まったり アイマス2

アイドルマスター2 超ライトユーザーのプレイ日記

3781. 定番IC、続き^2

2022年07月02日 | 日記
 アマチュア無線用送信機のTX-88Dは水晶発振子による搬送波に音声でAM変調してアンテナに出力する機能だけの装置だったと記憶しています。任意の周波数で送信するにはVFOと呼ばれる外部機器を接続する必要がありました。アナログですから部品のばらつきや、おそらく気温などの環境によってなかなか周波数が決まらないと思います。回路自体はコンデンサとコイルによるものですから、一通話の時間くらいは安定しているはずです。
 水晶発振器の周波数精度は10進6桁程度は容易に達成できます。が、周波数は固定です。ですから、これでVFOを常時校正しながら使うことになります。しかし、当時の私の知識ではなかなか使いこなすことはできず、名器TX-88Dの使用機会は短期間に終わりました。
 受信機9R-59Dは短波ラジオとしてしばらく使っていました。

 その数年後にはTTLと呼ばれる小規模の論理ICと7セグメントのLEDが容易に手に入るようになりましたから、今の知識だと外付けの周波数カウンターを付けて便利に運用していたと思います。とはいえ、そんなのは市販品にすぐに取り入れられて行きましたから、アマチュア無線機は急激に使いやすくなっていったはずです。
 そう、そのTTLによる小規模の論理IC等が今も定番ICとして市販されています。今は同等の動作のCMOS ICの方が主流と思います。

 現在はLSI、つまり大規模集積回路の言葉だけが生き残っていますが、TTLは主にはSSI(小規模集積回路)とMSI(中規模集積回路)が主なラインアップです。SSIはAND/OR/NOTの基本論理素子と、XOR(排他的論理和)やAND-OR(複数条件による起動)のような数ゲートの回路を1チップにしてパッケージに収めたものです。MSIはカウンタや加算器のような数十ゲートのもの。256bit程度のメモリもTTLでは大規模集積回路の扱いになっていたはずです。
 1970年代には概ねクロック周波数10MHz以下で使う部品で、現在は50MHz程度は簡単に対応できると思います。SSIやMSIでも基本的な動作のものはとても汎用性が高くて安価なので、ちょっとしたデジタル処理などにトランジスタ1個の感覚で使用します。CMOSだと特性が素直なので、アナログ回路に混在させることがあると思います。
 たとえば当時、パイオニア社から比較的に経済的なのに驚異的な左右分離度のFMチューナー(オーディオ機器)が発売されましたが、最初のバージョンではCMOS論理ICがそのまま使われていたので驚いたことがあります。売れることが分かるとオーディオ用の専用部品に移行していったはずです。

 要はこの手の定番ICはとても応用範囲が広くて、安価ながら安定して動作し、なによりいわゆるディスコン(discontinued: 発売中止)の恐れが少ないです。現在の半導体不足は新型コロナウイルス感染症関連による国際的な部品供給網の激変に由来し、その安定していたはずの定番ICが不足する事態になった、と言うのが原因の一つと思います。
 安価なので薄利多売をせざるを得ず、撤退が遅れた企業は他に誰もやらないからしぶしぶ、まあとにかく黒字にはなっているから良いか、みたいな感覚で作っていたはずです。
 まさかこんなに大騒ぎになるとは思ってもみなかったと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3780. 定番IC、続き

2022年07月02日 | 日記
 アマチュア無線界隈では有名な出版社、CQ出版の「日本アマチュア無線機名鑑」と言うのが書店で目に付いたので買いました。どうやら続編(―II)が刊行されたので、ついでに最初のも店頭に並べておこう、みたいな感じだったようです。
 私が操作していたトリオ(現JVCケンウッド)の送信機のTX-88Dと中波・短波受信機の9R-59Dの写真が載っています。どちらも組み立てキットだったはずで、購入したらドライバと半田ごてで組み立てないといけません。どちらも真空管回路で、9R-59Dの方は当時としては最新のプリント基板に真空管ソケットが乗っている形態だったはずです。

 普通は真空管ソケットはアルミ板でできたシャーシに丸穴を空けてビス・ナットで固定し、抵抗やコンデンサや普通の導線による配線はラグ板という空中端子を経由して空中に浮かせた状態で接続します。当時、普通に売られていた5球スーパーラジオや白黒テレビもそんな配線でした。
 今は回路図を見て配線できる自信がありますが、当時は実体配線図と言って、実物大などのスケッチが添付されていて、それを見て慎重に配線して行きます。

 9R-59Dにはかなり大きなコイルとバリコンの複合部品があって、さすがに機構的に微妙なのでここは最初から配線されていました。ここでアンテナからの信号を選局します。要するに周波数フィルタです。また、同時にスーパーヘテロダイン用の発振器の周波数も決めます。要するにアナログです。高一中二というのは、フィルタを通ったそのままの信号(高周波)を1個の真空管で増幅し、スーパーヘテロダインと言って受信機内の発振器(局発)と混合(積を取る)して中間周波数(455kHzだったか)に変換し、そこで2段(2個の真空管)で増幅し、検波(AMなら包絡線を取る)して低周波、つまりスピーカー駆動用の真空管に信号を渡します。

 なぜこんなややこしいことをするかというと、そのままの周波数で増幅するとアナログですから出力の一部が入力に意図せずフィードバック(正帰還)されてしまい、発振してしまう(劇場のPAのハウリングみたいなもの)ので信号の増幅にならないからです。ですから、周波数をずらせて増幅します。また、この方式だと増幅した信号がアンテナに逆流して近所に妙な電波をまき散らす副作用が大幅に低減されます。

 さらにスーパーヘテロダインだと、その455kHzで鋭いフィルタを設置するといわゆる選択度が劇的に向上します。混信が無くなる、ということ。
 30MHz未満(3MHz以上)の短波ですから、真空での波長は10m以上あるので、配線は適当で動作してしまいます。短波は地球表面を這って世界中に届きますから、ここはかつては国際的な周波数の奪い合いになりました。今も楽しい状態だと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする