まったり アイマス2

アイドルマスター2 超ライトユーザーのプレイ日記

2942. ヒルベルト

2020年01月30日 | 日記

 ふう、同じ出張先なのに昨日は少しまし。何かあったのかな。会社の外見はあまり変わらないように見えましたが。
 午後からの出張なので、早めに昼食と。大型書店に寄って、解析力学の入門書の新刊が有ったから買ってしまいました。分かりやすそうな感じでしたから。
 現在の物理の本はいきなり説明無しにハミルトニアンとか出てきて、知らないと最初の数ページで迷子になります。ハミルトニアンはポテンシャルエネルギー+運動エネルギーのいわゆる力学エネルギーのことで、力学エネルギーと言うよりは少し便利な部分があるので盛んに使われるようです。ですから私は今から勉強。

 昨日も別の大型書店に行っていて、なぜか目に付いたのがヒルベルト著、中村幸四郎訳、幾何学基礎論という文庫本(新刊では無い)。本編は後で見るとして(つまりまだ全部は読んでいない)、解説を最初に見たらものすごく面白かったので紹介します。
 現代数学の父とも呼ばれ、なんだか音楽で言うとバッハやベートーベンみたいな人です。時代を代表する方で、音楽でもバッハやベートーベンがいなくても誰かがやっていたでしょうけど、別の人なら今はずいぶん違った感じになっていたと思います。それほどの影響力のある人。
 ヒルベルトはガウスの後の時代に生まれ、と言うことはガロアの後の人です。オイラー流の楽観的な数学が終わり、集合論が出てきて数学基礎論が議論され、その初期ですから数学の危機がやってきた、の雰囲気だったようです。ヒルベルトは果敢にこの数学の危機に挑戦し、その結果は見れば分かります。物理と工学はこの世の花の世界となりました。20世紀のすさまじい発展の感じの一端はヒルベルトの活動が元になっているようです。

 偶然なのか、我が国は近代化に邁進している真っ最中で、有名な数学者の高木卓治氏がヒルベルト氏に現地で直接会っていて、その模様は近世数学史談という本(すぐに手に入るはず)に掲載されています。高木氏(故人)はブルーバックスの最近の刊の数の概念の著者で、秋山仁氏の解説にもこの様子が載っていて、現在の観点からはこちらの解説が見所と思います。

 数理科学という数学・物理系の啓蒙雑誌の昨年秋の刊でヒルベルトは特集されています。この冒頭のヒルベルトの時代の文章が印象的で、今でも数学者は熱くなるようです。が、熱くなりすぎて、一般記事はやや難解です。
 なので、文庫本の幾何学基礎論の解説は助かりました。ヒルベルトも最初はユークリッド風の解決を目指していたとのこと。実数から見ると有理数とそのガロア拡大(平方根と虚数のこと)は数直線上ではスカスカなのですが、ふつうの幾何学ではことごとく名前の付けられる数値に当たってしまうので、おそらく多分、古代人のユークリッドはこの異常事態に気付かなかったのであろう、と。その直後に思い直して、実数の連続性などに注力し始めたようです。
 私の想像では一階微分方程式(普通に一回積分)の段階ですでに有理数の拡張は崩壊します。物理的には二階微分方程式が重要ですが、工学的には2個の積分器を縦続しただけなので普段やっていることです。

 元に戻って。ヒルベルトの活躍した時代の直後に、例のゲーデルの不完全性定理(incompleteness theroem)が出てきます。冷や水をぶっかけられた感じですが、近代・現代数学自体はひるむことは無かったです。それほどヒルベルトの数学が無敵だったということ。無限は有限とは様相が異なることを認めた上で、無限は数学が扱いうる対象だと。ヒルベルト氏は長寿だったので、その後の経緯を楽しんでおられたと想像します。
 ここで出てくる証明可能性とか無矛盾性とかの用語は意外に難敵です。知りたい方はスマリヤンの不完全性定理【改訳版】(邦訳あり)が頼りになると思います。ええ、不完全性定理のオカルト的解釈は五万とあって、真面目な数学者には癪の種になっているようです。


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