久しぶりに書店に出向き、お気に入りの池波小説を購入してきた。先般、読み終えた藤沢周平小説とは、いささか趣も違っており慣れ親しんでいる池波小説の方がしっくりくる。
「頬骨の張り出した顔いっぱいを、ふとい鼻がしめている。
目は小さい。細い目が柔和であった。
筆にふくませた濃い墨が、ぽたりと紙へ落ちたような眉毛なのである」
と、直ぐに目に浮かぶような表現の人物、とてもうまい描写であり筆致。これから、小説の主人公に関わっていくであろう、映画でいえば大事な脇役である。そして、この人物の体格についての表現も素晴らしい。
「小柄で細い身体つきなのだが、裸になると筋肉が針金でも縒り合わせたかのように、ひきしまっていた」
これらの表現により、1頁から充実してくる池波小説・・・さすがである。そのタイトルは「闇の狩人」、上下巻を読み終えたら感想でも書きたくなっている。
ところで、大好きな時代劇が、NHKBSプレミアムにて新たにスタートした。その題名は「猿飛三世」である。真田家に仕えて諜報活動を懸命にやっていた猿飛佐助の孫という設定のニンジャ(忍び)の物語。もっとも、猿飛佐助とは架空の“忍び”であるが、真田一族には諜報活動や謀略を行なう“忍び”が使われていたとのことであるから、名もない“忍び”がモデルになったものであろう。
それはともかく、大阪夏の陣で敗れた真田幸村配下の猿飛佐助も既に亡くなっているが、忍びの七術を子や孫に伝えたとの設定。そして、孫の「猿飛三世」がさまざまな出来事に遭遇しながら、成長していく物語といったところらしい・・・その名も祖父にあやかって佐助である。
忍びの腕前は、それなりにいいものを持っているが、相手を仕留めることのできない心優しい人物として描かれ、例え小さな生き物でも殺すことができない・・・そこのところが、愉快である。だから、主人公を演じている伊藤淳史さんがハマリ役かなと思いつつ、第1回「秘伝七術の巻」を楽しく、娯楽作品として見入ってしまった。荒唐無稽な出で立ちの主人公であり、それに敵対する忍びは、これまた伊賀の忍び「服部半蔵」の孫という設定の人物も登場・・・これまた、荒唐無稽な出で立ちである。
最近はやりのアニメの世界から飛び出したような姿かたち。ところが、娯楽時代劇として、あまり深く突っ込んで考えることもなく、時代考証なども大雑把な感じで受け止めておけばいいのである。そのようなドラマと割り切ればいい・・・。
出演者の皆さんを眺めても、コメディータッチで描かれているのかとも思えるが、肩の力を抜いて楽しく見ていきたい作品である。とに角、初回から“忍び”が主人公であるからアクションシーン一杯の殺陣、ワイヤーアクションやCG合成も取り入れられた映像も面白い。
それでも、前宣伝で主人公・佐助役の伊藤淳史さんとヒロイン・お市役の水川あさみさんが出て話していた番組を見た。あのアクションシーンは、相当に力も入り大変であったとのこと。また、水川あさみさんのアクションシーンもふんだんに取り入れてあるとか。
いずれにしても、“忍び”を主人公にした8回完結のこのドラマ、NHKが取り組んだドラマとしては斬新なものであるから、最終話まで楽しく、面白く拝見したい。(夫)
[追 記1]~主人公の人物像~
忍者・猿飛佐助の孫。真っ直ぐで元気な男。天真爛漫、楽天的で少し抜けたところがご愛敬。規律や権威に対しては懐疑的で理不尽なことは許せない。幼い頃に生き別れた父親も有能な忍者だったらしく、コンプレックスを持っている。女性に対しては純情な上にマザコンで、かあちゃんが苦手。鍛え上げた忍者としての腕を使ってのし上がりたいという若者らしい野心を持ってはいるが、働き場とてなく、くすぶっていたところに、お市との運命の出会いがやってくる。
[追 記2]~第2回「忍」あらすじ~
京の長屋に住みはじめた佐助をお市が訪ねてきた。長屋にはこの頃町にあふれていた牢人が住み着いており、二人は牢人同士の諍いに巻き込まれる。その日の夕方お市が何者かにかどわかされた。お市の身元を知った京都所司代が、高波藩取り潰しの種にしようと目論んだのだ。身代金の受け渡し場所に金を持たずに行った父・主膳は、現れた所司代の手先に斬りつけられるが、間一髪で駆けつけた佐助が主膳を救う。一方椚(くぬぎ)の里から佐助の様子を見に来たお辰は、20年前に家を出て行った夫・鬼丸と出会い、衝撃を受ける。
参考資料:NHK公式HP他
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「頬骨の張り出した顔いっぱいを、ふとい鼻がしめている。
目は小さい。細い目が柔和であった。
筆にふくませた濃い墨が、ぽたりと紙へ落ちたような眉毛なのである」
と、直ぐに目に浮かぶような表現の人物、とてもうまい描写であり筆致。これから、小説の主人公に関わっていくであろう、映画でいえば大事な脇役である。そして、この人物の体格についての表現も素晴らしい。
「小柄で細い身体つきなのだが、裸になると筋肉が針金でも縒り合わせたかのように、ひきしまっていた」
これらの表現により、1頁から充実してくる池波小説・・・さすがである。そのタイトルは「闇の狩人」、上下巻を読み終えたら感想でも書きたくなっている。
ところで、大好きな時代劇が、NHKBSプレミアムにて新たにスタートした。その題名は「猿飛三世」である。真田家に仕えて諜報活動を懸命にやっていた猿飛佐助の孫という設定のニンジャ(忍び)の物語。もっとも、猿飛佐助とは架空の“忍び”であるが、真田一族には諜報活動や謀略を行なう“忍び”が使われていたとのことであるから、名もない“忍び”がモデルになったものであろう。
それはともかく、大阪夏の陣で敗れた真田幸村配下の猿飛佐助も既に亡くなっているが、忍びの七術を子や孫に伝えたとの設定。そして、孫の「猿飛三世」がさまざまな出来事に遭遇しながら、成長していく物語といったところらしい・・・その名も祖父にあやかって佐助である。
忍びの腕前は、それなりにいいものを持っているが、相手を仕留めることのできない心優しい人物として描かれ、例え小さな生き物でも殺すことができない・・・そこのところが、愉快である。だから、主人公を演じている伊藤淳史さんがハマリ役かなと思いつつ、第1回「秘伝七術の巻」を楽しく、娯楽作品として見入ってしまった。荒唐無稽な出で立ちの主人公であり、それに敵対する忍びは、これまた伊賀の忍び「服部半蔵」の孫という設定の人物も登場・・・これまた、荒唐無稽な出で立ちである。
最近はやりのアニメの世界から飛び出したような姿かたち。ところが、娯楽時代劇として、あまり深く突っ込んで考えることもなく、時代考証なども大雑把な感じで受け止めておけばいいのである。そのようなドラマと割り切ればいい・・・。
出演者の皆さんを眺めても、コメディータッチで描かれているのかとも思えるが、肩の力を抜いて楽しく見ていきたい作品である。とに角、初回から“忍び”が主人公であるからアクションシーン一杯の殺陣、ワイヤーアクションやCG合成も取り入れられた映像も面白い。
それでも、前宣伝で主人公・佐助役の伊藤淳史さんとヒロイン・お市役の水川あさみさんが出て話していた番組を見た。あのアクションシーンは、相当に力も入り大変であったとのこと。また、水川あさみさんのアクションシーンもふんだんに取り入れてあるとか。
いずれにしても、“忍び”を主人公にした8回完結のこのドラマ、NHKが取り組んだドラマとしては斬新なものであるから、最終話まで楽しく、面白く拝見したい。(夫)
[追 記1]~主人公の人物像~
忍者・猿飛佐助の孫。真っ直ぐで元気な男。天真爛漫、楽天的で少し抜けたところがご愛敬。規律や権威に対しては懐疑的で理不尽なことは許せない。幼い頃に生き別れた父親も有能な忍者だったらしく、コンプレックスを持っている。女性に対しては純情な上にマザコンで、かあちゃんが苦手。鍛え上げた忍者としての腕を使ってのし上がりたいという若者らしい野心を持ってはいるが、働き場とてなく、くすぶっていたところに、お市との運命の出会いがやってくる。
[追 記2]~第2回「忍」あらすじ~
京の長屋に住みはじめた佐助をお市が訪ねてきた。長屋にはこの頃町にあふれていた牢人が住み着いており、二人は牢人同士の諍いに巻き込まれる。その日の夕方お市が何者かにかどわかされた。お市の身元を知った京都所司代が、高波藩取り潰しの種にしようと目論んだのだ。身代金の受け渡し場所に金を持たずに行った父・主膳は、現れた所司代の手先に斬りつけられるが、間一髪で駆けつけた佐助が主膳を救う。一方椚(くぬぎ)の里から佐助の様子を見に来たお辰は、20年前に家を出て行った夫・鬼丸と出会い、衝撃を受ける。
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