京都発・町家・大工はんなり日記

京都で仕事と道具を楽しみながら毎日過ごす。

逆行させた鋸

2006-08-03 22:56:14 | 道具箱
逆行させた鋸

鋸元々片方に刃が付いている片挽き鋸が主体でした。物の本によると片挽きでは縦挽き、横挽きの鋸目が1本ずつ必要で建具など建て合わせをする時に持ち替えなくてはなりませんでした。

そこで背中の方にも目を切っておくと持ち替えなくてもすみます。そんな訳で両側に刃の付いた両刃鋸が出来たと言われています。

この2本の片刃鋸は今までとは逆さまで実は両刃鋸を片刃に直して貰った物です。使う目的によっては片刃の方が都合が良いことがあります。

1本は釘挽き鋸と言って竹釘を打ち込んだ時や埋木を直角に入れた時に面で切り取りたい時に使っています。1本は木目に平行に入れた時に面とぴったりにおさめる用に切り取る鋸です。

2006-08-03 00:18:17 | 道具箱


特別思い入れのある物ではないのでが刃は錆びて台は緩くなって使えなくなっていた物ですが時間を掛けて錆を落とし、丁寧に研ぎ上げ台に仕込み直すと愛着がわいてきます。

タンニンで真っ黒だった台も鉋掛けをして化粧し直し緩くなった物は線香で直すと良い感じに仕上がり毎日の仕事に使うのには何の不自由も感じません。叩いて変形していた頭も鑢で仕上げ直しました。

むしろ使い良い位に仕上がっています。

近所のおじいちゃんが使っていた物には見えないでしょう。

最近よく聴く黒染め剤などで染めてみようと思っています。