ペットボトルで作った簡易な霧箱で放射線を観察する写真集が発刊されています。比較的に簡単とは言っても半ば実用の日曜大工とかアマチュア電子工作程度の技量と熱意は必要です。
日常的に建築材料などで見られる花崗岩などからはわずかな自然放射線が出ているみたいで、それらの観察です。
ちょうど20世紀が始まる頃から爆発的に発展した物理学の分野が見事にトレースされていて、当時の科学界の興奮が伝わってくる感じがします。そう、こうして原子や原子核の構造が解明されていった訳。
後半になると宇宙線などによるかなり珍しい現象を捉えようとしていて、シャッターチャンスを粘り強く待っていた記述が増えて行きます。
少し以前までは次々に巨大な加速器が建設され、検出器やその解析のためのコンピュータもどんどん高度になって行きました。それらを推進した熱意がよく分かるような気がします。
現在は新粒子の発見はやや落ち着いた感じです。手の届く範囲は解析し尽くされて、このままプランク長(超弦理論)までは砂漠の状態なのか、あるいは全く別の方向からの解析が開発されるのか。