現在の私のコンピュータグラフィックスの自作プログラムの目的の一つが一様多面体(uniform polyhedra)で、20年ほど前にOpenGLで作ったのは某所で公開しましたが、今から考えると不完全な部分があって、なので続編を作ろうとしています。
元の論文は1954年のもので、一応手に入るみたいですが有料です。ごく普通の価格なので本を書くとかなら買っても良いのですが、今のところ趣味なので迷っています。ネットではなぜか英語のページが詳しくて、おそらくこれである程度は事足りると思います。
ついでにコンピュータグラフィックスでのモデルが掲載されているのですが、妙な蓋みたいなのがくっついていたりして、解釈の相違があるものだと。
一様多面体の定義は面が正多角形で、かつ、各頂点周りが合同の図形です。プラトンの立体はもちろん一様多面体の中の一族です。アルキメデスの立体がアイデアの元と思います。ケプラー・ポアンソ立体のように五芒星のような自己交叉している正多角形の面や、面の自己交叉も認めるとずっと多くの立体が得られ、これで一様多面体は完結します。
4次元以上にも同様の立体があります。ただし、変形多面体のような左右非対称の立体は見たことがありません。6, 7, 8次元に特有の対称性、E6, E7, E8では対応する正多胞体は無く、すべて一般の一様多面体になるとのことです。
一様多面体の調査には2方法があり、一つは頂点周りの面(胞)の組み合わせ(頂点図形)を探ること。どうも様子を見る限り、こちらがオリジナルのようです。もう一つは空間の対称性、つまり回転群(直交群)から探るやりかたで、私はてっきりこちらが元だと思っていたので多少混乱したのでした。いや、単純に考えるとどちらも同じ効果のはずです。しかし、実際に出てくる絵の印象はかなり違うみたいで、対称性からの踏み込みの方がいろいろ示唆に富む図形の変化が得られると思います。ただし、こちらでは最後の一様多面体が素直には出てきません。
一様多面体は正多胞体に比べると対称性が低く、ある時点で行き止まり感がしたためか、それ以上の追求は数学愛好家の活動のみになっているような気がします。