ウヰスキーのある風景

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秋の夜長を

2012-09-21 | 雑記
よく歩く商店街の園芸店をふと眺めてみたら、変わった草が置いてあった。


覗き込んでいたら、店のおばさんが笑いながら出てきてこういう。

「ほんとに光るか見てないからわかんないよ」と。

「へー、じゃあ試しに買ってみようかね」などと答えたら、ちょっとオマケするといって、八十円引いて五百万円と、懐かしいことを言っていた。



名前は「セラギネラ」。「ヒカリゴケ」と()で隣に書かれている。文字通り、暗いところで緑色に光る、と、タグに書いてある。


伊勢屋のおばちゃんに帰りに見せたら、「ニンジンの葉っぱに似てる」と言っていた。食べていいとは思えないが、多分、パセリの代わりにはなりそうもないだろう。


というわけで、我が家にやってきた緑色の怪しい奴をご覧戴く。





これから夜になって、光るかどうかを確認しようかと考えている。まあ、風呂場は電気を点けなければ暗いのだが、夜に見てこそである。そして伴奏は秋の虫のオーケストラ。





買ってから気付いたのだが(ほんのり酔っていたのはあまり関係ない)、「五百円」だと。値引きしてもらったとはいえ、なんだこの因縁めいた数字は。


そう!ついに仙人は愉気やら活元運動を共にする相手が見つからないことに業を煮やし、一足先に植物界へ旅立つ決意をしたのである・・・。



姿が見えなくなったと思ったら、実は道端の苔になっていたというわけである・・・。和装で酒を飲んでいる姿は仮のものだったわけだ。


これからはきっと人の姿をした苔が何事もなかったかのようにいつもの店で飲んでいる姿を目にするであろう。「よく光ってますね」といわれるわけだ。

その苔はきっとこう答えるのである。「ああ、よく言われるよ」と。


嗚呼、わたしは苔に・・・ならなくていいや。


苔をコケにしたわけではなく、ただ、部屋に何か植物を置いてみようと思ったら、ヒカリゴケなるものを見つけた、そういう話である。



さて先日。


八月の末、七面倒な健康診断に参り、そして昨日、その結果が届いていた。


きっと肝臓が・・・血もなにやら混じっているに違いない。少なくとも「ブルーブラッド」は混じってない。


と思ったら。


痩せすぎなのと、ちと貧血気味で要観察、と書かれてあった。要観察は、ちょっと危ういので半年くらいを目処に様子を見ようということだが、もうそれなら半年以上要観察状態ではなかろうか。

「バランスよく食え」とあった。確かに、バランスが悪いことは間違いない。ただし、一般的にではなく。


しかし、貧血気味だといわれてもよく判らない。


体が疲れているのかと、寝すぎたらしんどくて、却って寝ないほうが元気だったりする状態であるし、炎天下を小一時間歩いて自宅まで帰り、エアコンをかけてもない部屋で寝て(窓と玄関とカーテンまで開いている)、何事もなく起き上がってくるような人間の血は何で出来ているのやら。

きっと苔が混じっているのだろう。違いない。


こちらとしては西洋医学を盲信する輩はコケにしていく所存であるが、土俵が違いすぎるので、コケにされるのがオチである。では、また。