海に吹く風

海の大好きな私
ここで皆さんとお話しましょう

日々思うこと、短歌についても書いていきます

朝川を越えるとき

2008-02-23 21:40:49 | 短歌
 朝川を渡りで来たる君抱けば川の瀬音と水の香のする


これは前に作った
 燃え残るもの冷ゆるまで里の雪但馬皇女の墓に降り積む

の連作とも言うべき歌。
但馬皇女の
 人言を 繁み言痛(こちた)み 己が世に いまだ渡らぬ 朝川渡る
を踏まえて詠った歌

なかなか会えない状況にある恋人に会いにいくため「君」はまだ明けやらぬ薄闇の川を服が濡れるのもいとわず渡る。
野には獣がいるかも知れない、あるいはが盗賊が潜んでいるかも。
それでもひたすら恋しい人の下へ。

そんな思いをして会いにきてくれた人を抱けば、命をかけて渡った川の水の音も香りもまざまざと蘇る。
そのいとおしさと切なさと・・・ただ強く抱きしめるしかないのではないか。。


歌会に出した歌で、叙情的、切なくて美しい相聞歌とほめていただいた。
嬉しいな。
コメント
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