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咲とその夫

 思いもよらず認知症になった「咲」の介護、その合間にグラウンド・ゴルフを。
 週末にはちょこっと競馬も。
 

鳥居強右衛門(とりいすねえもん)・・・どうする家康

2023-06-06 20:15:40 | レビュー

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 4日(日)午後8時00分から放送された大河ドラマ「どうする家康」、毎回楽しく見入っている。
 今回は、長篠城が武田軍に攻め込まれ落城寸前の中、何のとりえもなかった鳥居強右衛門(とりいすねえもん)と云う家来が、密かに山城を抜け出して織田・徳川連合軍に援軍を請う話が描かれていた。
 
 物語の後段、援軍が長篠城へやって来るとの嬉しい知らせを一刻も早く、長篠城で踏ん張っている城主・奥平信昌に持ち帰ろうとする下りが描かれるも、そこには鳥居強右衛門の壮烈な最期が待っていた。
 
 この地侍の役柄をかなり太っているが、悲しい結末とは裏腹に懸命に演じていた岡崎体育さんの姿が鮮烈だった。

 この帰還の中途に武田軍に捕縛され、援軍は来ないと川向こうに見える長篠城に向かって叫ばされるも、最後は援軍がやって来ると大きな声で叫び続けたことで、武田軍により磔にされる。

 この鳥居強右衛門の忠義心と勇気について、一連の話をかつて池波小説の中で読み込んでいた。
 「真田太平記」の中であったか、あるいは短編小説であったかちょっと忘れたけど、鮮烈に描かれていた。
 
 武田軍に包囲された中、山城をどのように抜け出したのか、不可能を可能にした下りが克明に描かれていた。
 夜陰に紛れ川を渡るには、密かに山城を抜け出さなくてはならない。
 城中の厠から抜け出すのであるが、糞尿まみれになりながらついに川に降り立つが、いかにもその強烈な臭いが読者に伝わってくるように描かれていた。
 
 尊敬する池波正太郎先生の筆致の凄さを思い知らされる場面でもあった。
 夜陰に紛れ武田軍が包囲する中、徳川軍へ向かうまでの苦節、そして織田・徳川の援軍がやって来ることを城中へ知らせるため、折り返し長篠城へ帰還する様子などが描かれる。
 
 ところが、武田軍に捕縛され・・・最期となる磔までの下り。
 両手足を十字のように縛られながらも、大声で援軍来ると川向うの城中で待つ城主らへ伝える場面など、手に取るように描かれていた。
 読み終えたあと、戦国時代には凄い人が生きていたものと思い知らされるものだった。
 
 池波小説を機に鳥居強右衛門と云う武士の名前を忘れることはなかった。
 その人物のことが、先日の大河ドラマで描かれており、改めて想い出さされた。(夫)



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