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それでは、原発に対する「私の現在の認識と判断」に加えて、「原発に否定的な国際的な評価」の事例をまとめておきましょう。
★私の現在の認識と判断
「安全に十分配慮した上で、原子力を推進する」という考えは、日本の政府の主張であり、国民の60~70%が「不安はあるが、必要悪」と納得していると考えてよいと思いますが、私はそうは思いません。この考えは20世紀の経済成長をそのまま引きずっている考えで、21世紀の経済のあり方を十分に考えているとは言えません。
このような硬直した発想は議論の論点が狭すぎることから生じるものだと思います。4月10日のブログ「まずは、皆さんへの質問」 の表の(6)、(7)、(8)を日本の原発の論点に加え、「21世紀の国のあり方(持続可能な社会の構築)」や「経済見通し」との関係で十分に議論しなければならないと思います。
特に、(8)を議論の中心に据えれば、議論の方向は大きく変わってくるでしょうし、可能かどうかは別にして、「原発を捨てること」が論理的には正当性があるということになるのではないでしょうか?そうであれば、原発の新設を止め、「安全に十分配慮した上で、原発の依存度を徐々に縮小していく」ことが、現実的なのではないでしょうか。
★スウェーデンの基本的な考え方
この点で、スウェーデンの論旨は明解です。スウェーデン政府が1992年の地球サミットに提出した資料の一つに「Ecocycles: The Basis of Sustainable Urban Development 」と題する報告書があります。この報告書の60ページに「しかしながら、原子力は持続可能なエネルギー源ではない。それゆえに、国会は国民投票後にすべての原子力発電所を遅くとも2010年までに廃止することを決定した」という記述があります。
★IPCCの基本的な考え方
1995年の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第二次評価報告は「原子力エネルギーは原子炉の安全性、核廃棄物の処分などについて一般に許容される対応策が見つかれば、世界の多くの地域のベースロードとなっている化石燃料による火力発電を置き換える可能性がある」としています。このように、IPCCの報告では、原子力については積極的ではなく、「条件が整えば」という仮定の話にとどまっていることに注意する必要があります。
★WCEDの基本的な考え方
また、持続可能な開発を提唱した国連の「環境と開発に関する世界委員会(WCED)」は「さまざまな議論があったが、最終的には原発はこれにより生ずる未解決の問題に関するはっきりした解決策が存在しないかぎり、正当化し得ないという点で委員会全員の見解の一致をみた」と1987年4月の「我ら共有の未来」と題する報告書(ブルントラント報告)に書いてあります。
★WSSDの原発の扱い
2002年8月末から9月初めにヨハネスブルグで開かれた「持続可能な開発に関する世界サミット」(WSSD)を報ずる毎日新聞の記事です。
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