光子の振る舞いに関する一見、パラドックスのような動きを説明するための実験で、レーザーを使うと簡単に再現できるのでたしか高校の時(40年くらい前)に見たことがあります。
なぜかとあるネットで話題になって、その説明のCGを見たら光子の粒々が発射機から飛んで行くのが描かれていて吹きました。一体、どの本を見て書いたのか。電子ビームじゃ無いよ、と。
いや、私がここ関連の物理を総理解している訳では無いので、以下、間違っている知識が混じっているかもしれないので引用はくれぐれもご注意ください。
光子は光が物質と相互作用する時の単位です。たしかPETスキャン装置ではポジトロン(陽電子)を発生する核種を使用し、その陽電子がそのあたりにある普通の電子と相互作用して消滅時に2個の光子を発生し、その光子は運動量保存だったか光速で左右に分かれてリング状に配置された検出器に到達します。と言う風に説明されるので、あたかも光子がぽんと発生しているような気がするかもしれません。
しかし、星空を見上げると直ちに星が見えるのはエネルギー収支では説明できないそうで、量子力学のこの手の説明では冒頭に空間を飛んでいるのはエネルギーを運ぶ光子、ではなくある種の情報で、星の表面と網膜の受容分子がそのときに(時空を超えて)エンタングルメントした、みたいです。みたいです、って、これが私の理解。情報というとエントロピーですが、エントロピーは空間の各点である時刻には決まった値(温度や圧力みたいに)なので、これとは違うと思います。
そう、波動関数です。これの高確率の所の物質と相互作用する場合に光子として認識される、多分、そう。ですから二重スリット実験でスリットをすり抜けたのは上述の「情報」で、光子が飛んで行く描写は間違いの元と思います。こちらの理解だと、波動関数の容器の形状が異なれば、当然、高確率の場所が変化しますから、光子の発生する場所が異なります。私の理解では、観察すると像が変化する、と称する場合は常に容器の形が変化していると思います。その変化の場所は、たしかに光源とフィルムとスリットの直線上では無いですが。
なぜこの手の実験をしつこくやったかというと、このような素朴な理解ではなく、対立仮説との違いを検出するのが実験の目的だからです。ええと、隠れた変数仮説だったか、そんなの。
出現場所は良いとして、不可解に思えるのはあと2つ。一つはその相互作用の領域が極めて小さくて、光の波長とは比べものにならず、多分、プランク長あたりの出来事と思えること。もう一つは宇宙全体でエネルギーなどの収支のつじつまが合っていることで、そうでなければ物理学では無いです。