今日も普通にお仕事でした。訪問先の事業所のすぐ近くに鮮やかな緑の山が見えて5月らしさを感じます。田植えはまだです。
昼休みにちょっとだけ時間があったので多様体の入門書を読み始めて。ごくゆっくりと進行しています。曲面論みたいになるのはいつになるのやら。
まず、数直線が多様体であることから始まります。連続性とは数列が収束すること、と述べられていて、この数学独特の表現に慣れるまでに途方もない年月がかかったことを告白しないといけません。つまり、他の科学分野の言い方とは異なります。
要するに、コーシー列の先に、その列自体は決して到達できなくても、実数と呼ばれる数が存在すると仮定する、の「仮定」の文字が数学では決して出てこない印象です。
その数、例えば√aは数列が全部(可算無限個)有理数でも、有理数ではない場合があって、しかし有理数と同様の演算が効く、と仮定しても矛盾が起こらない、ように公理系を構築する。だと思いますよ、私の意見では。これを理解するのに中学校以来、数十年を要した、ということ。
しかし、それにもグレードがあって、√2あたりはユークリッド幾何学を信じると素直に存在が納得できます。三乗根になると、すでにその存在はかなり怪しいです、がまだ記述はできます。五乗根にまでなると一般には直接の記述ができません。
グラフなどを書くと明らかに存在するように見えて、グラフが描けるくらいですから求め方はあるはず、というのが現在は一般的見解です。そう、(可算)無限数列です。
なので、禅問答というか一休さんとの会話みたいになります。無限桁の小数で表される数が存在します、と。じゃあ、その無限桁の数字をすべて言ってください。いいですよ、どの桁の数字が知りたいですか?。いや、(可算)無限個全部だ。知りたいのは具体的数字なのでしょう?、ですから桁を指定してください。…みたいな。
実際、計算は可能、のはずです。どの桁を指定されても。これは任意の精度の計算ができることで保証されます。εδ論法です。しかし、これでも弱くて、決着するにはルベーグ積分のような(可算)無限が複数(高々可算無限個)ある場合の計算法を提示しないといけません。
私の観察では、ここでやっと決着です。それ以上を仮定することは可能でしょうが、計算できないと思います。おそらく証明もできません。