺してくれるんですよ」


しきりに虫刺され薬のCMは「掻くな」と連呼する。金儲けでやっている彼ら(製薬会社)の言い分が実に都合のいいところだけを取り出している、などと、最初から理解しない、ではなくしようともしないニンゲンに語り聞かせる気はないが、余りにも酷いのでなければ、わしは「掻くがよい」と申し述べることにする。


その蚊の話自体にも思うところがあったのだが、気になったのはその時のちえんてんさんの記事にしたコメント及び当時考えていたことだった。


ある農家の方が語るには、虫がついて作物の根を食べたり葉を齧ったりするのは、それらは「ニンゲンが食べてはいけないものだから、食べて浄化してくれているんだ」と。

上記の蚊は毒を出す切欠ではあろうが、何か似ている。第一、蚊は血を吸って持って帰るのだから。


となると、毒だらけの作物やら肉(肉がどう育てられてようが関係ない)を食らい続け、そしてこれまた毒だらけの生活(洗剤やら)を、理解せずに繰り返す存在。

そうか、「ニンゲンは羽虫だったのか」と、コメントをしてから思ったのであった。


我ながら非道なことを考えるナァ、と感慨に耽っていたら、その後、同じようなことをBeyond 5 Sensesに書かれていた。やはり、わしごときが考えるようなことは皆思い至るのだなぁ、などとこれまた感慨に耽りそうになったので、酒を飲んでは「羽虫」の気分を味わってみたりしたものだった。あちらは雑草についての話である。雑草の役目というのは、「地球の表面をきれいにするために」あるという。
その辺りは記事でご紹介されているリンク先のお話を聞くなどしていただくとする。


話は変わる。

子供の頃だったか、「わしぐらいが考えることは皆思いついたり辿ったり感じたりしているはずであろう」と、漠然と感じていた。

ライヒがいうところの神経症的な思考なのかどうかは不明だが、「そんなことも知らんのか?」という見下した考えが大きかったものではなかったと思う。


必ずしもそういうわけではないというのを、単純な知識などで「子供の頃の思い過ごしだったか」とは気付く機会はあったのだが、どことなく今もあった。


先日、すぐ近くの美容院で髪を切った。

よくいく沖縄ソバの常連さんがやっているお店で、奥さんの方と子供さんとは何度か店や他のイベントで会った事がある。


バカみたいに髪の毛が伸びていたが、切ろうとしなかった。理由は単純である。「切りたくない」である。

「切れ」と言われれば余計に切りたくなくなる。そこは野口晴哉を見習って上手いこと誘導しなくてはならないゾ!と、文句を言われながらそんな不敵なことを考えていた。

さすがに煩いから切ることにしたのだが、もう一つ、切りに行きたくない理由は、「髪を種々のものでいじられること」がある。

シャンプーもそうだし、整髪剤もだ。経皮毒って知ってるか?などといわんぞ。

ついでに、案外伸びた状態が似合っているのと、帽子で抑えて髪形作りやすいというのもあった。


ま、仕方ない。顔なじみにいじってもらうかと、出かけてきた。


髪を切るのは旦那さんのほうである。お店の名前は聞き慣れない言葉だと思ったら、沖縄の言葉だそうな。これはお店のブログで読んだ。



さて、旦那さん、時折咳がひどく出る。こちらは「調子が悪いんだな」と思ったので気にしなかったのだが、向こうが気にしているので、前もって断ってきた。


花粉症だそうな。へぇ、今はなんの花粉なんで?と聞けば、たしか「ブタクサ」と言っていた気がする。話の草には丁度よい。そもそも、会話は初めてだが、向こうはこちらが「着物でキセルの人」とは知っていた。


(TVで言ってた話をわざと)花粉症にゃ、ヨーグルトやら杜仲茶が効くみたい、だなどと。

ついでに、お勧めしないが、一週間断食という手もあるなんていうのも話した。

一週間断食はこちらは試していないが、別の目的で試していた人が「治った」という話がある。


そして極めつけというほどではないが、こちらの実体験も含めて、こう伝えた。

「肉減らせばいいですよ」と。


こちらも、なるべく食わないようにしていたら、数ヶ月で左手の甲の荒れは消えてなくなり、今も荒れることはなくなったし、今年も春先は花粉症の症状がでなかった。と。


すると旦那さん。

「いやぁ、聞く分にはいいんですけど、やるとなると・・・。肉食べたいし」と。

「まあしょうがないですねぇ」と、笑ってその話は終わることにした。


やはり、「わしが考えたり感じたりすることは皆すでに通ったものだった」というのは思い違いだったのだナァと、感慨も一入である。


ついでに。この夏はたまに噛まれるが、数回掻いたら忘れる。ダニもわんさかいそうな干していない茣蓙の上で寝ているが、ダニと共存しているのか、なんともなかった。

昼間寝転がって茣蓙の上を凝視すると、ダニらしい小さな虫がノソノソ歩いていく。可愛らしい。可愛らしい、じゃないが。

そういえば、幼少の頃にゴジラの玩具(塩ビの人形だろうか)を可愛がっていた女性の話を聞いたものである。首と尻尾にリボンをつけて、「可愛い」と言ってはいつも抱いていたそうな。

あのゴジラの顔もそういえば可愛らしいなぁと思うが、これはまったくもって余計な話である。


ゴジラは措くとして、じゃあ何を食えばいいのかと。


これがいいから食え、では理解は半端。というわけで、こちらを見ていただこう。


何の捻りもなくて申し訳ないが、きみしぐれさんが「大きなネズミ」のことを紹介している。

大きなネズミって「カピバラ」か?そんな暢気な話ではない。いや、カピバラは世界で最大級のネズミではあるが。「3ヶ月目と4ヶ月目の違い


ゴジラは核の影響で巨大化した爬虫類か何かという設定だったと記憶している。つまり、全身是腫瘍と化したわけである。

仙人もわざと「雑草」の生活をどっぷりと続けて、ゴジラになろうかと真剣に悩むところであるが、そうなったら暴れるだけ暴れて終わっったら(消えてなくなったら)マスコットになり、そしてリボンをつけられることになるだろう。
それもいいが、目指すところではない。「ゴジラ」は腹の中に仕込むだけにしておく。では、また。