アントンKが鉄道写真を始めた時代、かろうじて急行電車にヘッドマークを掲げて走っていたのは、幕張電車区に所属していた車両達だったと記憶している。もっと昔まで遡れば、電車急行、気動車急行に愛称マークが着いているのは当たり前で、特急列車とともにとても誇らしげに思えたものだが、アントンKには諸先輩方の記録を覗くだけで、現役蒸機と同じく指を加えていただけだった。そんな想いを抱きながら、房総地区へ何度か撮影に出向いたことがあった。まだ153系電車と165系電車が共存していた時代であり、全てに愛称を掲げ、飽きなかったことを思い出している。「外房」「内房」「水郷」「鹿島」などの急行電車であり、同時に183系初期車の特急「さざなみ」「わかしお」等も運転していたのだから、まさに当時は電車王国、鉄道王国の時代だったのだ。
一番馴染みのあった「アルプス」「かいじ」「ゆけむり」「なすの」などには、すでに愛称板取り付けはなく、同じ電車でも愛称板があるのと無いのとで、こうも見栄えが違う物か、と当時は納得したもの。以降ブルトレのヘッドマークに拘りができたのも、この時代の想いからかもしれない。
さて、また古い画像から1枚掲載しておく。房総急行「外房」「内房」の前身にあたる急行「みさき」の乗車時のスナップだ。側線の73系電車も懐かしいが、マークを掲げた165系のこのスタイルが当時から好きだった。
1974-08-10 108M 急行「みさき4号」 内房線:館山駅